上越・白毛門(松ノ木沢の頭まで)



友人のMさんは、去年11月に山で骨折してレスキューヘリで救出されて、いまだ足首にボルトが何本も入っている方だが、是非GW前には雪山に復帰したいとのこと。彼女のリハビリ山行?を兼ねた雪山登山を考えていた。雪が多くて、足のクッションに雪がなるであろう?白毛門に決めた。



山行地域/形態  上越 / 雪山
メンバー  Mさん、 MINMIN
コースタイム


2001年3月24日(土)
8:20登山口発  8:40〜45脱ぎたて        
9:10〜20たて880付近 
10:18〜30たて1170付近10:58〜11:10たて 1275m付近   
11:50〜12:50松ノ木沢の頭 1465m付近 昼食

13:30〜40たて 1170m付近   14:40駐車場 
15:30頃土合駅発

画像


3月23日(金)

仕事が終わって、やっとのことで9時半の彼女の迎えの車に乗って、その日のうちに土合の駅にむかう。以前に谷川岳に山スキーに25歳ぐらいの時に来た以来の土合駅に到着。新幹線が出来てから、夜行がなくなり、車を持たない私はすっかり上越の山にはご無沙汰になってしまったものです。早速車外にでるが、空気はそんなに寒くない。ほどほどに空気がしまって気持ちのよいぐらい。まだ酒盛りをしているパーティーが多い。改札を出た少し離れた場所にテントを張る。1時就寝。


3月24日(土)

7時少し前に目が自然に覚めた。朝7時というのに空は快晴で早くも春霞のような感じ。うっすら空がもやっている感じがする。他のパーティーもそろそろ起きているようで、もしかしたら同じ山に行くのかな?(結局この時駅にいたかなりのメンバーが白毛門に向かったようだ。)

ガイドブックでは、登山口の近くに駐車スペースがあるというので車で行ってみる。土合橋の渡ってすぐ右にちょうど3台止まっていて、出発の支度をしているカップルがいた。でもそこはそれ以上は止められないので、手前の工事現場の広いスペースに邪魔にならないように置く。

8時20分出発。正面の奥の方に上越らしい、真っ直ぐの平たいなだらかな白い稜線が見えている。写真を撮ったりしていると、車道を駅から歩いてきた2名の男性とさっきのカップルとが同じ白毛門に先行して、ニンマリ。一応輪かんをみんな持って来ているようだ。しかし、トレースはありそうだ。歩きだしは平らな道で、すぐに暑くなる。踏み抜きに注意という感じ。ほどなく沢の所にくるが、そこまでストックできたが、急な下りでいきなりシビアな感じ。川にどぼんは嫌だし。やっと立派な橋のところにくると今度は渡り終わったら急登。一気に汗が噴出す。春の日差しは強烈に暑い。


尾根筋に上りきったところで脱ぎタテをとる。まだ20分しか歩いていないがすごくしんどかった。早速着ていたフリースを脱いで、半袖Tシャツと長袖シャツになる。5分程度にして鞭打って歩きだす。気持ちが悪くなる手前ぐらいの感じで昨夜からの仕事の疲れも相まって足取りが重たい。のども渇くし。急登につぐ急登で彼女の足のアキレス腱が伸びきってしまわないか、怪我の個所が支障がないかも心配する。それに風がまったく無風というのは辛い。日差しは3月というより5月ぐらいの感じだし。結構トレースは踏み抜きも多い。右手は狭いし、雪庇が出ているし、道は思ったよりもぎりぎりのところがトレースだ。そうこうしているところで、いきなり、木の根に近いところに足を置いたとたん、踏みあとが崩れてズボー!!と背中から落ち込んでしまった。怪我はしなかったものの体勢の建て直しが大変。単独でなく、人がもう一人いるだけで随分気分的に楽だったが、一人だったら大変だったと思う。やっとなんとか起き上がって1mぐらいの穴から抜けあがった。

その少し上の標高880mぐらいのところで1本立てる。お茶をごくごく飲む。本当に水分が欲しい。このころから次第に雪崩れの音がするのが目立つように。もっと休みたい誘惑はあるが10分ほどで出発。とにかく暑い中をひたすら歩く。さっきよりもペースがつかめてきたようだ。黙々と高度を稼ぐような登りが続く。体の重さも最初よりはマシ。稜線の一角が見える右手が展望の晴れているところに出た。その少し上のところで休む。人が何人も頂上に向かっているのが見える。松ノ木沢の頭あたりにも人が進んでいる。緩やかなようだが結構時間かかりそうだ。右に雪庇が発達しているのがきれいに見える。


でも日陰で休んでいたらあっという間に体が冷えてきた。ここからは、10時を過ぎているので、左の谷川方面からひっきりなしの雪崩れの爆音が響く。すごい感じで何度も雪崩れが落ちていくのが見える。谷川岳もかなり木の間越しに見えている。たまに自分の白毛門の方の右手の沢の方でも雪崩れれているので耳をよく澄ませておくようにしていた。でも尾根筋がいくら安全といっても、雪崩れて黒い表土を見せているところもあるからすごい感じだ。雪崩れ100連発!!って感じ。

再び歩きだしたが、松ノ木沢頭までは思うほどには近くならない。今回の場合は彼女も頂上はよっぽど条件が揃わないと行かないという感じだったし、自分もこの雪崩れの音や暑さ加減を考えると松ノ木沢の頭で十二分と思うようになっていた。装備はもっと軽くしてくるべきだったと二人して後悔。最後の樹林がなくなったあとの登りは少し風が出てきて、爽快感もあるが、それでもそんなにピッチがあがらず。まだかまだかと思いつつようやく両面に頂上がドーンと見える松ノ木沢の頭(約1480m)に到着。

振り返ると、谷川岳〜一の倉岳〜武能岳、蓬峠付近、それから大源太方面それからずっと右に緩やかな麗しき山容が続いていてうっとり!! うーん、しばらく目にしていなかった上越の山々が学生時代に戻ったように懐かしい感じで目に広がる。


さっそく、昼食を摂るが、少しシャリバテ傾向になきにしもあらずだったので、彼女から頂いたグレープフルーツがおいしい。体に一通り食糧が入って一段落すると、それから地図をひろげて楽しむ。谷川の尾根や岩などはよくわからないから、彼女と地図を眺めて色々に推測する。反対方向では、どうやらうっすら右手に見えるのが上州武尊岳だ。なかなか立派だ。そのさらに奥が日光の山々か。

ここから山頂に向かうパーティーを眺めていると、点となって動いていて、左の壁に隠れてしまう。それにしても、そうこう見ている間に、トレースの右のあたりから、どーんと雪崩れが発生。その雪崩れとトレースは遠目にはほとんどくっついている。強いていうなら3mか2mぐらいの位置である。よく、皆そんなところを歩いて行くななああ・・・・。気温が大体14、5度くらい。山頂は完全にのっぺりとした白い1枚べろんとした雪の壁の上あたり。雪崩れないのかなあ・・・。右の斜面はすごく落ちた跡があるし。

この日のように、体調を考えて、山頂にこだわらない山というのもいいものだ。何よりも天気のよい、春山気分を味わえたのが嬉しいものだ。こんなに谷川岳や白い峰峰を眺められるだけでも、幸せ〜〜〜な気分。小1時間ほど休んでいると、駅でそばにいたパーティーが幾つも登っていった。

春の霞んだ谷川岳の景色を十分堪能してから、ゆっくり降り始めた。下りは彼女の足を気遣ってくれぐれも飛ばさずゆっくり目で降りる。右足の足首が曲がらないようなので、左足をでメインにして降りているようだ。彼女はアイゼンを用心のために履いている。完全に足元の雪はずぶずぶでとても3月の雪とは言えず。5月GWあたりの北アスプスの山という感じ。下りになって大分リラックスして会話も弾みながら下る。最後の急下降では、尻セードになってしまってお尻が冷たい。でも楽しい春の日差しで日差しが暖かな少し夕方に近くなっている色になってきており、こころ和む。最後の来る時難儀した橋を無事に渡り小川のせせらぎを聞きながら駐車場に向かった。

帰りもまったく渋滞はなく、途中1回サービスエリアで休憩。完全に半袖が似合う春の陽気だった。車が苦手の私だが、今回は全く車に酔うこともなく快適なドライブだった。こんなによければもう少し行きたいなあって思う。



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