【山行感想】
まずはアプローチの丹沢の麓を、てくてくと3キロほど緩やかに登っていくのがなかなか暑くて辛かった。入渓点のところは、名水が評判の公園で水を汲みに来る人が多いとは聞いていたが、それにしても追い抜いていく車が多すぎる。なんか、変だぞ・・・って思いながら、汗だくで到着したら、驚きました。
なんと、沢の装備をした若者を中心とした連中が、うじゃうじゃ。沢登りって、こんなにメジャーなスポーツだっけ?よくよく観察すると、20名ぐらいと10名ぐらいの2つのガイド講習のグループがあたりを埋め尽くしており、個人で来ている人は、単独の男性と、女性3人組だけ。先に20名の団体さんが沢に先に入っているので、これだけ人が多いとまる縦走路のハイキングでの渋滞の気分。
いよいよ、沢に降り立つと、随分水が多い。最初はゴルジュみたいな暗い空間をしばらく行くのだが、いきなり、水が太もも!きゃーん!!台風の後だから、水量の多くない沢とはいえ、覚悟はしていたが。。。 団体さんの後を足取りを見ながらしばらく歩く。かなり水は冷たい。彼らのライン取りは全部シャワークライミングで、もう少し巻いたりしないのかなあ?って思っていると、リーダーが私に向かって、沢の半分ぐらいの林道のところまでしか行かないので、先に行ってくれと言われた。私はちょっと水の量が多くて不安に思っていたところなので躊躇していると、女性3人組が後方より来て、結局、その人達に先に行ってもらい、そのうしろを歩くことにした。(・・・といっても、すぐに引き離されてしまいましたが。)
F1のあたりで、団体さんを抜いてからは、無我の境地。F2は横向の滝と名前もついているが、どれだかわからないぐらい夢中で登ってしまった。この日は水流が全部滝のように流れていて、なんか全部滝みたいに見えてしまって(苦笑)、ほとんどシャワークライミング。もちろん、沢に慣れている人ならどれが滝かわかるんでしょうが。F5の板立ての滝だけは危ないとのことで、確実に右に巻いた。行程の半分ぐらいのところで林道の橋のあたりを通過するのですが、林道にいったん上がるのが、これまた核心。ずるずると赤土が滑って、こりゃバイルでもあったほうがと思う。よっぽど巻く方が大変。息もたえだえに、やっと林道に登り、ふたたび沢に降りる。
当初、本当に一人では難しければ、この林道から下山することもできると思ってこの沢にしたのだが。なかなかおもしろくなっているので、躊躇なく続行。しばらく登ったところで昼食。
やっとのんびりと少し落ち着いた気分。さっきの女性3人組とすれ違う。彼女らはいずれも前に来た事があり、水量が、いつもの3倍以上あって、とっても驚いているとのこと。いつもなら、乾いた状態のところが多いそうだが、今日は全部シャワークライムみたいになっているとのこと。ふーん、そうなんだ。。。。
彼女らからやや遅れて、私も出発。なんだか、F何番とかいうのは、全然わからないけど、ずっと本流ぞいを、どのルートを登るか、丁寧に、左右考えならが登る。一度登りかかって、やっぱりこっちなんて登り直したりして、パズルを解く楽しさのような気分でわくわくドキドキ。
小さい滝が多いので、高度感も少なめなのが助かるが、それでもずっと真剣に怖い気持ちはあるので安全安全と呪文のように思いながら行動する。
やっと特徴的なF10の富士形ノ滝(10m)に来て、位置がはっきりわかる。
左の水流沿いでもいけそうだけど、右の溝沿いが乾いていて、登りやすそうなので、そちらを登る。ハーケンが途中2個あった。濡れていないのが救いだが、高度感はややある。その上にも2つぐらい滝があったけど、1つは左に巻いたらなかなか大変。息があがってつらい。そろそろ左にと思って注意しながら登ると、「左」という字の看板があり、そのとおりに進みやや登ると、今度は矢印が左にあり。水流から離れる前で一休み。湘南の海岸線を始めとして今日は伊豆半島まで見える。
最後の詰めは、やぶこぎもなく、踏み跡が幾つかあり、適当にやや左にルートをとると自然と登山道とおぼしきところにひょっこり出た。なんか、プールからあがった、ちょっと気だるさと満足感みたいな感じでゆっくりと装備を解く。当初山頂まで行こうかと思っていたが、ちょうど自分の上のあたりから上は朝からずっとガスがかかっていて、視界もないので、このまま降りることにした。爽やかな風がずっと快適に吹いていて、下山に汗掻くこともなく、るんるんと満足感に満ちて下ったのでした。
去年、何本か沢に連れて行っていただき、ルートファインディングの楽しさみたいなのがおもしろいと思った。葛葉川本谷は、丹沢の中ではゲレンデ化した沢と言われてはいるものの、やっぱり初歩的ではあるけど、ずっと縦走路よりも楽しさも危険も一杯で、なかなかやみつきになりそうな気分です。それにしても、涼しくて、快適だったです!!
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