焼岳&涸沢
予定では念願の西穂〜奥穂〜北穂にのぞむはずだったのですが、2度目の敗退になってしまいました。天気予報に本当に翻弄された3日間でした。


山域 / 形態  北アルプス / 小屋泊まり
メンバー  MINMIN
コースタイム
2003年8月15日(金) ムーンライト信州81号 新宿発
8月16日(土)松本〜新島々〜上高地6:20着
         上高地発7:05発          西穂高登山口7:35〜40
         西穂山荘10:25
8月17日(日)西穂山荘発5:17          焼岳小屋7:35〜45
         焼岳山頂(北峰)8:55〜9:00
         焼岳小屋9:50〜10:05     河童橋12:15〜13:05(昼食)
         徳沢14:57〜15:15(雨宿り)  横尾 16:25 
8月18日(月)横尾6:55発             本谷橋7:55〜8:05
         涸沢ヒュッテ9:55〜11:05(昼食)
         横尾13:55〜14:15        上高地17:20
         自宅23時

登山情報
●上高地、横尾、涸沢ヒュッテの公衆トイレはトイレットペーパー付きの有料トイレ(100円程度)となってます。以前を知る者からすると綺麗で感激です。
●上高地からの下山のタクシーは交渉次第で値段が決まります。今回は一人でかつ、夕方なので相乗り客はおらず4000円で松本まで1時間ちょっとで到着でした。



             【第1日目】

ここのところ山に登っていなくて、久々なので、初日はどの程度体が鈍っているか様子を見る意味もあって、楽な新穂高ロープウエイからでなく敢えて上高地からの入山とした。上高地に到着したすぐはまだガスがかかっているような曇りがちの天気だったが、しばらくすると晴れてきた。素晴らしい朝の風景が展開していて、何度も穂高を眺めたり写真を撮ったりで一向に進まない。(苦笑)いつも上高地は上流に歩いて行くことが多く、今回は下流に歩くので、新たなアングルにとても感激。明日歩くであろう奥穂までの稜線なども見えていて、眺めていて飽きない。今日は時間が余るだろうから本当にゆっくりと景色を楽しみながら朝の散歩って感じで登山口まで歩く。


上高地からの秋の雲(バックは焼岳) 定番の穂高の風景
まばゆいばかりの朝の風景


登山口は立派な門になっていて、いよいよ登り。樹林の中のよく踏まれた道を進んでいく。割と緩やかで歩きやすい。段々急になると日ごろの鍛錬のないせいかちょっと苦しい。まずは30分ぐらいで1本立てる。やっぱり夏山は暑い。近くにヘリの発着所があるせいか時折ヘリの轟音がとどろく他は静かな登山道だ。中尾根というやや見通しのあるところまで登って一安心。滴り落ちる汗をぬぐって、一休み。このあたりから旧登山道が閉鎖されてたり、ロープが張られたりというところが多い。冬山用にオレンジの目立つ標識が樹の相当高い位置に頻繁に設置されている。

たまに下山してくる家族連れ等にすれ違うが、後で小屋の前に表示があったが、「膝の悪い方はご遠慮ください。」という。下りが苦手の人には辛そうだった。道がやや平坦になってきて、高山植物が咲いている。やがて焼岳との分岐点でやや休憩。ラスト少々で西穂山荘に到着。


西 穂 高 岳 登 山 口 西 穂 山 荘 霞沢岳をバックにテント場


西穂山荘の前は、たくさんの人がゆったりと寛いでいる。山荘の受付は13時からというので、大分先である。まずはゆっくりしてから、水とお菓子などを持って少し登ってみることにする。すぐのピークが丸山だが、その3つぐらい先の景色のよいところでまったりと寛ぎ、お昼寝をする。西穂山頂までは行ったことがあり、ここから見ても独標は人が渋滞しているのが見える。混雑しているところに行くのも難なのでぼーっとして久々の夏山気分を味わう。お天気が明日は下り坂なので、1日ズレていれば・・・・と思うと、奥穂方面から何パーティーか縦走して降りてきているのを見ると羨ましい限りだ。

後で思うに、唯一今回の山行で夏山気分を満喫した時間だった。正面の笠ヶ岳が時折雲から途切れて正面にどーんとそびえていて、いいですねぇ〜。双六方面まで雲が途中で途切れ途切れにさえぎっているが、とにかく北アに来たなあって気分の景色である。明日の縦走路のジャンクションピークとか、たぶん間ノ岳付近の山々も見え隠れしている。


笠 ヶ 岳 お昼寝の丘から、西穂への縦走路をのぞむ
焼岳(まさかこの時は登るとは思ってなかった)
笠ヶ岳をバックに(唯一の夏山らしい記念写真)


13時を過ぎたので小屋の受付に行く。早速部屋に通されたが、女性だけの部屋で快適である。さっそく、夜行の疲れもあるので、再びお昼寝〜♪ 夕方になって、まだまだ時間もあるので、再び小屋の前の広場や近くを散策。小屋の玄関に置いてある気象情報専門の衛星放送の天気予報が、だんだん悪くなってきて、とうとう明日は朝から雨みたいな予報に変わってきた!! 頭の中で、計画がグルグルと廻り始めた。

夕食は交代制で5時からで、なかなか美味しいくてお代わりもしてしまった。夜になって6畳の部屋に6名の女性。一人は近ツリの添乗員さんだった。夜になると、ざーっと通り雨も降ったりしていた。やっぱり明日は駄目かなあ・・・・。




        【第2日目】

やはり朝から霧雨が降っていた。本日の天気予報は昼12時までは降水確率50%午後からはずっと70%だった。この時点で、翌日の後半ぐらいから天気回復で、休暇の最終日の19日は「晴れときどき曇り」ということだったので、それではここで停滞していても無駄なので、樹林帯を進む焼岳を登って、一旦上高地に下り、その日のうちに横尾まで行けば、翌日奥穂まで登って待機して、19日に逆に西穂に縦走できるなって思ったわけでした。一旦山を降りてから、だらだらとした横尾までの道はかったるいけど、焼岳だけで6時間半プラス平地歩きのおまけの3時間なので、なんとかなるなあ〜。一応お天気の後半回復を信じて朝の5時すぎには焼岳に向けて出発。

小屋から下りって行き、あとはとにかくずっと同じような樹林帯の道を歩いていく。焼岳に関しては10年前のエイリアマップしか資料を持っていなかったが、当時は難路というのか藪が濃い意味での破線になっていた。現在はもっと踏まれている道のようだが、それでもかつてそうだったことをうかがわせるように、木の根や笹やぶを切払った上の道が多かったり、ぬかるんだりと、全然飛ばせない縦走路だった。最初は雨具を付けていたが、暑いので小雨の中を上着は脱いで歩くことにした。なんだか同じような樹林帯の景色でかつ、時折景色がよさそうな?ところにきてもガスで何も見えない・・・・。大きなアップダウンはないが、小さいのが幾つもある。おまけに、休憩しようとしても虫が多くて、口も大きく開けられない。じっとしていると、わあ〜っと虫がよってくるのがわかる。時間の割りに、えらく疲れる感じの道だった。

やっと焼岳小屋が見えたときにはほっとした。近くを歩いていた2パーティーはいずれも山頂を目指さず下山するとのこと。私は雨はひどくはないので、荷物をデポして、水程度をもって登ることにした。

小屋からは気持ちのよい森林限界を越した緑の笹原のところに、白いガスがかかっていて、最初はるんるん気分。高山植物もぼちぼち咲いている。展望台と呼ばれるところまで上がると一旦下って、そこからが本格的な登り道だが、ガスがあるので、赤丸印がたくさんあるので道をはずす恐れはないが、結構地形は複雑のよう?晴れていればさぞや暑いだろうガレた斜面を登っていく。いささか飽きてきて、やっと硫黄の匂いがプンプンするところにたどりついて、硫黄ガスが吹き出ている脇3mぐらい下のところを越すといきなり北峰の山頂。

南峰らしきは、ガスで幻想のようにどうやらあっちの方にあるらしいということはわかったが、雨が山頂に着くと同時にに本降りになったので、中の湯から登ってきた登山者に記念撮影だけしてもらった、5分いるかどうかで下山。雨脚が強くなってきたので、ひたすら下るだけ。がんがん下りたいところだが、まだ後半の山もあるので、あまり筋肉痛にならないように丁寧に下る。(苦笑)小屋まで戻る頃には、靴の中まで染みてくるびしょ濡れ状態。おまけにスパッツのゴムがゆるくなって、5分おきにずりあげている始末。(^^;)ゴアテックスの雨具もフィルムがよれよれになっていて、防水性は?って感じ。

小屋から下の下りは、これまた樹林帯の中かと思えば、最初はずっと吹きさらしの中で、ますますびしょ濡れ。アルミの階段が2,3箇所出てきて、その後ようやく樹林帯の中に入ったものの、相変わらずあまり歩きやすくなく。早く上高地に降りたいなあって思いながら歩く。やっと林道に下りてきて、河童橋まで右岸を歩く頃には靴の中が水がぴちゃぴちゃ音もする始末で靴の中は水で一杯。観光客に混じりながらえらく綺麗なホテル?(山小屋)の立ち並ぶところを歩く。久々の上高地は、どの店も建て変わったようで、綺麗で驚く。やっと店先で、靴下を絞って何度もじゃあ〜じゃあ〜って感じで絞って靴を履きなおしてほっと一息。

昼食に食堂で暖かいとろろうどんと手作りジャンボコロッケを食べて一息ついた。後は、横尾までの11キロ3時間の道のり。一度下った足はだるくて、傘をさしての平坦な道をお散歩程度の速度で歩くが、遠い。それでも小屋泊まりの荷物が軽いのは超ラクだと痛感した。(いつもテント装備で気合を入れて歩いている時と同じ位で歩けたのでなんだか不思議な気分)

横尾山荘は立派な乾燥室があって、ジャグジー付きのお風呂もある。初めて横尾ではテント以外で泊まるが、えらく感激。のんびりお風呂に入って、夕食も満腹食べて超極楽。部屋は8人ベット小屋でこれまたお布団も立派で極楽極楽。長くテント派だった自分から見るとちょっと堕落した?とも思えなくもないが、まあ、これもまたいいもんですね(苦笑)

それにしても、横尾の衛星放送の天気予報を見ると、がーん!!! ラストの西穂へ縦走した予定日の天気も雨の可能性が極めて大! 明日も雨。せいぜい夕刻少し雨が止む程度か・・・。 完全裏切られモード。せっかく奥穂まで行って西穂へ逆縦走しようと思ったのに・・・・・・。


焼岳山頂(北峰) 硫黄ガスが吹き出ている噴火口
薄っすらと最高三角点の南峰(現在入山禁止) 焼岳の山肌は緑の笹原を無残な形でナイフでイタズラしたみたい

【第3日目】


やっぱり今日も朝から雨だった・・・・トホホ〜〜。 天気予報のチャンネルはずっと翌日までお天気が悪いと告げている。今日もせいぜい夕方に止むか止まないかぐらい。さすがにここまで歩いてきたので、そのまま上高地に下るのはあまりにシャクなので、朝食後涸沢まで上がってみることにした。万々一お天気回復の兆しが出たら、奥穂まで上がろうか、どうしようか。。。

ぐちょぐちょの登山靴もなんとか湿った程度まで乾燥室のお陰で乾いていた。結構雨の降る中、久々に横尾橋を渡って樹林の中を歩きはじめる。最初は森の中の小道って感じで好きなところだ。ところが、ものの10分歩いたかどうか?の場所で、登山道が急に沢に変身!

両脇の熊笹の脇をなんとか強引に進もうと藪こぎチックに歩いたが、それでも靴の中に水は浸入。それでも、なんとか濡れた程度ですんだが、後ろを歩いていた小学生の男の子は膝か太腿ぐらいまで浸かっていた。ずっと傘をさしてノンビリ歩いていたら本谷橋! これが驚きで、しばらく来ない間にえらく立派な橋になっていた。平成11年秋に完成したようだが、以前の流されそうな木の素朴な橋とはうって変わって、ちょっとやそっとで壊れない金属の立派な橋になっていた。

ゆっくり登って行くが、やっぱり筋肉痛だ(苦笑)。お天気の回復がお昼すぎの場合でも回復の兆しがあるかどうか見極めたいので、早過ぎず遅すぎず到着して様子をみたいというのが一番の本音だ。登山道の脇の沢がここまで大量の滝となっているのには初めて見る。よく、涸沢は見えてからが長いというが、ガスのため何も見えなかったので、気がついたらあわや行き過ぎる一歩手前のところでいきなり涸沢ヒュッテだった。(苦笑)

やっぱりガスで、時折涸沢小屋や穂高稜線の半分ぐらいの高さまでは見えることもあるが、全くガスの時もあり。ヒュッテの前で持ってきたコンロで暖かいお雑煮やら行動食などたらふく食べる。一向に天気はよくならないようなので、あっさり下山を決定。韓国からの登山グループが来ていて、上まで登っていないようなのでかわいそうに思う。韓国は登山ブームらしいので、せっかく日本まで来てくださったのに残念である。

涸沢ヒュッテの周りを軽く一周して高山植物などを撮ったりする。下りになるとますます雨脚が強くなって、これは下山正解。雨で濡れた水滴のついたお花はなかなかこれで味わいがある。何m置きに撮影して、なーんてゆっくり撮影モードで歩いていたらえらく時間が経っちゃった。でも、これはこれでなかなか楽しいかった。さすがに、横尾に近づき、往きに増水していた個所が、完全な「登山道沢」に変身。本流からの沢水が蛇行して登山道に一部合流しているのだった。一番ひどいところは30mぐらいだろうか・・・・・ これまでに既に靴の中は水がちゃぷちゃぷしている状態なので、もうめんどくさいので、大分ジャバジャバ歩いてしまった。水流は登山靴の高さよりもあって、こりゃあ駄目だわあ・・・・・。



涸沢小屋  がらーんとしたテント場 ザイテングラード方面
ヨツバシオガマ ヨツバシオガマ
ナナカマド ナナカマド
アオノツガザクラ チングルマ

雨で煙る本谷橋 増水した沢 ツリガネニンジン
ヨツバヒヨドリ ヤマホタルブクロ キオン?
ヤマアジサイ カワラノギク
横尾で再び靴下を絞って、歩き始めるが雨モードがさらに強くなって、飽き飽きしている。めったに歌を歌うことはしないが、ハモったりして気を紛らわす。また、普段気にとめていなかった野の花をできるだけデジカメで一杯撮ってみた。我ながらお花の名前がよくわからないので、後で調べようっと!

さすがに明神までくるとぐったり・・・・。強烈な雨脚。撮るお花も尽きてしまい、メロディーも浮かばない。空は完全に暗黒の空で6時前とも思えない暗さだ。やっと上高地に到着。タクシーで値切り交渉をして、ノンストップで松本へ。タクシーの運転手さん曰く、この前の台風の時よりもひどい雨だよ!って。トホホ・・・・・。全身ずぶ濡れなので、タクシーのシートにタオルをひいてもらった。

一番したかった「乾いた靴を買うこと」を真っ先にしたら、時間がなくて、最終のあずさに夕食を持って飛び乗りました。
                               ★お花の名前が間違っていたら、メールか掲示板で教えてください。








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