【第3日目 8月17日】

6時からは雨が降るという天気予報とあっては、早朝なるべく雨の降らない時間帯に進めるだけ進んでおきたいところだ。皆思うところは同じで、4時半には出れそうだったが、テント撤収後に小屋の外の唯一のトイレを占拠されてしまい大分タイムロス。(苦笑) やっと出発すると、もうヘッデンがいらない程度で、幸いまだ曇り空ぐらいだ。快調に朝一の登りをこなして行くと、初日の浄土山の登りから何度か会話を交わしていたご夫妻を発見。さらにその前には、立山からスゴまで一気に来たという健脚の年金生活のご夫妻を発見。間山(2585.2m)までは一応快適な登りだった。そこから見た景色は、さあこれからお天気が悪くなるぞ〜〜サインが一杯で、いよいよガスの中に突入という感じだった。


ここからの登りで完全な雲の中に入ったので、景色は真っ白になったのは当然である。しばらくすると二重稜線のような所を歩き、その分ダイレクトに風が当たらない所が多かったのは助かった。両脇にウサギギクや白いお花が咲いているのが唯一の慰め。まだ雨というよりはガス位で、視界もある程度はある。この二重稜線が終わって、稜線に出るか出ないか位の所から本降りに雨が降ってきたので、おニューの雨具を着る。
(バーゲンで仕入れた格安品で、ピンクしかなかったが、雨具のピンクはちょっと気恥ずかしい。)ちょうど、5分とたたずに初日からのご夫妻に合流。しばらく前後して歩く。稜線に出たので、猛烈に風が強い。一人だとちょっと心細いので、ありがたかった・・・・。道は、稜線の右や左についているので、右からの富山湾方面の風がもろに当たる道を歩いていると、本当に大変。必死の思いで前進するが、風が強くて息をするのも大変だ。時折よろめいてしまったりして、飛ばされないように努める。一応?軽量級の自分はかなり辛いものがあった(体重のある人は有利なのか?謎だ〜〜〜)


やっと北薬師岳山頂と思われる所に到着。
道標に、「ここで雨なら、薬師は風雨。薬師越え厳しい」というような文章が載っていた。あまりにも、適切だったので妙に納得したが、既に十分厳しいのが現状なので、これ以上どうなっちゃうのか・・・・。頑張って歩いては、少し休める風当たりの少し緩い山影でほぅっ〜〜っと体制を整える繰り返しだった。ご夫妻とはしばらくご一緒したが、私のペースの方がやや速いので、気を遣わせては悪いので先に行くことにした。それで、再び一人旅。晴れていれば金作谷カールとか、一杯雄大なカールを見れるし、それを楽しみにしていたのだが。。。。。 とにかく目の前の道を消化するのに精一杯で、晴れていればほんの僅かかもしれない薬師岳への山頂の道のりがどこまでも続くように思える消耗戦でした。冬山の耐風姿勢もどきをストックでも時折実施してしまった。^^;


風の向きが、右からやや左に変わったような気がした頃、ガスの中からぼーっと山頂の祠と人の気配が感じられた。やっとのことで、薬師岳山頂に到着。
心底ほっ〜〜〜とした。これで、一応多分稜線滑落の危険性は無くなったからだ。記憶の中で、薬師峠側は広い所を降りると記憶していた。風と雨でかなり寒くて、祠の影に皆が寄り添う形だ。こんなに天気が悪いのに、ピストン組みが結構いて驚く。じっくり休む気持ちにもなれず、一休みして下山。


ところが、安心な下降の道のはずが、正面から猛烈な風が吹き上げていて、下りなのに重いザックのせいもあって、どんどんは下れない (−−;)。ここまで来れば楽勝って気分だったんだけど、ちょっと参った〜〜って感じでした。ザレの大斜面なのだけど、そこを過ぎるとようやく風も大分収まってきて、ガスの中をやっと普通にややリラックスして歩ける気分になった。なにぶん大分前に歩いたきりの道なので、沢筋のような道が出てきたので、アレこんな地形だっけ?? それでも薬師平の遭難碑あたりまで下ると、懐かしいような草原の地形が出てきて、幻想的な風景に心打たれる。平和な風景を見るとどっと安堵感が漂ってきて、なんだか疲れもど〜〜っと出てきた。



テント場を通過するが、そこは夏の盛りなのにテントは僅か2張り。木道の上をゆっくりと太郎平小屋まで歩くが、草原と白い世界が広がっている風情のある景色だった。小屋にようやく到着。体を温めたくて食堂に行く。昼食しかとらないのに、乾燥室を使ってくださいと言われてとても驚く。最近の小屋は随分立派なストーブがあって、1時間ほどのうちに、雨具がすっかり乾いたには驚く。ここで食べたマーボラーメンは、冷え切った体に本当に美味しくて感激した。また、小屋の外にはバイオトイレ?の立派な木の香りが漂ってきそうなトイレがあって、これまた感激。最近の小屋は凄いなあ!。隔世の感を強くもった。


そろそろバスの時間に合わせて、下山をする頃に再び途中までご一緒のご夫妻に遭遇。梨を頂いて、とっても美味しくて感激した。ぼちぼちと小雨模様ぐらいになった中を、再び雨具を着て下山。折立の道もすごく久しぶりだったが、完璧に全部石畳のように土砂止めがされているのには驚いた。大分前からこの道は手入れはされてきてはいたけど、ここまでとは・・・・。一番最初に20年位前に来た時は、どこでも歩いて降りれたので、走らんばかりに駆け下りたような記憶があるが、今やその頃からのツケがこのような石畳になったのかと思うと、少し切ない気持ちがする。



なんだか、全然歩きが遅くなってしまって途中で休んでいると、スゴ乗越のテンバでご一緒だった青年も下山してきた。笠ヶ岳ぐらいまで縦走するつもりの10泊分位の食糧も持ってきていたようだが、既に私の入山前から雨にたたられて、ここまでも停滞していた。これ以上の回復が当分望めないということでの下山だ。ここで進むか降りるかというと、やっぱ降りるしかない天候だった。三角点近くまで降りてくると、雨が上がり気温も上がってきた。一応バスの時間も気になる。


折立に無事到着。慌しくザックの整理をしたりしてバスに乗り込む。あたりは昔と違って立派なトイレが出来ていたり、立派な駐車場が出来ていた。随分時間が経ったと感じた。さらには、富山から北越急行なるものができていて、越後湯沢まであっという間で、上越新幹線を乗り継いだら、富山駅から自宅まで3時間半弱という驚異的な時間で帰宅。大変驚きました。お財布はとっても軽くなってしまったけどね。




これから間山。この頃まではガスの下だった。 裏銀方面の山々にガスが・・・ これからお天気悪くなるモード
間山からこれから向かう稜線を見るが、雲の中に突入だ〜 雲の中はこんな感じ。最初は広い稜線だった。
途中から二重稜線の中の道を行く。お花畑で少し救われた 北薬師岳あたりからはずっとこんな稜線。幻のピークを幾つ踏んだことか
薬師岳山頂の私  薬師岳の祠 この右後ろのあたりで風を避けて少し休憩。
下山の道にはオンタデのお花が揺れていた。 薬師峠付近の高原の景色、晴れていたらなあ・・・
小屋の看板は田部重治氏(山の著作で有名)筆によるものだ(発見) 有峰湖が眼下に見えて綺麗だった。







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