九州・九重山(中岳)



8月31日(火)の朝出社すると、突然明日から九州へ出張せよとのご命令が下った。私の仕事は滅多に出張はないが、ごくごく稀にある。行き場所は追って連絡するということで、ずっと待っていたら、やっと夕方5時過ぎに大分へ行けとのこと。泊まるホテルが決まったのはさらに後で、山積みの仕事もなんとか体裁を夜遅くまで形を整えた。大分というと九重が近いのかなあ? 少しだけ山の用意もして、翌朝東京から大分に向かった。


仕事は忙しくて休日出勤させられそうになったけど、辛うじて回避できた。たまたま職場の女性2名が1週間位前から行こうとしていた久住の山に、急遽一緒に車で行きませんかとお誘いがあって、とてもラッキーでした!!




 山域 / 形態  九州 九重連山  / ハイキング
メンバー  Sさん、Oさん、MINMIN
コースタイム
 2004年9月4日(土)
  大分6:40頃発〜車〜牧ノ戸峠 8:30頃
  牧ノ戸峠 8:55発
  扇ヶ鼻分岐のやや下 9:50〜55
  久住分かれ 10:35〜トイレ休憩
  中岳(九州本土最高峰 1791m) 11:30
  天狗ヶ城 11:50
  久住分かれ 12:15〜40
  牧ノ戸峠 14:30

  
★オマケ  長者原(タデ原)散策 15時過ぎ〜小一時間
  
 
登山情報
●牧ノ戸峠にはかなり広い駐車スペースがあるが、混むと満車になるので休日は早出必須とのこと。自販機と売店などがあったと思う。
●トイレは水洗でトイペ付きで綺麗だが、水は飲料不可とのこと。



金曜日は宴会で夜それなりに遅かったのに、1時間はかかる自宅から私の宿泊先のホテルまでOさんが早朝迎え来てくれた。Sさんを久住に行く道の途中でピックアップ。やまなみハイウエイを使うよりも30分は近道という少し細めの車道を往きは使った。お天気は前日の予報では好天のはずが、今朝の携帯の山岳気象では昼12時までが曇り&雨マーク。12時過ぎは完全雨マーク。どうなることやら・・・・


なんとか牧ノ戸峠登山口までは曇り空。既に山に向かう人が結構いて、駐車場もそこそこの賑わい。中学生の団体さんが100名強位いて賑やかだ。
この団体さんに先に行かれてしまうと大変なので、ぎりぎり先に出発する。


さて、この日の格好はというと、ちょっといつもと様子が違う必要最小限のもののみ。
●靴は山岳トレイル用のサロモンのジョギングシューズ (出張にこれを履いてきて、仕事用には別にオフィス用の靴を使用) 靴下のみオーロンの登山用を準備
●雨具は上のみ。(出張の荷物が重すぎて下は断念。)
●チノパンは仕事兼用(^^;)
●オフィス用のカーディガンを防寒具として腰に巻く。(ナップザックに入らず)
●超小型のナップザック(ICI石井スポーツの景品。急いで準備したのでこれしか見つからず)
Sさんの準備してくれたお弁当、ペットボトル2本、お菓子など


地図が間に合わず、安直な百名山ガイドブックの概略図を破って持ってきたので少々心もとないが、Sさんは山を始めて3年位、Oさんは去年からというが、それでも何度も九重の山を登っているので大丈夫だろう。登り始めの20分位はコンクリートの道であれあれ?と思って登る。結構急なので各自マイペースで登る。20分ほどで東屋がある展望のよい所に出た。Sさん曰く、九州の山は暑すぎて夏は辛くて登らないので、久しぶりの山だそうだ。 


東屋のあたりまでは観光客も登るようで、そこから先は普通の山道となった。中学生の団体さんの声に追われるようにして沓掛山に到着。Sさん、Oさんを待っていると先頭集団とガイドさんが到着。この先はやや階段などの岩場的な個所で、細い道でいかにも渋滞しそうなので先を急ぐことにした。


一旦下って行くと、すぐに広い尾根上の所に出た。振り向くと、中学生がずらっと数珠繋ぎで歩いているのが見える。山が占拠されているようだ。ミヤマキリシマのお花のシーズンだと、ものすごい混雑というので、こんな感じなのだろう。もう少し上がったところに良い所があるのでそこまで行くことにした。


扇ヶ鼻分岐という所のやや下あたりが気持ちのよい草原状の場所で、中学生の喧騒からも離れられてほっとした。中学生達はガスも出てきたので、途中下山になったようだ。少し休んでから再び出発。だんだんガスが濃くなり、わずかにポツポツし始めた。西千里浜という所は両端が草原状らしいがなにぶん何も見えないので想像するだけだ。(苦笑) 遂には雨の感じになってきたので雨具を着ることにした。ナップザックの上から雨具を着た。幻想的なガスの中を前進するが、実はSさん、Oさんはかなりビビっていたようだ。わずかに岩っぽいところを通過して、一旦少し下ると久住分かれという避難小屋のある広場についた。工事中であったが辛うじてトイレだけは使用できたので、トイレ休憩とした。幸いにこのあたりで雨が一旦止んだので、再び歩き出した。


歩き出して、割とすぐにガラ場を登っていると、Sさんから左に寄ってと後ろから声をかけられた。私が最低登るべき?九重連山の最高峰の中岳は左の道に入るべきであるとのこと。このあたりは、火山性の地質なので、ごろごろ石に黄色いペンキで要所要所に地名や標識が書かれている。ここを直登すると久住山で、左に行くと直接中岳への道だ。すぐに御池(ミイケ)沿いの道になった。こんな高い所で湖畔を歩くとは思わなかった。通常はもっと水量が少ないようだが、この日は登山道に水が浸らなくてよかった〜〜というギリギリまで水位が上がっていた。台風の影響だ。ペイントマークも少なくて、やや寂しい感じ?の道で、久住山に登る人に比べると、ぐっと少ない感じだ。こんな神秘的な湖のような池のような景色には寂寥感があって、Sさん、Oさんには心理的不安感があったようだ。


湖畔の道が終わると避難小屋への路を分けて、いよいよ稜線みたいな?ところを歩く。のんびりした穏やかな感じの所だが、ガスとやや風もあって、後ろを歩く二人がとても不安そうである。遂には
「引き返しませんか?」となった。私としてはあとほんの20分位、ましてやガスはあるが道は明瞭、風も稜線が広いので滑落の心配は皆無。雨具の下を履かなくても耐えられる雨というのかガス程度なので是非行こうと告げる。実は、彼女ら二人は「ガスの中を歩いたことがありません!」とのことで、ガビ〜〜ン!! Oさんはわかるけど、Sさんは3年やっていれば・・・・? 毎週ぐらい登っている時もあるようだけど。要はお天気が悪ければ登らないということだ。東京界隈の奥多摩などはガスがかかっていることも多いけど、樹林帯の中を歩くのであまりガスで登りませんというハイカーはいないと思う。しかし、この九重界隈だと火山帯の山で樹林帯の中の道ではないので、ガスだと道迷いなどがやはり心配のようだ。 二人の心情を思うと可哀想なので「風も大して強くないし、大丈夫ですよ、大丈夫、大丈夫〜♪ ガスもいい経験ですよ♪♪」 と励ましながら登った。


中岳の直下では、ご夫婦を発見してやや二人も安心? ちょこっと岩っぽい登りが終わると割とあっけない山頂だった。交互に写真を取り合う。かなり寒い感じだ。お腹空いていて食事をしたいが、少し下がってと話をしていたら、どこからともなく7、8名ぐらいの中高年のグループが登ってきて山頂は混雑状態。Sさんは、こんな天気に人がいるのにやや驚いた様子。聞くともなしに聞いていると、やはり100名山狙いかな? 先週は北海道の山に登ってましたという会話がしていたので。 (これまた北に南に皆さん忙しいなあ〜〜  (^O^) )


混んだ山頂を後にして、さて次は久住山に登るために来た道を戻ろうとした。ところが、途中で左に折れるべき所をまっすぐ歩いてしまったので、見慣れない場所に!! Sさん曰く、ここだと天狗ヶ城というコースを通って久住分かれに出るという。私の概略の地図にはその地名も道も全く載っていなかった。おまけに、お二人とも何度も来ている道なので地図は持っていないという(再び驚き! ) 地面に概略図を書いてもらって、御池の逆側を回って降りるルートだということを何度も説明を受けるが、やはりちょこっと納得感がない。 目で見えていれば、一目瞭然なんだけどな。。。。 引き返しましょうか?というと、この道でもちゃんと久住分かれには出るからと言われた。私的には、稜線通しに久住山に行ければ良いなと密かに思っていたのだが。。。ほどなく、天狗ヶ城に到着。少し下ると久住分かれに戻ってヤレヤレ〜。 


ちょこっとブルーな気分だっただけに、見覚えのある所に来てほっとした。さらには、小雨も止んで穏やかな天候になった。Sさんが3時に起きて作ってくださった美味しいおにぎりとおかず(伊達巻とから揚げなど)をお腹一杯食べて満足満足 ♪♪ ママのご馳走って感じで本当に美味しかった。



さて、久住山はここから登り返すと約2〜30分だが、なんせ山の形を一度も下から見ていないので、どの程度の登りかもわからない。下から見えている所から、さらに右の方にもう1段高く登るらしい。しかし山頂に登った後で、万一さっきみたいに下山の道を間違えると全く別のルートに下ることになるという。 心の中ではダッシュで登れば、登り20分下り10分位?かなと思うので、私一人で登るので待っていてくださいと言っても、彼女らは心配でならないという。私も出張中の身で万一何かあったらまずいと思うので本当に泣く泣く久住山を断念。


後ろ髪を引かれる思いで下山開始。さっきは、ガスの中を歩いた西千里浜が、今度は綺麗に前方に草原が広がっているのを見ると、癒し系大好きな私としては、とっても嬉しくて嬉しくてたまらない。さっそく写真モード♪ こういう草原が山の上にあるのは本州の山では珍しいのでは? そうこうしていると、久住山のガスが切れてきた。ようやく初対面♪ さすがに九重連山の主峰とされているだけに山の形に気品がある。今だったら晴れているから、Sさん達も登ってきてらっしゃいと言えたのになあというが。。。。 確かに残念といえば残念だが、職場の人間関係を壊したくない。何よりも晴れた西千里浜を味わえたのは嬉しかった。 そうこうしていると、再び久住山はガスの中に見えなくなっていった。 肝心の登った中岳は見えていたのか、どうか?未だに判然としない(苦笑) そもそも、久住山自体が、西千里浜付近まで登らないとよく見えないというのが奥ゆかしくてよろしい。(笑)


さて、その後はゆっくりとお花なども愛でながらのんびり下山したのでした。ちなみに、植生がとても九州らしいというのか、色んな所に庭木で生えているような木々があって、とっても面白かったです。まるでここは日本庭園? ドウダンツツジとか馬酔木(アセビ)、シャクナゲ、そしてもちろんミヤマキリシマの木々など。ガスも切れて、曇り空の歩きやすい気候の中でのんびり気分で牧ノ戸峠に到着でした。

 
(★なお、写真の下に、長者原散策のおまけレポ少々あり)




牧ノ戸峠登山口(一番メジャーな久住山のルート) 登り始めはコンクリートの道で、ちょこっとびっくり。
沓掛山((1503m)から見えるはずの展望の図 沓掛山から見たこれから辿る登山道。目指す所はガスの中。
これから歩く縦走路。植生が日本庭園みたいで、情緒がある。 久住分かれはガスの中。小雨が止んだ。
中岳への道はガスで人がほとんどいなくて、黄色い印も少なめ。 御池周辺の登山道。冬は全面凍結するそうです。
九重連山最高峰・九州本土最高峰の中岳 (1791m) 左からOさん、私、Sさん
天狗ヶ城に何故か行ってしまいました。 西千里浜の側にある星生崎。クライミングのルートがあり、ザイルが何本も垂れている時もあるそうです。
MINMINお気に入りの西千里浜♪  広々とした開放感のある草原 やっと見えた久住山。30分位でまた見えなくなった。
西千里浜あたりの周辺の山々。緑のたおやかな山肌と雲海が素敵。 久住山のアップ。左の稜線から登るのがルート。いつか登りに来たい。九重山の主峰はやっぱ久住山でしょう。
ススキと緑の山と青空と。 九州の山もいいなあ〜〜。 山に植木が植わっているみたいなモコモコ加減が面白い。
もう少しで牧ノ戸峠。近くに噴煙が上がって、ここちよい風が吹いていた。 牧ノ戸峠はやまなみハイウエイの最高地点。



【長者原散策や下山後の話】

Sさんは下山途中に携帯で連絡を盛んにとっていたかと思うと、実は登山途中の沓掛山ですれ違った朝日を撮るために登った二人の知人が、長者原で待ってくれているという。Sさんは実はHPを内々に公開している方だった。お仲間の二人は九州方面ではかなり有名なHPの管理人さんだった。特に一人の方は1日のアクセス数が500人平均、開設して3年で60万アクセス近いという私から見ると驚異的な方だった。(写真を中心としたHPで、壁紙素材関係の提供も行っている) 私は職場ではHPのことは絶対に公表したくないので知らぬ顔をしていたが、なんといつの間にかミニオフ会に参加することになっっていたのだった。(笑)


長者原は大きな駐車場とビジターセンターがあって、お二人とはすぐに合流。ここからすぐの所がタデ原という所で、木道の遊歩道が整備されていた。Sさんや二人はいずれもお花撮影がとても好きで、今日はアケボノソウとバアソブという珍しいお花の撮影が目的だ。曇り空ではあるものの、爽やかな風が吹いているタデ原は素敵な所だった。3月には野焼きをするという。既にお二人は下山後に一通りは撮影したようだが、もう一度付き合ってくれているようだ。のんびり散策やお昼寝する理想的な場所だ。


Sさんのお花撮影のミニオフ会?も無事に終了して、Oさん運転の車で由布院を目指す。少し疲れているだろうから、安全になやまなみハイウエイを選択したのは正解だった。しばらくすると、ガスが濃くなりライトを点灯させての走行で、雨も本降りとなった。由布院のホテルなどの外来入浴はみな16時までなので、1つだけガイドブックで17時までOKという記載の景色がとてもよいという評判のSさん達ご推薦の公営の宿舎の「湯布院ハイツ」に16:30頃到着。でも何故か16時までの看板が・・・・。フロントにガイドブックを見せて交渉するが、この春から経営母体が変わって、「ゆふいん七色の風」という組織になったので駄目ですの一点張り。折角ガイドブック信じて来たお客さんまでを追い払わなくてもいいんではとムッとした。外来入浴専門の所を探し、湯布院町営のクアージュゆふいんが新しいみたいなので、道に迷いながらも無事到着。肝心の温泉は、このあたりの500円の相場からすると800円と高め。メインの売りは水着ゾーンにあるようなので、普通の所しか入らない人にはもったいない。あまり風情がないお風呂で、単純泉でちょっと残念。


暗くなりつつある道を、再び大分までの近道経由で戻ってホテルに戻ったのは夜でした。Sさん、Oさん、本当にありがとうございました。とっても、九州の山は本州と違った味わいがあって、また今度じっくりとプライベートで行ってみたいものです。



長者原付近のタデ原の遊歩道  すすきがきれいだった。 アケボノソウ
シラヒゲソウ(貴重なお花らしく道の側に2輪のみ。) バアソブ (面白い名前のお花だなあ。) ヒゴタイ
九重登山中に一番目だっていたママコナ群生 ママコナのアップ 由布院そばの牛の放牧。走行中の車窓からの一枚。







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