上高地〜槍ヶ岳〜笠ヶ岳



この年は、秋に勤続ウン年記念の長期休暇を取る予定だったが、あまり長い距離を歩くことをこの頃仕事が多忙でしていなかったので、久々にある程度の距離になる縦走をすることにした。この時点で長期休暇はネパール方面とだけ考えていたので、重い荷物を持つことはポーターがいるのでないだろうから、歩くことに専念した小屋泊まりとした。



山域 / 形態  北アルプス南部  / 縦走 (小屋泊 )
メンパー  MINMIN
コースタイム
 2000年7月19日  
   自宅〜新宿 急行アルプス

 7月20日

   上高地  6:40〜7:30 明神    8:18〜25
   徳沢     9:07〜15  横尾   10:05〜45
   槍見河原  11:22〜30 槍沢ロッジ12:18〜40
   槍見平  13:10     雨具装着13:35頃〜雨具脱ぐ14:30頃
   天狗原分岐14:52〜15:00
   殺生ヒュッテ  17:10


  7月21日
   殺生ヒュッテ  5:50
   槍ヶ岳山荘   6:30〜45     槍ヶ岳山頂  7:05〜35
   槍ヶ岳山荘   7:48〜8:20
   樅沢岳山頂(2755m)   11:45〜12:05  
   双六小屋    12:30


 7月22日
   双六小屋    4:00        朝食  4:48〜5:08
   弓折岳 (2588m) 5:25
   大ノマ乗越   5:37
   笠新道分岐  8:15〜20
   笠ヶ岳山荘  9:30〜10:00    笠ヶ岳山頂 10:17〜20
   笠ヶ岳山荘  10:30〜40
   笠新道分岐  11:40〜50
   登山道入り口 15:50〜16:10
   新穂高温泉   17:00
 

   
 登山情報
●夏山の海の日の頃は、実質夏山第1弾なので、年によって残雪の量など大きく違うので、要注意。
●レポ中にもありますが、笠新道の降り口が変更になっているので、最新の情報を確認してください。古い地図だと当然違う位置になってます。



【第1日目】

いつものように夜行の急行アルプスで松本、新島々まで電車に乗って、バスで上高地入りとなった。お天気もよく、小屋泊まりで荷物も軽く、この分ならば槍の肩まで行けるかな? 横尾に着くと、あら〜〜!!あの懐かしくも貧弱な山ムード溢れていた横尾の橋が、何の風情もない立派な橋に変身していた。私は 「あれ?河童橋に戻っちゃったのか?」と一瞬不思議な感覚になってしまった(^^;) ここから見た穂高の奥には雪が一杯付いていて、なんだか嬉しい♪


槍沢ロッジあたりまで来ると、お天気が大分曇りとなってきた。でも、まあ暑いのも困るのでいいか。。。 だいたい槍沢自体を登るのは単調で大嫌いなので、できるだけ避けたい選択だが今回はやむなし。何度か槍沢を登降したことはあるが、夏の時期だと雪は残っているものの、少し雪の上を歩く程度で長く歩くイメージはなかった。当時の記憶は大分薄れているが、テント場を少し上がった辺りぐらい?の位置あたりから雪が出てきて、またアラレ交じりの雨も降り出した。雨具を着たが、温度は下がってきてかなり寒々しい夏山に変身! ガスが立ち込めていて、所々にニッコウキスゲの花が雨に濡れて重たげに咲いている幻想的な景色が印象的だった。 雨で雪渓は滑りやすくなっており、まだ夏山シーズンの実質初日なので、ステップもないので、滑らないようにキックステップで登る。この時までトレッキングシューズなるものをまだ持っていなかったので、重登山靴で登っていたのが幸いした。ストックも1本持っていたのがありがたかった。他の人達では、布製の靴やズックまがいの靴の人は相当に苦労していた。残雪大好きな私としては、楽しい部分もあったが、なんせ雨も降って視界も悪く、雪上歩行ばかりで急激にスピードダウンとなった。


雨は1時間程度で幸い止んだが、いつまで経っても視界が悪くて、今どの位置を歩いているのかわからないというのは心理的に嫌なものだ。 ルートも、所々紅ガラでマーキングされているものの、今ひとつわかりにくい部分があって、前後の人もまばらにしかおらず。ガスのお陰で時間の割りにずっと暗く、時間的にはそう遅くはないのに、すでに夕刻の雰囲気だった。この分では槍ヶ岳山荘まで時間的には遅くなりすぎるので、できれば食事や展望がいいと言われているヒュッテ大槍に行きたかった。ところが、全くガスで登路も小屋の位置もわからず。右手に登るはずなのだが・・・・・。途中で、ヒュッテ大槍を目指していたパーティーが、断念して降りてきていた。雪渓がとにかくほとんど覆っていて、マジに7月の夏山か?って気分だった。


しようがないので、殺生ヒュッテ泊まりに決定。なかなか足が重くて超スローペースになった。やっぱ、夜行で来ているのでキツイです。殺生ヒュッテで夕食が終わった頃、外に出て見ると、な〜んとガスが晴れて槍がど〜ンと真正面に見えるではありませんか! もう6時をだいぶ過ぎているというのに、殺生で泊まらずに、そのまま槍に向かう人も多かったこと!! 足取りから見て、相当にへばっているのに、まだ上を目指すという困った人達が多いものです。



横尾から毎度お馴染みの屏風岩を見上げて。奥の山に残雪が多い。 横尾の橋がこんなに立派になっちゃった(驚き!)
槍沢下部の雪渓。雪上や、草付きを歩いたり。上に行くほどガスが酷かった。 夕刻にはやっとガスが晴れて、槍の雄々しいお姿を拝見できるようになった



【第2日目】


朝からお天気よく快晴! モルゲンロートに染まる槍の姿を下からじっくり拝見。槍への登路は、見事なまでの人の数珠つなぎの様相で、超渋滞模様であることが殺生からもよくよく拝見できた。暗いうちから登っているのでヘッデンの明かりも少し見えていた。自分は、朝一の登りなのでゆっくり登る。槍の肩に到着すると谷底みたいなところから登ってきたので、朝の光景がまばゆく展開していてなかなか劇的に素敵な気分だった。


ちょうど、私が登る頃には槍の穂先への渋滞が解消されていて、スイスイモードで山頂に到着。人も少なくて、30分もゆっくりあたりの景色を堪能した。これから向かう双六、笠方面はもとより、とにかく全体的に雪がかなり多い年であることがわかった。肩に戻って、いよいよ西鎌尾根に進むことにする。東京からの電車アプローチの自分にとって、新穂高温泉に降りてしまうと、バスを乗り継いで松本に出るか、高山に出るかなので、えらく遠い場所で、今まで新穂高に降りたことは1度しかなかった。それが、安房トンネルのお陰で、随分松本に戻るのが近くなったので、今回ようやく新穂高に降りるコースを取る事にしたのだった。


さて、初めての西鎌尾根は、「鎌尾根」というけど、どこか険しい所があるという感じではなかった。最初の急下降は確かにかなり急斜面でガレガレしていた。千丈沢乗越から先は稜線漫歩かと思いきや、これが残雪が相当に残っており、ルートがトラバースだったりすると、滑落しないようにと結構慎重に歩くことになる。昨日の槍沢以上に踏み跡は薄かった。でも、青い空と白い雪と緑の山々とのコントラストが何よりも高山気分を盛り上げてくれて綺麗だった。後ろを振り返ると槍の素敵な景色と、何よりも北鎌尾根はこちらから見るとすっごくカッコイイ〜〜〜!! それに励まされて歩くが、肝心の樅沢岳に到着すると、ガスになっていて、展望を楽しめずに残念。雷鳥さんが山頂には我が物顔で、全く人見知りせずにいた。



双六小屋には、昼頃には到着して女性部屋に通された。下の段には体調を崩して顔色が悪くて寝ているおばさまがいたので、私はそっと2段ベット?の上の壁際をキープ。しばらく昼寝などしてから、小屋の外でまったりと寛ぐ。小屋の前のベンチで大分長く寛いだ。テントだと居場所があるのでいいが、どうも小屋泊まりで一人だと、ちょっと手持ち無沙汰で参るなあ〜。天気は曇りだが、まあまあの穏やかなお天気で日が暮れていったような気がする。



モルゲンロートに染まる槍ヶ岳。肉眼では、人並みが山頂まで数珠繋ぎ 久々の槍ヶ岳山頂。素晴らしい景色を堪能。
目的地の笠ヶ岳。孤高のお姿が魅力的。雪が稜線に多いのが見てとれる。 穂高への道。
これから向かう山々の写真。すごく残雪が一杯で、心躍る♪ 
西鎌尾根の様子。踏み抜きに気をつけながら進む。 樅沢岳に到着の頃には、すっかりガスがかかっていた。



【第3日目】


今日は長い行程なので、朝食抜きで小屋を抜け出す。まだ少し暗いのでヘッデンを念のために手に持って歩くが、次第に明るくなってきた。平坦な道が続き、ちょうどアップによい。明るくなった頃に朝食。空は朝焼けという感じで、微妙な空模様。弓折岳からはいよいよ笠方面に向かう道に入る。大ノマ乗越からは登りになる。この頃から、だんだんやがて雲の中の縦走路に突入だったような気がする。ガスの中を歩くようになるが、次第に雪が出てきて、ほとんどずっと雪の上か、雪の脇の道を歩くようになる。夏山シーズン開始直後なので、ほとんどトレースはない。 稜線上の道だが、とにかくずっと雪で道が覆われている。視界があれば残雪大好きなんでいいんだけど、せいぜい50mぐらい先しか見えないと、なんか一人ぼっちで寂しいなあ〜〜。 気分的にも落ち込んでしまう。


どれくらい経った時だろうか、対向から人がやってきた。写真を撮ってもらうが、笠ヶ岳山荘に泊まった女性の単独の方だった。彼女曰く、稜線上から笠新道を降りるのに、雪が多すぎて、軽アイゼンを持っていないと降りれないという。小屋では昨日泊まった人には小屋の備え付けの軽アイゼンを貸し出したが、全部数十個?が貸し出し終了になっており、その方は雪の経験もないので、小屋ではそういう人には鏡平経由で下山することをお勧めしているとのことだった。なんだか、凄い話になってきた・・・・。要はアイゼンを持っているか、雪山経験がない人以外はできれば笠新道を降りない方がいいという内容だった。


確かに、その後も雪上を歩くようで、このまま滑落したら、滑ったら止まんないんじゃないかな?って斜面が何箇所か出てきた。低温で雪が堅くて滑りやすそうだった。イマイチ方向がわかりにくい所があって、たまたま人の声が向こうからするから・・・・という具合にガスの中での手探りの歩みだ。そのうち、雪がなくなってきたら、今度は縦走路をヘルメットを被った人が何人か行き来するようになっていた、なんだか変?! ここって、クライミングするような場所があったっけ? 洋服も登山にくるような格好でなくて、これってもしや自衛隊? 警察? 消防? 無線を持っている人もいた。荷物を持っていないで空身で速足で通過したりする。ますます混乱した頭で、何が起こっているか確認したいが、ガスが濃すぎてよくわからない。


笠新道の上がり口には、最後が急になって、クサリ場のようで、何人かいてやや渋滞気味になっていた。やっと人らしい人がいて、ほっとした。そこからも小一時間歩いてやっと笠ヶ岳小屋に到着。ピカピカに新しくて、気持ちのよい小屋だった。宿泊客は誰もいないので、ゆっくりとストーブにあたる。なんて寒い夏山なんだろう・・・。すっかりガスで冷えた体にはストーブが嬉しい。小屋の人に道の状況を確認したが、やはりかなり積雪が残っているので、笠新道を降りるならば十分注意して降りてということだった。重登山靴を履いていて、この時間に単独で双六から来ている私の様子を見て、雪が苦手でなければ大丈夫ですよということだった。昨日は笠新道の上部雪渓で滑落者が出て骨折の重傷で動けなくなった人が出たという。ヘリもガスで飛べなかったので付添い人がずっと寄り添って、今朝なんとかヘリで救助したという話があった。


快適な小屋からまたガスの中を出ていくのが辛い(^^;)。 あとちょっとで笠ヶ岳の山頂なので、水筒1つ持って出かける。石がごろごろするような道だった気がするが、のんびり歩いていると、山頂にあっという間に到着。でもなんか標識もないし、変?! でも、私はガスの中で何も見えないなりに、やっと長年登ろうとしていた山頂に立てた喜びにほっとしていた。全然晴れる様子はないので、さあ下山しようかと思っていたら、あらあら、向こうから親子連れがやってきた。もしやと思って聞いてみると、山頂はまだもう少し先だという。我ながら大苦笑もんである。ガスで見えないのであわやニセ山頂で間違う所だった。なだらかな道をもう少し行くと、今度はホンモノの笠ヶ岳山頂だった。


再び小屋に戻ってから、重い腰を上げて下山開始。また来た道を戻るようだ。笠新道の下山口まで来ると、テント装備の重装備の人達が大挙して稜線の直下にたむろっていた。他にも数パーティーがいた。稜線に登る所は、確か記憶によるとクサリ場があって、細い岩場っぽい感じの所だった。そこに雪がついていて、なかなか危なそうな感じだ。登り優先だが、登りの人も疲れているので、どうぞって感じで道をあけてもらった。急下降の雪渓で緊張の連続だ。大きく一旦下がって、それからも雪渓が数百mは下降が続く。登っている人のトレースが見えるのが救いだが、滑り出したら間違いなく止まれるか心配。1本のストックが本当に役立った。所々に雪渓の途中で島になっている草つきを見つけてはほっと一息という感じだった。


雪がやっと無くなって、杓子平の広いカールを楽しみにしていたのだが、トイレを行きたくなってしまい、ちょうどガスがその下から晴れてきて、丸見え状態。それが、困ったことに、な〜んと縦走路にいた自衛隊らしき人達がずらっとカール右手の斜面で何十人も工事?をしているようだった。最初はクライミングでもしているのかと思ったが、オレンジ色のヘルメットがたくさんいるので、異様な風景だった。下山してから知ったのは、カールの右に直上する登山道を作っていたのだという。私の下山の翌日あたりに、その登山道は完成して、現在は私が通過した道は廃道になったという。その人達さえいなければ、登っている人はそうそう振り返らないだろうから、大丈夫だが、工事している人達からは見晴らしよいので、もろに丸見え状態・・・・・


せっかくの杓子平も急ぎ気分でまるで台無し。高山植物もやっと雪が溶けたぐらいなので、まだほとんど咲いているという感じではなかった。やっと、杓子平の端の茂みのある所まで到着。近くには、自衛隊のテントが幾つかあって、やっぱ自衛隊だったのだと理解。その少し下で、やっと隠れる所を見つけて、やれやれ〜〜〜と茂みに入っていき、ふぅ〜〜、と生き返った気分。かなりの我慢(何年経っても覚えているぐらいだから、すごもんです)だったのでした。 おもむろにほっとして気分よく辺りを見回すと、な〜んと!上方30mぐらい上の繁みに、男女の怪しい影が・・・・・・。う〜〜〜、絶句。雰囲気で若者という感じでなく、中年なんだけど、なんかあぶないシーンのようでした。 こんな所でイチャイチャするな〜!!再び冷や汗掻いて登山道に戻った私でした・・・・


気分を入れ直して、本格下山開始。長いと思ったけど、やっぱり下山は長かった〜〜。稜線では寒い冷蔵庫の中を歩いていたのが、だんだん暑くなってきて、ひぇ〜〜。。。途中のお花畑ではニッコウキスゲが大分咲いていた。でも、どんどん暑くなるわ、バスの時間は迫ってくるわで・・・・気が気でない。若い20代の頃にはぴょんぴょん降りていたのが、やはり鍛錬不足と年齢のせいで、あまり早く降りれない。最後には気が遠くなるぐらい暑さで参ってきて、やっとのことで林道に到着。もうバスは無理そうか。途中で湧き水が飲めるようになっている所があって、ごくごく飲んでしまった。足は重登山靴が重くて重くてひきずって歩くようだ。足の裏が悲鳴を上げている。ほとんど敗残兵のような様相で、やっとのことで新穂高温泉に到着。


運良く松本に直通で行ってくれるタクシーを見つけ、人数もそれなりに揃ったので、値段交渉で、安くかつすごく早く松本に戻ることができて、最終のあずさには余裕で間に合った。それにしても、かなりボロボロの13時間行動でした。雪渓では重登山靴は役に立ったけど、次からはトレッキングシューズを購入しようと心に決めました(笑)
 

                                              (2004年7月11日記)



朝焼けの北鎌尾根方面。不気味な?赤い空の色。 朝焼けの笠ヶ岳方面。この後、1度も山頂の姿を見ることなく。
抜戸岩。やっと目印となる所があってほっとした。 この雪の多さを見て! 雪の脇を歩くことも多かった。
やっと笠ヶ岳山頂   \(^o^)/ 杓子平付近から笠ヶ岳方面を振り返って。左の方から降りてきた。
この写真に写っていない右斜面には自衛隊さんが工事中!













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