【第2日目  9月9日(土)】

 朝は4時出を目標にして、各自の準備時間に合わせて起きることにした。TAKUさんは朝からしっかり食べるので3時には起きて準備。自分は朝は軽目なのでお気楽さんと同様に3:20分ごろ起床。山ではいつも眠れない方だが、何故か全然眠れなくて参った〜〜。昨日の運動が軽すぎ?
(←そんなことはないと思う) うーん、念願の幌尻岳に登れるんで興奮して眠れない?(←そこまで興奮もしていないんだけど) いびきがうるさい人がいた?(←そんなにはいなかったような?)まあ自分はほとんど眠れなくても過去に大きな山も登っているので気にしないをモットーにして行動開始。


 朝はお気に入りの餅入りスープとお茶を飲んで出発準備。朝一番に行動を始めた私達だが、ぼちぼち他の人達も行動開始だ。デポする荷物をスタッフバックに入れて外のテントに入れた。お気楽さんとTAKUさんはお二人ともすごく軽量のサブザックで出陣。自分はそういうのを持っていないので、40Lザックでザックの重みだけでも自分の方が重いわぁ(雨具、食糧、水、防寒具、ツエルトなどの最小限に絞ったけど、それでも自分の方が彼らより2キロぐらいは確実に重そう。
(←1番女性でか弱いそうな自分?が一番重たそうじゃないトホホ・・・) 


 4:20出発。なんとなく自分が彼らに遅れまいとするためにお二人より先に歩き出した。自分も鈴をつけたが、お気楽さんの熊よけ鈴はなかなか大音量でよい。荷物が前日と比べると軽いせいもあって、どんどん面白いように高度が上がる。自分のペースで登ったのである意味楽だった。今日は満月なのか?月がとても綺麗に出ていて明るい夜だった。今日も朝というのにかなり暑い。やはり湿った空気が感じられる。歩いているうちにヘッデンがいらない明るさになり、ライトをしまうこともあって1本立てる。お二人は水を歩きながらも飲んでいたようだが、自分はザックにしまってあるのでゴクゴク飲んでほっとする。


 ちょっとペースが速かった?かもしれないので少し落とし気味にするが、朝の風景になって今日は天気が良いことがわかって嬉しい。早く目安となる命の泉に着かないかなあ?と頑張っていると命の泉に到着。ここまで標高で約500m登ったことになる。でも、まだあと600m位登る必要があるがまずは一息。お気楽さんは水分を大分消費したので水を汲みに行こうか悩んでいたが、必要ならば下りの時にということにする。


 ここから上は尾根になってきて、風も時折吹きぬけるようになる。正面に見えているピークまで登ると何が見えるのかなあと思ってガンガン登って行くと、次から次へとピークがあって、道はハイマツを縫う感じの道となった。先頭を歩いていたので露払い状態で、ズボンは水浸し状態
(昨日の渡渉では膝下しか濡れなかったのに、今日は太腿までびしょびしょだぁ〜)お二人のズボンは防水加工がしてあるのでそんなには濡れていない。気温が高いのですぐに乾くと思うのであまり気にしない。段々と視界が広がってきて、右手には既に紅葉のような雰囲気の植生が見えてきたし、左に広がる戸蔦別岳方面へは雄大なカール、あれ、あの正面のが目指す幌尻岳かなあ?


 右に回りこむように尾根を歩くというイメージはあったけど、雄大で北カールを抱いた幌尻岳から戸蔦別岳の姿はカメラに収まらないほどに雄大だった。ハイマツが背丈近くまであってやや歩きにくい部分を越すと、一気に快適モードで、やや早いながらも草紅葉のような稜線歩きとなった。あまりにも気持ちの良いところにて1本立てる。今日はやっぱり自分らが一番先頭を歩いているようだ。幌尻岳までの道筋が綺麗に見えて心躍る。北カールには水流が流れていて、テントでも張ったら快適そうな所だと思う。


 本当に最後は快適な尾根歩きをして、出発から3時間ちょっとで幌尻岳山頂に到着。
     \(^〇^)/ \(^〇^)/ \(^〇^)/
我々3名だけの貸切だぁ〜〜!!山頂に着くことにはガスが上がってきて、途中まで見えていた戸蔦別岳方面も隣の肩のピークくらいは見えるものの、全て他は雲海の下。やっぱり、この山は日高山脈で一番高い頂上なんだあ〜と実感。本当は日高山脈の雄大な山並みを望んでみたい気持ちは強かったものの、この日の見事な雲海もまた素晴らしかった。遥かに右方面に上だけ見えていたのが、通称カムエクかなあ? (カムイエクウチカウシ山1979m いつか登ってみたい候補の山の一つ) しばしうっとり〜〜。本当は七つ沼カールが天国のような素敵な場所だというので以前から行きたい候補だったが、今年はネットの情報で既に沼の水は干上がっていて、素敵に見えなかったので、今回は未練なく戸蔦別岳経由の縦走はカット。(なんせ、移動後のことも考えるとそんなに時間に余裕はない)

 
 我々3名だけだと記念写真を撮るのがちょっとネック。三脚ないので私のザックを利用してセルフタイマーでなんとか撮影。私達だけでしばらく寛いでいると、ぼちぼち登って来る人達が見えている。食事などしてまったりしているとようやく後続のご夫妻が登場。団体さんが登って来るのが見えるので、名残惜しくも山頂を辞することにする。


 下りはのんびり何度も幌尻岳を振り返りながら降りるが、本当に立派な山でカールのスケールなどが本州にはなかなか無い魅力的な山だと思う。人がどんどん登ってくる、登ってくる。我々は静かな山頂で本当に良かったなあ。そうこうしていると、リスが登場♪ わ〜い、尻尾が縞々だぁ〜! すばしっこくて写真に写せず残念。しばらく稜線漫歩でカールの縁を歩くような感じだ。次第にガスが出てきた。所々に始まっている紅葉が目に嬉しい。再びハイマツ帯に戻ったが、結構ハイマツが下降を邪魔して、こんなに急だっけ?と思いながらも下る。時折リスが道を横断するのが面白い。やっとハイマツ帯が終って普通の道に戻った頃から、あ〜ノドが乾いたなあと思いつつつ、、水分を結構飲んでいるのでトイレ行きたいモードが始まった(苦笑)


 それに何よりも暑くて参った。樹林帯に入って適当な場所で休もうと思うものの、全く風が抜けない。どんどん急下降になってきて、自分は膝は今まで快調なので、早くトイレに行きたいのでさっさと降りるが、お気楽さんは膝が辛くなっているようだ。1本途中で立てた後は、ひたすらトイレモードで山荘めがけてスタスタ・・・・。下りでは随分と今朝ゲートを出発してきた人達に出会う。この暑い中を登るのは大変だろうなあ。


 山荘に無事戻って、山荘のブルーシートの上でまったりとザックの整理をして、昼食をとってくつろぐ。11時頃だったので早朝に山荘を発った個人客は比較的さっさと登れた人達は我々が休んでいる間に随分降りてきていた。そんな中で、本日下から登ってきた中高年登山者(女性含む数名)がこれから山頂を目指したいがどうだろうか?と周りにいた人達に山頂までの所要時間を聞いていた。大体人のコースタイムを聞いても参考なんかなる訳ない。コースタイム通りに歩いても日没と同時の18時にしかならないので、管理人さんもよく時間を確認するようにと彼らに忠告していた。どう見てもさほど健脚そうには見えず、ここまでの所要時間もそれなりにかかっているようだし、これから暑い中を登るとなると時間はさらにかかるだろうから自分達の実力をよく考えて余裕の登山を・・・と老婆心ながら思ってしまう。


 さて、渓流シューズに履き替えて下山開始。下りは昨日よりもさらに水量が減ったような感じで、渡渉の要領を掴んだのでかなり楽勝に感じた。あとはバランスを崩してのドボンさえ気をつければよいというので、ダブルストックをしっかり突いて歩くことに徹する。暑い尾根を下ってきたので水の心地よい涼しさは気分良い。今日は土曜日なので、登ってくる人達も多いか?と思っていたが、翌日以降の天気が良くないこともあって、すれ違ったパーティーは僅かだった。


 往きには気が付かなかった滝などを愛でながら、あっというまに渡渉終了点。ここで自分は登山靴に履き替え。お気楽さんはジョギングシューズでそのまま歩くという。しばらくしたら昨日の核心のへつりが再登場。今度は岩が乾いていたせいもあって、ずっと楽に感じた。ほどなく取水ダムに到着してあとは長い林道歩き。林道は黙って歩いているのも疲れるので、ほどほど?のおしゃべりを楽しみながら歩いていると結構消化できる。林道歩きが始まった頃にはさほど気にはならなかったが、本ゲートまで来た時についに左膝に痛みが出現!それまでかなりの絶好調だったのに〜〜〜! 今にして思うと、ヤレヤレと本ゲートを振り返り見た時に微妙に左膝を捻った
(←というよりも、ほんの僅かな引き金になった)ような感じがする。痛みが出ると、早くは歩けなくなり、うーん、前回の北アでのびっこ縦走ほどではないものの、林道は微妙な下りなので、突然まるで車のギアをローギアに入れたように進まない。みるみるお二人からは引き離されてしまう。


 でも、駐車場まではあとせいぜい30分。あと2.5キロぐらいなのでよたよたと歩いて行く。時折待っていてくれるので、なんとか見える範囲ぐらいで追従する。ダブルストックがこういう時には有効だった。やっぱり膝は治っていなかったのだと思うとがっくりだけど、今回の山では95%位は調子よかったので許容範囲でしょう。膝のサポーターも持ってきていたが、あと僅かなので出すことなく左足だけヨレヨレ状態で無事に駐車場に帰還\(^〇^)/


 さて、次の山を目指してとりあえず駐車場を後にする。まずは天気が気になるので天気予報がわかる場所に移動。車で走行していて携帯のつながるエリアに到着すると、さっそく山岳気象や天気予報をチェック。羊蹄山は朝から雨みたい。降水確率もかなり高い・・・・・・。私が目指す八甲田方面は、それよりは幾分条件がよくて、午前中は曇りぐらいで、昼から雨の予報。青森に到着するのが朝6時頃で、バスは7:30発で、バスで1時間位。歩き始めは早くて9時。マイカーの人なら7時ぐらいから登り出せば2時間程度で登れるので雨の降り出す昼前には下山できるだろうけど、自分の計画では無理そう。


 そもそも八甲田は雪の季節にパウダーを滑りたくて行ったので、まるで山の姿をみることなく山頂にも行っていないので是非八甲田連山の素晴らしい景色を堪能したくて行こうと思っていたので、悪天候では行っても目的を達せられないので断念。TAKUさんが見つけてきていた支笏湖のライダーハウスはチェックインが8時なので、ぐずぐずしていると泊まれない。スカイマークをネットで見ると本日の最終便が空いているので、自分はこのまま東京へ。お二人はチェックインを9時に延長してもらって・・・となった。


 千歳市内で食事をして(空港内のPは有料なので)、空港で降ろしてもらってお二人と別れる。北海道の夜風は既に半袖では寒いぐらいの涼しい気候だった。今回は酸ヶ湯温泉に入る予定や水没時に備えての余分な着替えなどが多く、車にデポしていた荷物を加えると結構な荷物だ。結局風呂に入る時間はなかったが、これはやむなし。スカイマークのカウンターに行き、その場で予約できて19,000円也。(JALの当日便はなんと29,800円ぐらいすることを考えると格安だ) そそくさと会社へのお土産などを買っていたら、最終便21:10発にはあっという間だった。


 飛行機では昨夜ほとんど眠れなかったこともあってか、気が付くと羽田にあと少しで着陸だった。飛行機を出たとたんにむっとするような熱気が感じられて、やっぱり東京はまだ夏の気温。余計暑く感じられて大汗状態。モノレールとJRを乗り継いで家に戻る途中、これまた途中で列車が事情により30分近く止まってしまって、やれやれ・・・・。その日のうちに帰宅するつもりが、深夜1時過ぎの帰還となりました。


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 長年行きたいと思っていた山に行った感想は、やっぱりアプローチが核心でした! それでも日高山脈の山としてはもっともメジャーな山なので、どこも北海道の山に入るのは難しいなあと思った次第です。今回は本当にお気楽さん&TAKUさんにはお世話になり、ありがとうございました。


 いずれ、機会があったら北海道らしい山にまたどっか登りに行きたいものです。クワンナイ沢とか五色が原経由のトムラウシ再訪、カムエク、ニペソツ、利尻岳スキー滑走、羊蹄山スキー滑走などなど。。。。。熊が恐いけど北海道の山はいいなあ〜〜! 


★後日談なお、残念ながら登れなかった八甲田山は、翌日のネットで検索していると朝からロープウエイは強風で運行中止。濃霧で視界が僅かということで、とても楽しく登れる状態ではないことが判明し、早々に帰京したことを内心喜んだ。

幌尻山荘 4:20発 休憩 4:50〜10分程度 命の泉 5:38〜50
休憩 6:38〜50 幌尻岳山頂 7:27〜8:12 休憩 9:48〜10分程度
幌尻山荘 10:37〜11:22 渡渉終了 12:46〜13:06 休憩 14:10〜10分程度
本ゲート 14:50 駐車場 15:25〜15:48



真っ暗な中を歩き出したが、満月に見守られて・・・ やれやれ到着 命の泉(photo by お気楽)
戸蔦別岳方面 ハイマツが両脇にびっちり
やっと見えた幌尻岳山頂。、 左の写真に続く。右の稜線歩きをしながら左に回りこむように歩く。
下に見えている北カールをぐるりと回る感じ。
幌尻岳の山頂はぽちりとしている。 快適な稜線漫歩 (photo by TAKU)
幌尻岳山頂 2052.4m とっても満足な自分


雲海の波
草紅葉が始まりだした稜線
山頂での見渡す限りの雲海
振り返って幌尻岳
水流が流れている北カール。とっても癒し系の風景



北東方面の肩と呼ばれる所だと思う。
あそこまで行ったら七つ沼が見えそうだ。
左写真から右の東方面を見てもずっと雲海。
少し前までカムエクらしきが少しだけ右に見えていたような?
山頂から東カール方面を見下ろして ひとあし早い秋の訪れ
木々に紅葉がちらほら 幌尻山荘の前のブルーシートでまったり♪
右端に写っているブルーの囲いが青空トイレ (photo by TAKU)
見事な滝が右岸にあり 今日もじゃぶじゃぶ快適な渡渉♪(photo by TAKU)
やっ〜〜と駐車場到着 (photo by お気楽)
  
               






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