十 石 山 



十石山の名前を初めて知ったのは、2003年の雑誌「岳人」の山スキーの記事だった。疎林のパウダースノーで、ここの避難小屋が冬でもとっても快適だという話と、ほぼ同時期に山スキーMLでその名物管理人さん竹前たか子さん(通称もんぺねえちゃん)の話が載っていた。彼女は雪崩の啓蒙活動をしていて、雪崩防災基礎技術研究会というものを立ち上げてその中心人物であるということだった。ところがその年の春に十石山の山中で滑走中亡くなられたことを知った。彼女が愛した十石山の避難小屋と、何よりもその山を愛していた話に魅かれた。いつか登ってみたいものだ・・・・・


そんな訳で、1月21日の神楽・雁が峰のお気楽さん主催のツアーに参加表明をしていながら、東京地区大雪のために参加できなかった自分は、次の機会にどっかご一緒に・・・というので、十石山の話が出てきたときには、飛びつくように参加表明した。お気楽さんは風邪気味だったので標高差が1100mもあるので、ちょっとお辛いかなあ?と思いつつも、お気楽さんの相棒のTAKUさん提案にすっかり乗ってしまった。でも、この時期深雪ラッセルはちょっと経験がなかったので、大丈夫かなあ?最近は単独が多かったので、お二人についていけるか心配。



 山域 / 形態 北アルプスのはずれ? / 山スキー
メンバー お気楽さん TAKUさん、MINMIN
日 時 2006年2月5日(日)
登山口情報
●料金所の付近には車が止められるスペース有り。乗鞍からの有料道路は冬場は無料です。
●白骨温泉の有名な泡の湯は、外来専門の人の外湯は17:00まで





お気楽さんの車でピックアップしてもらう。初めてお会いしたお気楽さんは背が想像以上に高くてびっくり。自分と並ぶと大人と子供位の感じ?(笑)穏やかなイメージは思っていた通りで安心いたしました。早速中央道に乗って、今度はお気楽さんの相棒のTAKUさんを途中でピックアップ。TAKUさんは精悍な感じの方で、奥穂直登ルンゼ滑走もしたという体育会競技スキー部出身という。自分はもともと車は苦手で酔う可能性があるが、先週の安達太良の悲惨なスキーバスでも酔わなかったので、少しは自信をつけたけど(苦笑)、バスよりも乗用車の方が苦手なので、酔い止めのようにおしゃべりしていたら、あまりの自分の饒舌にお二人は驚かれていた(騒音口害のようで、スイマセンでした)


あっという間に乗鞍高原に到着。天気はこの日は後半には晴れて良くなるという天気予報だったけど、寒気の残りがかなりあって、雪が舞っているし空模様もどんよりしている。駐車場でしばし検討のうえ、まずは白骨温泉の登山口まで行ってみることにした。あまり酷いようならば諦めることも少し考えていた。白骨温泉まで車を走らせて、料金所の所で車を止めようとしたところ、車が既に3台ほどあって、準備を始めている人達がいるなあ・・・と思っていたら、なんとなんと、関東からはリンク仲間のきむひろさんとそのお友達(かっきーさん、大ちゃん)と、関西からのよっしーさんとたかこさんだった!!! お気楽さんとTAKUさんはきむひろさん達3名とは先々週に神楽・雁が峰でご一緒したばかりのメンバーだ。自分はよっしーさんとかっきーさんとはガスの根子岳で1月にすれ違っているという、なんともすごい偶然の出会いだった。再会を祝って記念撮影などして、先行して準備していた彼らが先に出発。既に群馬ナンバーの車の単独の男性(あとで山スキーMLで川島さんと判明)が大分前に出発しているとのことだ。


私ら3人は彼ら5人組より遅れること10分ぐらいで出発。
ちょうどその時、単独と思われる男性の車も到着。今日は自分ら3名+5名の前後に単独男性が1名づついるという構成だった。まずは、お気楽さん先頭で林道を登り始めるが、う〜ん速い(^^;)そりゃあ、足の長さも随分違うし、しようがないかあ・・・。TAKUさん曰く「お気楽さんは最初は速いけどけど、後半は大丈夫だよ・・・」というので、そうなってくれなくちゃ、こっちはあごがあがっちゃうよ・・・。緩やかな林道を登っているが、雪がやんで、風もなく暑くなってきた。「3つ目のカーブ」で山に入ることという話だが、3つ目めかどうかよくわからないが、左カーブで樹にテープも貼られているところが入り口のようだ。ここで、フリースを脱いでいざ山へ。




前列左よりかっきーさん、大ちゃん、自分
後列左よりたかこさん、よっしーさん、きむひろさん、お気楽さん、TAKUさん
(photo by かっきーさん)
カーブミラーがあるのが目印 取り付きには樹にテープも有り。
この奥には進まず、すぐ右上に上がると良い。



そのままトレース跡を追って、ジグザグの斜面に出た。(帰るときによく見ると、ここはすぐに5m位上にあがるとコンクリートの構築物があるので、そこからトラバースする形が良いようだ)なんだか、ジグザグを切って登っていくが、どうも左に行き過ぎて登れなくなっちゃった。苦手のキックターンで、<おお〜、落ちそう>と思ったら、優しくストックでサポートしてくれてヤレヤレ・・・。方向転換して、そこからは順調に登ってしばらくすると一旦斜度が落ちる峠のようなところに出た。癒しの空間。ここら辺りまでくると空には青空が僅かに見えて、穏やかな樹林の空間は割と疎林?で帰りに滑る時に楽しみ♪


一旦緩やかな傾斜になった後は、樹林の中をジグザグにトレースがあって、のんびり登る。1時間位歩いたあたりで少し休憩。そのあと、しばらく頑張って左が尾根筋のようなところを直登するように登り切ると穏やかな湯沢平(1830m付近)に到着。なんだかテントでも貼ってのんびりしたいような良い所だ。ここの平坦な斜面は緩い上り下りがあるので、帰りは登り返しがあるようだ。次の急登の手前で休憩。(1890m付近か)それにしても、先行の5人組はどこにも休憩した跡がなくて、後姿をみつけることもできず、スピードあるなあ・・・・。


ここからは再び気合を入れて急登に臨むが、結構いい感じでジグが切ってあって、本当に先頭ラッセルの方に感謝です!知らず知らずに高度が稼げているようだ。1時間歩いて5分程度の休憩をとり、さらに進んで行くと、だんだん樹林が少なくなって森林限界を超すのが近い。あたりは雪が飛ばされて、トレースもよくわかならい状態になってきた。お気楽さんは少し先を登っているが、自分は<お腹が減ったなあ〜〜。シャリバテしない前に何か食べたいなあ・・・>という気分。TAKUさんが「森林限界を超す前に少し休もう」の声で、ほとんど気休め程度の樹の陰で軽くサンドイッチやチョコをほおばる。お気楽さんは最初の休憩で食べていたのでお腹減らないということで、先に歩き始めた。TAKUさんもパンを食べている。食べ物食べたら再び元気になった。ヤッケのフードを完全に上げてブリザード対策を施して、再び歩き出す。


お気楽さんが大分先に歩いていて視界にやっと入るぐらいか。視界もややぼんやり気味だ。やっと追いついたあたりで、ちょうど左上方からよっしーさん、かっきーさん達が続々と降りてきた。あと山頂まで20分位という。我々もどうしようか? お気楽さんは降りたそうな感じだったが、自分が「えー、山頂行かないの?」って言うので渋々?再び歩き始めたところに、今度は先頭で登っていた群馬の川島さんがちょうど前方からトラバースのように滑走してきた。TAKUさん達が会話を交わしていて、自分はちょっと上にいたので直接はお話ししなかったが、本当にありがとうございました。その方から、避難小屋がこのトレースの直線上にあるというので、この時点で山頂でシールを剥がすのも大変なブリザード状態なので小屋を目指すことにした。


斜面は雪が飛ばされて、風はあるしブリザード状態のアイスバーン。実は今日は新しいシール(アッセンション)の使い卸しなのだが、エッジは僅かしか出さないようにカットしてあるので、ちょっと大丈夫かなあ・・・。なんとかシールでずり落ちないで登って行くが、いつまでも何も見えないので感覚的にはやや左上あたりが小屋かな?って思って登っていったら、一瞬ガスの中から三角の建物らしきが見えた気がした。でも、再び見えず。うーん、3人横に並んでシール登高していた。右のあたりを幻でも見た気分だったので、みつめていると「あった〜〜!」と思わず叫んでしまった。三角の屋根がくっきり見えて、思わず<助かった〜>って気分だった。(少々大げさ 苦笑)


風が強いので、板など全部冬季入り口より全部突っ込んで狭い中に入って、やっと外気から一応遮断されてほっ〜〜〜。外に比べると天国のように暖かいけど、それでも寒くてTAKUさんの熱いお茶の1杯が何よりも嬉しかった。しばらくはまともにロレツが回らないほど寒くて凍えていた。特にお気楽さんのバナナがガチガチに凍っているのには笑っちゃいけないけど、まるで冷凍庫の中の冷凍食品を見た思いだ。ふとザックに付けた温度計をみるとマイナス12度だった。これでも外からは随分暖かいので、たぶん外は恐ろしい寒さだろう。しばらくあまりにも寒いので、お互い手を温めあったり、ホカロンを出したり。手がしびれるほど冷たくなっている。お気楽さんは寒すぎてボーゼンとしていた。チョコなど食べて落ち着いたので、そろそろシールをはがる作業に入る。狭い所なので、協力し合って1本づつシールを剥がしていき、それからワックスを塗った。


小屋内ははしごを使って下に行った奥が居室内のようだけど、噂の素敵な小屋の部分なんぞ拝見したら、二度と外に出たくなくなるんじゃないかと思って、出入り口の所に寒い寒いと言いつつも、結局1時間ぐらいいた。体制を十分整えて、いざ外へ。




最初の急登を終えた平坦地             (photo by TAKUさん)
一時は晴れ間も見えました 森林限界付近からはブリザード状態。(photo by 大ちゃん)
避難小屋は雪に半分埋もれているような形で、
視界が悪いと発見しにくそう
避難小屋





外へ出ると、気のせいか空が心もち明るくなった気がした。山頂が見えないかと思って、少し高い所に上がってみたが、山頂方面はやっぱり何も見えず。風はやや弱まったような気がした。カリカリしているので、来た道を途中までゆっくりトラバース。たぶん往きで5人組とすれ違ったあたりまできてから、いざパウダー斜面に突入♪ 最初はTAKUさんが、鮮やかなシャープな弧を描いてあっというまに斜面に消えた。次が自分なんだけど、パウダーで気持ちよい〜って大きめに回っていたら、あらあら雪に足を取られて転倒で、さっそく雪まみれ(苦笑)やっとこ起き上がっているとお気楽さんが余裕なフォームで降りてきた。一段下がったこのあたりだったか、ちょうど朝車で来ていた単独の男性とTAKUさんが話をしていた。結構一杯一杯の感じで登ってきたようなので、ここからはまだ登りがある話をしたら、単独の男性は我々よりも先に降りていった。少し高度が下がり、斜度もゆるく下手すると下りラッセルになるので、前の人のシュプールを追って滑っていくことが多かった。TAKUさん、自分、お気楽さんの順番ではぐれないように終始滑走することにした。


あたりの景色も白い感じで、風もそこそこにある。トレースは完全に消えていた。樹林の中に入たあたりで、もう少し右の尾根を登ってきた気がして、途中から少し斜面を右に行くようにトラバース。でも、うーん、やっぱり変。2200m付近だったと思うが、50m以上は右に行ったあたりで、ストップ。自分のGPSで位置確認。やはり、少し夏道に対して右に行き過ぎていると判明。左のやや上がったあたりの尾根が正しいようだ。TAKUさんが先導して左の尾根に戻るように緩やかに下りながらも左上の尾根に戻る形のラッセルをした。大した距離でもないけど、やっぱりラッセルは辛いわ・・・・。やっとこ、尾根筋に戻って登りのルートをほどなく発見。あとは登りのシュプールを主に利用して下って行く。狭い尾根筋に戻ると、やや右の樹林の中を滑るが、やっぱ空間が狭いと下手な自分は弧を描けない。前を進むTAKUさんはどんな所も縦長のかっこいいシュプールで唖然。お気楽さんも、転倒しない目標を立てているだけあって、抜群の安定感のある滑りだ。


湯沢平付近の平坦地に戻ってきたが、緩やかに登りがある。シールをつけるか微妙な所だが、短い距離なのでなんとかサイドステップなどでごまかしながら登り返す。やっと見晴らしの良い所に戻ってきて、ヤレヤレ。戦い済んで日が暮れて?じゃないけど、夕陽の感じの風景になりつつある。青空に遠くの山がピンクに薄っすら感じる。なんかとっても穏やかな天気になっていた。少し体制を整えてから、いざ最後の美味しい斜面へ。


ここで、動画と写真大会。TAKUさんはとても樹林滑走とは思えない速さで、樹をポールようにすり抜けて、あっという間に視界から遠ざかったしまいました(惚れ惚れ・・・。)次に自分ですが、ぱふぱふスノーと喜んで滑り出したけど、あまりに速いスキーを見た直後のため、まるで自分は鈍行スピードです(爆笑)。それに、ぱふぱふ雪に足を取られそうになり、転倒直前をリカバリー。あとで動画を見るとなんとかごまかせたようです?もう少し自分的には樹林の間が開いていないと滑りにくいです(←贅沢者!) お気楽さんはやっぱり余裕のフォームで滑ってきます。アイスバーンの上に新雪の上が乗って「底が滑ってやや滑りにくい」と言っておりましたが、自分的にはあまり底までも到達しないぱふぱふでした。大分斜面が皆が滑った跡で荒れ始めてますが、やっぱりパウダーは楽しい♪ 少し斜度も緩んで楽しめました。


結局、5時間近く登ったにも関わらず、パウダーイメージで楽しめたのはこの斜面だけぐらいかなあ?正直滑り足りない気分です。(苦笑)
(本当はもっと隠れた美味しい斜面があるのかもしれませんが・・・)平坦地から下は往きのジグザグトレースとは違って、真っ直ぐの高速道路状態のトラバース。最初の林道入り口の少し上に到着し、最後は林道をゆるゆる滑走して車の所に戻ってきました。皆さんお疲れ様でした〜〜〜。それにしても、先に降りていたはずの我々の後から登っていた単独の方がまだ戻っていないのが気になりつつ、山をあとにしました。(その後、この方は2日間山で迷われて、乗鞍スキー場に自力下山されたとの報道があったそうで、無事で何よりでした。私達もすぐにおかしい?と思った時点で戻ったのが幸いでした。やはり冬山は恐ろしいです。)


その後、冷え切った体を温泉で復活ということで、近くの泡の湯に行ったけど、もう少しで営業終了みたいなので、一路乗鞍温泉へ。「ゆけむり館」は駐車場も混んでいたので、スキー場近くのホテルのお風呂へ。檜造りのお風呂を500円也で独占。やっと体の芯からの寒さをほぐして、満足満足\(^〇^)/
それにしても、今回の山行は強烈に寒くて、5人組と我々パーティー3人のうち、何人ものメンバーが凍傷になってしまうという凄さでした。幸いに自分は大丈夫でしたが、本当に寒くて寒くて参りました。パウダー食うなら寒さには勝たなくちゃ駄目ですかね?(苦笑)


帰路は中央高速も渋滞なく、夜9時過ぎには帰宅。本当に車を使ったスキーは、いつもの電車利用と違って(自分が運転しないので恐縮ですが)、大変快適でした。本当にお気楽さん、TAKUさんありがとうございました。それに先頭でラッセルしていただいた群馬の川島さまとよっしーさん達パーティーに感謝しております。


自宅3・20頃発 乗鞍高原 7時頃 しばし休憩 白骨温泉料金所ゲート7:30〜8:00
休憩9:00頃より5分程度 温沢平1890m付近 10:00〜10 休憩 11:00頃より5分位
2400m付近12:10〜20 十石山避難小屋 12:55〜14:00 温沢平付近 15:00頃 5分休憩
駐車場戻る16:00 自宅 21:10




パウダー斜面    TAKUさん        (お気楽さんの動画より掲載)
        お気楽さん       (photo by TAKUさん)         自分          (photo by TAKUさん)
        お気楽さん      (photo by TAKUさん)         自分      (photo by TAKUさん)
お二人には大変お世話になりました








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