編笠山
楽しみにしていた秋の3連休。どう見ても台風並みの低気圧が日本付近にやってきそうだ。天気図からみても、とても土曜日はお天気悪そうなので3日間行程の山は止めて日月の2日間で登れる所を考えた。そうこうしていると、ちょうど右足親指の爪が足の皮膚に食い込む感じになってきて、なんだか街で歩いていても痛くなってきた。我慢できないレベルではないが。(実はスキーシーズンに親指の爪は完全に死んでしまい、6月頃に完全欠落。少しずつ伸びてきて、あと3ミリ伸びると完全に復元されるまでに成長したが、爪先の皮膚が盛り上がってしまっていて、爪の伸びる場所を防いでしまっている)よりによって、なんでこの時期に痛みが始まったのか、ぶーぶーなんだけど・・・・・。 それで挑戦的なルートはまずいと思い、いつでも撤退可能、小屋も一杯ある八ヶ岳を候補にした。幸いなことに爪は登りだとあまり痛くない。下りでは痛いようだけど、包帯ぐるぐる巻きを施したのでならなんとかなりそう? やっと行き先が決まって、夜行列車「ムーンライト信州」の指定席を当日の昼間購入。(この列車は全席指定席)ルートは観音平までタクシーで早朝に登って、そこから編笠山、権現岳、足の具合と時間をみて登れるようならば赤岳まで一気にするか、権現小屋に泊まろうと思っていた。夜になってから、<そうだ、タクシーの予約をしなくちゃ・・・>と思って電話をしたら、朝3時過ぎに頼んだら「5時にしてください。・・・・・どんなに早くても4時半に」と言われてしまった。自分はタクシーを予約して山に行くなんてしたことはめったにないので、ちょっとアレアレ?とっさに、「そうですか、結構です」と電話を切った。実は以前もこのタクシー会社では乗車拒否みたいな感じにあったことがあって印象が良くない。 とっさに、いつか1度はやってみようと思っていた小淵沢駅から八ヶ岳を繋げることをイメージした。下りでやってみようと漠然と思っていたが、タクシー代(たぶん夜間割り増し料金で4000円ぐらいか?)の節約と足の具合をみる意味でもいいかな?と思い、気持ちを新たにして出発準備を整えた。 |
山域 / 形態 | 八ヶ岳 / ピークハント |
メンバー | MINMIN |
日程 | 2006年10月8日(日) |
登山情報 | ●登山届けは入山口にあり。トイレと水道はみつからず。 ●駐車場は20台〜30台ぐらい? ここまで完全舗装道路。 |
類似コースのレポ | 2003年12月 |
列車はかなり混んでいたが、幸いなことに隣の座席には人が来ず座席に横になって休めたが、なんせ小淵沢は3時少し過ぎ到着なのでまともに寝る時間なし。(昼間たっぷり寝貯めしていたものの・・・)3時9分頃に小淵沢到着。降りた人はもう一人だけ。改札外に3人が寝袋で寝ていた。 気合を入れて、一人夜の小淵沢駅を後にした。なんせ夜道を歩くなんて、山道ならまだしも、なんか薄気味悪い?男性の場合はあまり感じないかもしれないけど、都会とはまた違った恐さがあるような。ちょうど駅の周辺をパトカーが巡回しているのを見て妙に安心した。車社会なので変な人が車で通りかかったらどうしよう?っていうのがやっぱり恐い。こういうときは単独は嫌だと思う。 しばらく線路沿いを歩いて、線路下の歩道で八ヶ岳側に横断。ここからずっと緩やかな登り坂。この日の空の景色は写真には写らないと思ったので撮らなかったが、雲が勢い良く流れており、月明かりに白い雲が照らされていて映画のシーンのようなドラマチックな光景だった。甲斐駒方面の空を秒速何mというすごい速度で雲が流れていた。(実は夜道を歩くのに暦を調べたら7日が満月というのでそれも考慮に入れて計画しました。)足早にどんどん歩くけど、なんかドキドキしている自分。中央高速高架下、小海線を越すと別荘地帯の小道風になってきた。ペンションだと明かりも付いていてほっとする。工場脇らしい場所、なぞの建物?民家、保養所、しまいには突き当たりのどっかの屋敷に突っ込みそうになり、左に曲がる。しばらくすると広いメインの車道に出た。そこでしばらく歩くと棒道分岐に到着。ここから先は、真の闇の世界・・・・。 棒道の道案内の場所で少し位置確認を行い、再び歩き出すが、砂利道のようなところで、熊よけの鈴を大きめに鳴らすことにした。ずっとつけているヘッデンを1つから2つに増やそうかどうしようかと思いつつ歩いていた。(ヘッデンはスペア電池を持たない代わりに、暗いうちに行動する山では小さいのを2つ持って行くことにしている)が強いのでゴーゴーと樹木の風の音が鳴っている。中途半端に山のような里のような所なので、妙に恐い。完全に心臓どきどき状態。速足でどんどん歩く。やっと観音平に登るゲートのある車道に再び出たときには心底ほっとしたヤレヤレ・・・・ ここから先はしばらく行くと途中から右の脇に登山道があるが、真っ暗な道を歩くよりも、車道の方が安心して歩けるので、ひたすら車道を歩くことにした。この頃には青空の夜空はなくなり、雲の中に入りかかっているような景色だった。ひたすらまっすぐ高度が上がっていく一直線の道でため息。4時半を過ぎた頃だろうか、車に数台抜かされる。まさか人が歩いているとは思わないだろうから、交通事故に遭わないように気をつけて歩く。この日は風が涼しくて割と快適だった。相当な台数の車に抜かされたが、やっと平坦な地形に辿り着いたところが富士見平だった。富士見平は富士山の良く見えるスポットでカメラマンが何人も日の出を構えていた。真正面に赤い空をバックに冨士が静かに鎮座していた。じっくり見たいところだが、少し休んですぐに登りだす。やっと5時半に観音平駐車場に到着。ここまでで標高差620mをゲット。 駐車場は満車状態に近く、既に路上駐車が始まりかかっていたような? テント張って寝ている人や、ちょうど出発の人がかなり居た。私はベンチでまずは腹ごしらえ。でも、休んでいると汗が引いて強烈に寒くなってきた。ここまでは2時間15分程度とかなり自分としては快調なペースでやってきたので、ご褒美に30分ほど休む。完全に空が明けたけど、上の方はなんだかガスがかかっている。対岸の甲斐駒方面も雲があるようだ。 6時にようやく本当の山登り開始。もうここまでで十二分に準備運動ができてしまっていて、逆に今まで暗い中を歩いていた緊張感が、ど〜〜〜っと消え去って、ほっとしてなんだか急に眠くなってきちゃった。開放感で、まったりモード。ところが、私以外の皆さんは気合が朝一で入っておりますので、どんどん登って行く人ばかり。特に朝早いので、恐らく権現岳あたりも念頭に置いている人が多いでしょうね。たぶん、皆さん私の歩いているのを見て、とてもノロイ人だと思っていたと思います。(ZZZz〜〜〜ねむいよ〜〜) ほぼ全員に抜かされて(面目ないハハハ・・・・)、やっと雲海という場所に到着。ここは雪山で来たときにも印象のある場所だ。山渓のガイドブックのコースタイムで50分のところだから、軽い荷物で40分ちょっとは許せる範囲内かな? ここでも富士山が見事に青く裾野を引いて見えて、南アルプス南部はバッチリかなあ? 北アルプスは報道で遭難騒ぎ起こっているようだけど。押手川まで睡魔と闘いながらマイペース歩行。ここから先が記憶では傾斜がきつく、雪山テントでは相当に苦戦した登りだった。この日は装備は軽量なので眠い以外は快調。心配な足の爪も今は大丈夫。だんだん大きな岩と石の堆積の道となってきた。かなり上まで登ると寒いので雨具を付けることにした。そろそろ上に登った人が降りてくる時間になっていた。皆、口々に寒いよ、風が凄くて立っていられない、先にはいけません等々の声が聞かれた。最後の頑張りと思って登り出すと、しばらくすると人がたくさん溜まっている箇所あり。山頂では休めない人が休憩している場所だった。樹林帯を抜けると同時に山頂というのが編笠山の特徴なのだが、ハイマツ帯を抜けると同時に完全ガスで風がゴーゴーと吹いている山頂部分が見えた。 |
一時間ほど登った所の捧道。このあたりは真っ暗で真の闇だった | 富士見平から見た富士山。あと少しで日の出 |
雲海からみた富士山 | 押手川 この辺りは人が一杯 |
よろけながらも岩の堆積した斜面を登っていきます。やっとお団子マークの編笠山山頂(2524M)に到着。風が強すぎてまともに立っていられません。見事な霧氷が山頂の道標についてます。それでも、実は<やっぱり本当の冬山よりは格段に暖かいな>と思ったのも事実。痺れるような冬山のそれとは違いました。誰かが山頂はプラス2度ぐらいと言ってましたけど、たぶんそれ位だったと思います。写真を撮ってもらったりしたあとは、青年小屋に降りる方のハイマツの陰で少々休憩。 このまま元来た道を戻るのか?それとも恐らく天候は時間が経つと回復するだろうから青年小屋で待機するのか?青年小屋から西岳に目指すのもいいかもしれないな?というアイディアも浮かび、まずは青年小屋まで下ってみることにしました。さて懸案の下りです。右足親指爪痛い、左膝痛でるかも? なんと少し下り出したとたんに左膝が痛くなってしまいました(苦笑苦笑、爆笑?) あ〜あ、これで完全に自分も膝痛もちの登山者になってしまったのかと落胆してしまいました。このところ2連チャンで痛みが出ていて、ついにこれでは膝痛が持病と化してしまいました。長い登りで疲れが出始めていたのと、右足親指爪は下りだと痛いのでかばうように歩くので、それで左に負担がかかったようです。登山道の途中ですかさずサポーターを巻いてみました。ほんの少し効果を感じましたが、やっぱり気休めぐらいかも。 樹林帯が終ると小屋までが大きな堆積の岩を飛び移るように歩くのだけど、前回の冬山では最大のピンチの場所でしたが、今回はダブルストックのお陰で丁寧に歩いたのでまずまずでした。小屋に到着すると小屋の外には何人も食事をしている人がおりました。権現岳方面は全くガスで見えません。まずはトイレ(皇太子様も去年いらしたので、綺麗なチップ製のトイレが外にありました)に行ってほっと一息。小屋の入口あたりは土間になっていて、ここまでならば無料で休めそうです。風がこないので中に入るとほっとします。先着者が1名いただけです。さらに靴を脱いだ室内は相当な人数が停滞しているようです。 しばらく天候の回復を待つので食事をする。小屋には皇太子様が去年この小屋に寄られた際の写真が貼ってありました。中には中高年の団体グループがたくさん来ているようだった。小屋の主人らしきが出てきて、権現岳に抜ける所のクサリがバリバリに凍っていて、猛烈な風で煽られて恐いので今は行かないでくださいということだった。天気は回復傾向であることは間違いないし、まだ10時前である。しかし、青年小屋はかなり混雑しているようだし、赤岳に抜けるのはどうかな?足の調子もイマイチだし、ここからの下山がもっともダメージが少ないと考えて降りることにした。 結局時折ガスが一瞬晴れて権現らしき稜線も見えたが、見事な霧氷であることは間違いない。10時に下山開始。巻き道は前回歩いた時もかなり長いと思ったが、やっぱりだらだらと長かった。左膝をかばうようにして歩きながらも、右脚は爪に負担がかかならないように微妙に調節して歩いている。えらくのろい歩きだ。自分でももどかしい。振り返ると権現岳の稜線が見えるじゃないですか!でも、寒々しい感じだ。対岸は北岳のような? 雲に隠れたり見えたりしているようで、まだまだ上空の寒気が強いことはわかった。終始富士山はバッチリなので、南アルプス南部はこれは完全に当たりだろうなあ。この道を選んでよかったのは、時折紅葉が見えることだ。登りの道では紅葉はほとんど無かったが、この道は少ないながらも秋を感じられた。 押手川からの往きとの道が合流するとあとはルンルンのはずだが、思い通りにならない膝に超亀さん状態。ダブルストック状態で1歩1歩歩くので翌日上腕が筋肉痛になってしまった。やっと登山口に戻ってきてヤレヤレ。途中で道でお会いした親切なご夫婦の方の車で小淵沢駅まで乗せていただきました。(深く感謝です) 小渕沢駅に戻ると見事に八ヶ岳全てが見えるではないか!! 青空に完璧な山々・・・結構ショックだけど、この情けない膝の状態では速攻に戻れてよかったとしましょう。未だに赤岳と権現岳の間が埋まらない私だけど(苦笑)、いつか次の機会に繋げることにいたしましょう。
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編笠山山頂 | びっしり出来た霧氷 |
青年小屋のひとコマ | |
一瞬だけ見えた霧氷の山 | 少し降りてくると天気が回復してきた |
下山途中で見えてきた三つ頭方面の稜線 | 谷の向こうは南アルプスの北岳付近 |
帰りの車窓から見た八ヶ岳全容 |
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