妙高前山・滝沢尾根 〜GPSデビュー戦〜 



この週は年に1度取れる会社の長期休暇でお休み。予定では、休暇の二日目に三田原山の方に登る予定だったが、あいにく天気予報は翌日からは雪が続く荒れた天気。休暇初日のうちに春のような陽気の晴れたチャンスを逃さずに、第二候補だった前山の方に登ることにした。妙高エリアはぶな林の中を滑走するので、視界がきかないので、事前にGPSを購入して、あらかじめ街などでも少し練習の上、山でのデビューとした。



 山 域 / 形 態  頸城山域 / 山スキー 
 メ ン バー  MINMIN
 コ ース タ イ ム  
 2004年 2月14日(土)
 自宅〜(長野新幹線)〜長野〜妙高高原駅〜赤倉スキー場9時20分頃到着
 前山第三リフト降り場ゲレンデトップ登り出し 10:20  
 標高1700m付近 11:00 
 前山山頂(1932m)11:45〜12:15 
 滝沢通過後のコル 13:35〜40
 前山第一高速リフト下部 13:50
 

 登 山 情 報
●妙高高原駅〜赤倉スキー場バスターミナルはタクシーで1980円でした。(15分位 ) バスはあまり本数ないので、タクシー相乗りできれば早い。
●日帰りのための更衣室、ロッカー、無料休憩所はバスターミナルのところにあり。規模はそんなに大きくないが、一応設備としては整っている。
●一般的には、新赤倉スキー場からの方が、ゴンドラを使えて、リフトの接続がわかりやすい。(宿泊の関係で、今回自分は赤倉ゲレンデからのアプローチにしました。以前赤倉はゲレンデスキーでよく行っていたので、リフト接続で迷うことはなかったですが。全くの初めての方だと、リフト接続が若干わかりにくいかもしれません。)

    装    備
山スキー一式、スコップ、ツエルト、GPS(eTrex Venture 英語版)

資    料  
リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド(白山書房)



今まで自分が行ってきた山スキーは、いずれも比較的視界が利くルートだった。今回はぶなの原生林の中を滑走するので、視界も悪そうだし、ルート取りを間違えないかが、とっても心配だった。事前にGPSで綿密にウエイポイントをインプットしておき、地図こそ表示されないものの(25000の地図を搭載しているほど高級な機種ではないので)、かなり概略図をイメージできるものをデータインプットして山行に臨んだ。そうは言っても、機械はいつ壊れるかわからないので、よくよく読図した上で出かけた。GPSのデビュー戦なんで、わくわく、ドキドキ〜♪♪


2月だというのに、暑いぐらいの天気で青空がまぶしい。東京から新幹線で駆けつけて、バスを待つ時間がもったいないので、相乗りのお客さんを見つけてタクシーで赤倉スキー場に到着。リフトを3本乗り継いで、シールをつけて出発したのが10時20分。すでにリフトで登っている時から、遠目にも最低でも2パーティーが先行しているのが見えて、ラッセル不要なんで安心。登り出しても、ずっとゲレンデの案内の声が近くに繰り返し流れているのがご愛嬌。ルートは、見事なまでに立派な「道」となっていて、まともにやったら膝までのラッセルなんだろうけど、真っ白なパウダースノーで気持ちよくシール登高できる。


稜線に上がるところの尾根筋がやや急だけど、ほとんど舗装道路状態で、かつ方向転換する足場まで踏み固められている。ここまでメジャーなルートとは意外だった。稜線近くで、ようやく少し風が出てきた。先行していた3人ぐらいが滝沢尾根を滑走するシーンがシルエットみたいに見えてなかなか絵になっていた。他にも、登ったルートのやや右の沢筋をボーダーやら、山スキーヤーが2パーティーほど気持ちよくそばを滑っていくのが見えた。(このあたりの雪質のほうが、後で考えると素敵だったようだ)


稜線に上がると、頂上はやや左に行ったところだ。妙高山の山頂が木立ち越しに大きく迫るように見えている。外輪山の山々も綺麗に見えている。山頂に到着したら、ちょうどこれから滑る3人組の山スキーに会う。若手2名と以前このルートを滑走したことがある男性の3人組みだった。写真を撮っていただいて、少しコースの様子などを伺う。彼らも途中で30分ぐらいは休憩をとるので、後でお会いしましょうということで別れた。(その後、結局は一度も遭わず。樹林帯は樹が密で全く視界が乏しかった)お腹も空いているので腹ごしらえなど軽くしてから、ワックスも塗って、いざ滑走♪


ゲレンデトップの登山口            気持ちよいシール登高(右の小高い所に登っていく)
青空と雪と樹          稜線に到達。左に雪庇が出る
妙高・前山(1932m)山頂 バックが妙高山(ザックの肩の所のオレンジのものがGPSを入れたケース)



滑りだしの所が狭いとガイドブックには書いてあるが、特にシュプールを決めようというのでなければ、適当にボーゲンチックに滑れば十分安全な幅である。少し行ったところには、尾根筋に樹が生えていて、そこを通過するのが幅は狭いが、そこもゆっくり通過。そこらあたりを過ぎると、一段少し急に下がるが、安全策で、横滑りで無難に降りたら(既にシュプールがありすぎて、ゲレンデ状態のところが風で固まってしまってかなり滑りにくい状態)、そこから下が広くなっている。第一段階の急斜面をひとまず無難に終了。妙高山もこの辺りからは遮るものなく綺麗に見える。素晴らしい春の日の陽気だった。


さて、いよいよ滑走を楽しもうと美味しそうに見えるなだらかな斜面に滑り出した途端、いきなりこけた!全然スキーが進まなくて、こりゃなんだぁ〜〜!!スキーが、雪にひっかかる。見かけは素晴らしくパウダーチックな疎林で、シュプールをつけるのが楽しそうな緩やかな斜面なんだけど。。。。。 その実態はと言うと、右の斜面に行くほど尾根の端で風当たりが強いので、表面が硬くパックされている。表面の下はモコモコのパウダーで重い。転倒すると起き上がるのに難儀する。左に見える一見ぱふぱふそうに見えるコースは、ルートが本来右に行くべきなんでルートはずれが怖い。それに、ちょっとそっちに行ってみたけど、やっぱり表面はパックされていることには変わりはなかった・・・・。もなか雪って、こういうんだよなあ〜〜と思いながら滑る。何度もGPSと地図、磁石、高度計などを眺めっこしながら慎重にこけないように滑るから、イメージしていたパウダー滑りで快適ふわふわとはほど遠い。トホホ〜〜〜。特に、ルートはずれが怖いんで、かなりたくさんのシュプールがあり、間違ったシュプールに引き込まれないように気をつける。。


ガイドブックにある、「浅い沢を越して一本南側の尾根に乗ろう」というのに気をつけていたら、ほぼGPSどおりのイメージにそれらしきシュプールが見つかって、ここでひとまずほっとする。もさもさの雪をトラバースして次の斜面に移ると、そこからは比較的ルートとしては、シンプルにほぼ真東に進行するのでやっと少し滑りを楽しめるようになった。雪はモナカから、表面がじめっと雨でも降ったような湿った雪のところが多くなってきた。樹林も密度が濃くてやや暗いムード。軽めのシュプールでなでるようにして、それなりにぶな林のツリーランを滑走する。パウダーではないけど、こういうツリーランは八甲田以来だし、自分でルート選びして滑走するのは初めてなんで、どきどき、わくわく〜♪♪  樹林をぬって滑るのは、美味しいところは先行者が滑っているところが多く、先行シュプール跡を滑るとスキーを取られてしまうことが多いので、これを避けると滑れるところがかなり限られてしまって、うーん、残念。もっと滑走技術があればよいのでしょうけど、樹にぶつかって怪我をしない滑りを心がけたという感じかな?


一旦、シュプールが消えかかった少し広い斜面に出ると、勘からして、そろそろ滝沢への横断地点が近いので、キョロキョロと眺めつつ滑る。だいぶ陽も翳ってきて、どんよりしたお天気になってきた。ピンクの蛍光テープが2個所に木につるされているのを発見。これだ!って思って進むと、そこは、ガンと下がった沢の下降点。大体30度〜35度ぐらいの斜度で、幅2m強ぐらいで、樹も迫っていて、横滑りのシュプールがきっちりついているので、スキーを脱ぐほどではないけど、こけないように気をつけた。その先のルートもよくよく観察。


ほどなく、上から3人ほど山スキーヤーを発見。てっきり頂上でお会いした人かと思って手を振ったけど、無視された?ので変だと思いながら、横滑りでずりずりと斜面を降りた。沢からの登り返しは、トラバースでえっちら、こっちら歩いてやっとガイドブックの写真にも載っていたコルに到着。すると、さっきの連中が、狭い木立を縫って細いシュプールで勢いつけて降りてきたので、ちょっと驚き。(彼らは、三田原山から妙高山経由で来たとのこと?で、このエリアを滑り慣れているようだった。)


滝沢を横断して、やれやれ気分で少しザックを降ろして休憩。あとちょっとの安心感で、本当にほっとした。最後は、樹林を穏やかにしばらくトラバースしていくと、自然と前山高速第一リフト乗り場に到着。曇り空にすっかりなっていた。


まだ少々早いので疲れた足のまま、ザックを背負ったまま1時間はゲレンデ練習をみっちり。チャンピオンAコースのギャラリーが一杯のモーグルバーンのコブコブもザックを背負って時々止まりながらも、ぴょんぴょん練習。なかなか負荷のかかったトレーニングはキツイわ〜〜。でも、山での悪雪の方がよっぽど疲れるというのが実感。やっぱりゲレンデはコブでも快適。さすがにザックを背負っているのはキツイので、次の1時間ほどはザックを置いて空身で基礎練習。完全に雨でも降ったような重い春の雪。3時からは、時折頬に雨がぱらつくお天気。これだけの高温では、山での悪雪は納得という感じ。パウダー三昧のバックカントリーはできなかったけど、読図とGPSを駆使した樹林帯の中の山スキーを体験できて嬉しかったです。(なお、この日が妙高地方にも春一番の風が吹いたとのことでした。どおりで重たい雪も納得)





山頂からの出だしの滑り。既に何人も滑って斜面は荒れていた 上部の尾根で狭いところにある樹林。ここを無難にパス
噴火口からもくもく・・・・  三田原山に続く外輪山 神奈山 
黒姫山が逆光でまばゆい   妙高山(近くで見ると迫力あり。写真ではうまく映せてないけど)
一本南の尾根に乗越すトラバース。写真バックの方から滑走してきました 少し広い斜面は、しっかりシュプールが・・・
やっとノートラックの斜面があるが、既に雪は湿り雪 左の斜面のアップの私のシュプール
こんなぶな林を滑走しました。 左の写真のアップ
ここしか開けた斜面がなかったけど、ここまでくると滝沢はすぐ 蛍光テープのお陰で滝沢横断地点が判明
左の山から、中央の凹みに降りました。沢には水はなかったです。 目印となるコルですが、目立ちませんでした。




 <ちょこっとコメント>

●このコースの最大のポイントは滝沢の横断地点にきっちりと出れるかだと思います。ガイドブックでは、滝沢横断点の右手の小ピークはわかりやすいとあるけど、自分はわかりにくかったです。すぐ近くまで行かないと見えなかった。(^^;)もっと手前で滝沢に出るとどうなるか不明。もう少し下に出てしまうと堰堤のあたりに出ることになる。そこまで下ってしまうと、スキー場に戻るのがすごく大変になってしまうようです。

●地図に載っていないような小沢が幾つか入っていて、意識して右に右に行くのが正解のようです。今回はGPSが機能したので、ほぼナビの通りに滑走しました。視界が悪いときなどは、前山往復のみにしてして、滝沢尾根滑走は辞めたほうが無難でしょう。

●妙高はバックカントリーのスクールが幾つかあって、ツアーも充実しているので、ツアーを利用して楽しむのも安全でいいかと思います。











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