【4月30日(土)】

山小屋では、双六小屋まで登る人は朝食を5:30、周囲のトレッキングの人は7時と2回に分けて朝食を出してくれるようで何かと気配りもしてくれていてありがたい。ガイド登山パーティーの人達は随分前から声高に早朝からはしゃいでいて、これだから「おばさん達は・・・」と言われてしまうので困ったもんだ。朝食を済ませてこの団体さんの後から行く作戦とした。


わさび平の小屋の人に見送られて、団体さんの10分ぐらい後から出発。朝から今日は快晴で気分がよい。ぶな林の中をシールを付けて登るのがとっても楽しい。あっという間に団体さんが前にいるのが見えたので、ゆっくりと進む。やがてデブリが早くも現れてきて、無理したらスキーでも行けなくないが、昨日の反省でつぼ足の方が確実と思いスキーを外して担ぐようにした。先行したガイドパーティーが橋のたもとでちょうど休憩しているのが見下ろせた。ここからはこれから登る弓折岳方面や雪渓が遥かに高く見える。橋の所まで慎重に下って、そこで1本立てる。絶好のロケーションで大型カメラを構えている人もいる。

さて、これから先は大斜面に行くにはまずはデブリの山を幾つか乗り越なければならない。今までデブリを見たことはもちろんあったが、その中を登って行くのは気持ちがいいものではない。滑りならば比較的短い時間だが、登りとなると結構な時間滞在するので困ったものだ。



ここから見ると山スキーの人達が数名先行しているのが見えた。再びスキーを履いて出発。すぐにデブリの中に入って行くが、概ねガイドパーティー15人が登っていくつぼ足ルートを利用して進むことが多い。しかし微妙にスキーとつぼ足とはルート取りが違うので知らない間に自分の方が上に来たりもした。デブリの中は無風状態で暑いのなんの・・・・。1時間以上登ってデブリからようやく開放された所でガイドパーティーも休憩しているので、自分もやや下で休憩。通過してきたデブリが既に大分下に見えているが、それでもまだ先は長い・・・・


しばらく行くと鏡平小屋方面との分岐地点に到着。稜線に出るのには弓折岳経由で登る方法と大ノマ乗越に直接詰めていく方法の2つがあるのが、双六小屋では前者を推奨。これだと最初は夏道に近いイメージで、後半のルートが夏とは違う右の写真のような登路となる。後者だと大ノマ乗越に雪庇が出ていると厄介だが、山スキーではこちらがメインのようだ?一旦登った後で双六谷に滑走して標高差300m位をまた登り返すことになる。山スキーの先行者は1名だけが大ノマに向かっており、3人位は弓折経由の道を選択している。自分は展望のよさそうな弓折岳経由の方が人も多く行っているので選択する。
 

熊の踊り場と呼ばれるところまでは結構な急斜面。シールで登れるか心配だったが、ジグザグに登り切ってほっとした。例のガイドパーティーは遥かに先に行ってしまい、穏やかな白い広原に自分一人となった。テントがひとつぽつんとあったあたりで休憩。それにしても暑い!


再び白いまったりとしたなだらかな斜面を行く。稜線までは幾つかの手前の尾根からでも登れそうな気もしたが、ここは確実に先行のシールとガイドパーティーの跡を追ってしばらくトラバースで鏡平方面に進む。帰宅後GPSの軌跡からするとほとんど鏡平小屋の直前まで行ってしまっており、かなり遠回りをしたような感じだ。(上の地図で鏡平から伸びるラインのない白い尾根筋を登ったことになる) しかし、何よりも初めての雪のルートなので先行者がいることの方が安心感があってよい。


随分先に行ってしまったガイドパーティーがちょうど鏡平付近の眺めのよいあたりで休憩を終えたあたりに自分が到着。再び彼らが先行の形で、自分はジグザグに切る形でシールを効かせて急登を登ることになる。いよいよ尾根筋になってきて気分は上々♪ 途中で一段上がった所が素敵な展望台みたいで、軽く食事などしながら休憩。上からつぼ足で降りて来る人達が恐々として降りてくるのが見える。あとちょっとで山頂だ。尾根筋で所々にハイマツが出ている。ガイドパーティーのガイドさんがやや急峻な所でピッケルで止める模範演技をしているのが見える。(こんな所でしなくてもよさそうなもんだが)結構な高度感が出てきた。アイゼンを着けている人が多い。


雪は十分に腐っているので(苦笑)アイゼンは不要と見たが、シールで直登は無理そうなので、ザックからスキーを直接カラビナを使ってぶら下げる形の引きずり方式を採用。(去シーズンはスキーを完全に滑らせる形→名づけてワンちゃん方式を採用していた) これがなかなか快適で、担ぐよりも相当に楽勝であった!! 上からはいかにも滑り屋さんの3人組が何故か兼用ブーツに12本アイゼンを履いてスキーを持たずに猛烈なへっぴり腰で降りてきたので思わずアドバイスしてしまいました。やはり山スキーは滑り技術だけではなく、雪山経験も必要だと思った次第です。

左の斜面を滑ったら超美味しそうな斜面だなあ・・・などと思いながら、ゆっくり登り切ると弓折岳(2592M)山頂に到着です\(^〇^)/  ちょうど、これまた例のガイドパーティーが出発するところだったので、静かな山頂となってほっとしました。



終始先行した西鎌尾根を目指すガイドパティー 早くもデブリの中の道となる
初めて目指す山々が見えてきた。一旦下って小池新道の入り口へ 左の方を見上げると山々が美しい
デブリを超えてやっと一息。さらに前方にデブリがまたまたあるのが見える 正面が熊の踊り場への道
超えてきたデブリを振り返って。中に2名の人あり。わかるかな? 熊の踊り場への道。樹林の感じがよいムード
大ノマ乗越への直登ルート。1名が点のように写っている。 弓折岳への最後の急登。
弓折岳山頂にて。後方がこれから辿る稜線。中央V字の下あたりが双六小屋



弓折岳からは、素晴らしい展望。まさに槍ヶ岳を裏から望む景色は素晴らしい。北鎌尾根、西鎌尾根、穂高連峰等々・・・ なんだかとってもこういう空間にいるだけで幸せな気分♪ 遠くには鷲羽岳が見えていて、いよいよ北アの中心部の山々が見えてくるようで嬉しい。笠ヶ岳へ向かう抜戸岳方面の雪庇がとても美しく絵のような景色だ。山頂で大型カメラで写真を撮っていた方にスナップをお願いした。その方は明日からは天気が下り坂なので今日のうちに降りてしまうのだという。また昨日はガスの中で稜線は道がわかりにくくシビアな状況だったという話も伺った。


いよいよ小屋まであと少し?比較的余裕をもっていたので最初は稜線散歩という感じでスキーを穏やかな稜線にクロカンチックに滑らせるのが楽しい。地図で見ると6個ぐらい小さなアップダウンがあるようだが、このうち前半は結構楽勝で楽しかった。後半は稜線通しでは行けずに少し回り込んだり、ハイマツの空間にスキーを取られて今回初めての転倒をしたり、やっと小屋が見えたと思って喜んでいたら雪がなくなってきてスキーを外したりと
やれやれ。やっと最後の小屋前の穏やかな景色の中に到着した時にはさすがにほっとした。


スキーを外して小屋の前に回りこむと、まだ早いのでスキーを立てかけている人もほとんどおらず静かな山小屋だった。さっそく手続きをしたが、今日は予定通りだと相当な人数が入るかもというので、部屋の入り口の所が私の寝場所となった。さすがに、部屋の入口で早い時間から布団を敷いてまったりするのもどうかと思ったけど、またまた得意の昼寝となった(苦笑)


少しうとうとしたあとで、昨日から家に電話ができていないので携帯の届く所まで登って軽いひと滑りをしようと完全に地面の露出した道を樅沢岳方面にスキーを担いで登る。2名が大分先に登って行ったのを見ていたので、どこから滑るのかなあと思いながらも登っていく。16時を過ぎたがまだまだ明るくて十分余裕だが、あまり無茶をするのもどうかと思って標高で約100mぐらい上がった所山頂までの中間地点位で右のハイマツの所からドロップすることにした。携帯の電波は途切れ途切れにかかった。天気予報では明日は昼からは既に雨が降るようなことを言っているぞと心配した親から言われた。


スキーを装着していると、ちょうどテレマーカーの二人組が樅沢岳の山頂から綺麗なシュプールを二つ並べて降りてきた。やっぱり上まで行けばよかったかなあ・・・。つぼ足だと急に見えた斜面も、スキーを履いたとたんに何故か穏やかな斜面に変身♪ 夕刻の光の中を4、5ターンもするとめちゃ緩い斜面に出てしまった。まるで緩斜面のスキー場のような景色で、風もなく穏やかな陽だまりの中でまったりするのに最高!あとは緩い斜面を双六小屋の近くまでのんびりと滑って休憩。しばらく満足な気分でまったりしてから小屋に戻った。


小屋に戻ると10人部屋なのだけど、2名組の男性パーティー×2、単独の男性2名と私を入れて7名となっており、今日の成果を話したり、明日のルートを伺ったり、2度目、3度目の方もいたので有効な情報交換をして楽しかった。小屋の食事は今日もまたてんぷらだが、昨日よりも暖かくて美味しかった。ざっと50名位の泊り客のようで、明日後半からの悪天予想で少し予想よりも少ないようだった。

わさび平小屋6:22発   小池新道入口付近の橋7:00〜05   熊の踊り場の上9:50〜10:10   
弓折岳12:25〜45    双六小屋 14:25着    樅沢岳方面お散歩 15:45〜16:30頃 


   抜戸岳方面(笠ヶ岳はここからは見えない)        弓折岳からダイレクトに滑る沢の斜面がよさそう〜
     弓折岳から双六岳を望む。中央のカールも滑ってみたい。       双六小屋までの稜線は最初はこんなにのどかな感じ
   双六小屋に到着 \(^〇^)/         樅沢岳の途中から滑走。奥に笠ヶ岳が見える
      樅沢岳山頂からの斜面。のどかな斜面でまったり♪          双六小屋と谷の向こうの鷲羽岳がいい感じ

3日目






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