平ヶ岳登山


学生時代に同期のサークルのメンバーが、とても秘境の山でよかった話を聞いていたので十数年来ずっと行きたかったが、なかなか交通の便が悪くて行けず。桧枝岐から入ると山道をずっと車というのは、車酔いしやすい自分にとっては、大変そう。シルバーラインを行く方が道はよさそうだが、バスの便やらこれまた苦手の船に乗ったりで躊躇していた。それに、そんな秘境の山に独りで行くのは怖いし、行くからにはテントでゆっくりと思っていたので同行の人を探していたところ、Mさんが車を出してもらえることになり、十数年来の念願かなって(ちょっと大げさだが)ようやく行くことができました。折りしも100名山ブームなので秘境というほどではなくなったようですが、人があまりいない季節なので、堪能できました。


山 域/形 態  上越  /  残雪期 テント泊
メンバー  Mさん 、 MINMIN
コースタイム


2001年6月8日(金)自宅
21:0〜関越道練馬インター〜小出インター〜湯の谷道の駅 0:30頃到着  テント設営1:00頃就寝


6月9日(土)6時頃起床 7時出発 シルバーライン経由奥只見湖8時 頃到着  奥只見湖発9:20発〜船〜尾瀬口〜バス〜平ヶ岳登山口10:35出発 下台倉山13:57〜14:15〜台倉山15:2516:42テント泊(白沢清水手前)

6月10日(日)4時起床 5時出発〜白沢清水5:106:40       姫の池6:457:18  平ヶ岳山頂7:509:30テント 撤収9:551045台倉山10:5511:45 台倉山12:0013:36 登山口13:45〜鷹ノ巣(清四郎小屋)14時頃 昼食 
15:40頃バス 〜尾瀬口16:10〜船〜奥只見湖16:50 途中、葎沢温泉で入浴〜関越〜自宅23時頃


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【山行記録】

《6月8日(金)》


あらかじめ、現地に道の駅があるとMさんが調べてきてくれていたので、あまり遅くならないうちに着きたいと思っていたが少し迷う。着いた道の駅はなかなか設備がよい。既に車の中で寝ている人も多い。足を伸ばしてゆっくり寝たいので、テントを張って寝る。冬用のシュラフを持ってきたので、暑くて寝苦しい。おまけに、最初いいと思っていた場所だが、深夜なのに定期的に出入りが多くて熟睡できない。道の駅でテント張ったのは二人とも初めてだったので、今後はもっといい場所を選ばないといけないと思った。

《6月9日(土)》

寝たような、寝てないような感じの朝だった。一週間の仕事の疲れはまだまだ全然体に蓄積したままのような気分。朝の天気は雲が垂れ込めていて、テントは夜露で濡れていた。船の時間に絶対に遅れないように、朝食はダムに着いてからにすることにした。一夜明けて周りを見渡すと、緑濃い田園風景で心なごむ。シルバーラインをずっと走行しているうちに、どうやら朝の雲は上がってきて、奥只見湖に着く頃にはまぶしいばかりの晴天になった。ゆっくり朝食を摂ったが、早くも暑くなってきた。


かなり待ってようやく船が出る時間になった。ほとんどが尾瀬に行く登山客というよりもハイキング客だ。船の上で単独の男性が独りだけ平ヶ岳に行くことがわかった。奥只見湖はすごく綺麗で深い緑がかった青で、湖畔の水もゴミが全く落ちていない。穏やかな山々の合間を縫う形で進んでいく。船酔いする私もさすがにこんなに静かでは酔いようがない。(でも、水が怖いからデッキのそばには近寄らず、山々ばかりを見ておりました)


山は上の方がガスっていて、越後三山も完全には見えていない。平ヶ岳もあのあたりだろうというのは分かるが明確にはわからず。なかなか旅情あふれる40分の船旅だった。船着場という名の、ほとんど想像していないぐらい簡素なはしけに船が横づけされた。そこからは予約していたバスに乗る。平ヶ岳の登山口まで5分とかそれぐらいの時間。でも帰りに歩くとなると3キロはありそうで、早くも帰りのバスを予約しなかったことを後悔する。


やっとたどり着いた登山口には、立派な駐車場が完備されていた。既に4、5台車があったと思う。登山届を見ると、テント泊で今日下りてくる人が1パーティーで、後の3パーティーは日帰りだ。途中で道の様子とか聞けるので助かる。今回、雪はあるという前提で来たし、多めに水を3Lと持ってきてはいたが、実際には心配であった。登山口では全く真夏のような日差しで先が思いやられる。


登山口の入口には、「軽装で登り6時間半、下り4時間半」「樹林の中では残雪があり、ガスになると道に迷う心配があります。」という警告の看板あり。こんな暑さなのに、本当に雪がどの程度あるのかな?なんて思う。しばらくはゆるい樹林の中の道だったが、道が藪払いをした後の急登になると、上に木も全くなくなり、日差しの中をダイレクトに浴びる。本当に久しぶりの重たい荷物なので、牛歩の歩み。汗がしたたり落ちて、ズボンもゴアウインドという耐寒性のあるズボンをはいてきたので、暑くてたまらない。後ろからくる、Mさんは荷物が重いといいつつも、元気にワラビ採りをしながら登ってくるので、あまりの余裕に愕然とする。彼女は私よりも一回り以上も年上なのにえらく元気だ。お花の名前も一杯知っていて、こんなに辛い時によく、お花の名前を口にすることができるなあ・・・・と感心する。ちょうど上から降りてきた定年後ぐらいの単独の男性がいたので、上の様子を聞くと、雪がたくさんあったことがわかりほっとする。


この暑さではとても1時間に1本なんて訳にはいかず、ほとんど30分かひどい時は20分も歩くか歩かないかぐらいでも休んでいた。気温は25度を越えて、なんとか日差しが遮られる樹林の中とか風が吹きぬけるところに来てはひとやすみって感じ。コースタイムで見ると2時間10分ぐらいのところを実に途中5回も休んでしまった!(苦笑)長ズボンは膝まであげて歩いていたし、ちょっとでも休むとブヨがどこからともなく寄ってきてたまらない。


やっとたどりついた下台倉山に着くと本当にほっとした。ここからは細かい上下はあるものの標高差が少ないはずだ。今まで見事に見えていた尾瀬の燧ヶ岳もいつの間にかガスで上の方が見えなくなってきた。この時点で、もう山頂付近のキャンプ指定地まではこの日はいかず、どこか雪のあるところまで行った適当なところでテントを張ろうということに方針決定。再び歩き始めるが、これまた急登はないものの、尾根の左に行ったり右に行ったりで、結構尾根のうねりの上下が体にこたえる。ほんの楽勝で行けるかと思っていた次のピークまでも結構時間かかった。この途中あたりで、単独行の男性2組とすれ違ったと思う。いずれもごく軽装ではあるが、疲労の色が濃い。そのピークの少し下りに、台倉清水というのがあるはずなので楽しみにいていたら、ちょうどそのあたりから雪が出てきた。先行していた単独のお兄さん(といっても、30代ぐらいか?)はここで、テントを張るようだ。平ヶ岳方面はガスで見えていなかったが、手前のこんもりとした丘のようなところが、針葉樹と若葉の淡い新緑がツートンカラーのように見えていていかにも今の季節感がある。シャクナゲの鮮やかなピンクや白いタムシバという花が点々と山々を彩っている。


一旦樹林の中に入ると、赤印のルートを探すのに忙しくて別世界に入ったようだ。雪の上の踏み跡や赤布をたどっていく。木道も出ているところもあるが、何度となく倒木に道を阻まれている。雪道を藪を掻き分けたりして進むことも多くなってきた。気温もやっと下がってきた。時間も4時を過ぎたので早くテントを設営したい。できれば白沢清水かその手前のピークのあたりにと思っていた。そうこうしていると、上から中年夫妻が降りてきた。こんな時間にこの場所では本当に大丈夫なの?って感じがする。


1715m付近で平坦地がみつかったので、そこでテントを設営。コメツガの森の中の静かなところ。本当は見晴らしがよいといいのだが、どうせ上はガスって見えないので、やむなしか。疲れていたけど、えらく喉が二人とも乾いていたので、とにかく水作りの雪を確保。やっとテントに入って、静岡の新茶を持ってきてくれていたので、思う存分飲む。こんなに新茶がおいしいものかと改めて実感。やっと喉の渇きを癒して、それから煮込みうどんを作った。独りだといつもインスタントラーメンだが、今回は主婦のMさんがしめじやら油揚げやチンゲン菜など具沢山に下準備をしていてくださって感激!! とってもおいしかった。


《6月10日(日)》


途中何度か目が覚めて、外にトイレにも行ったが、ガスの合間から月夜が見えて幻想的な景色を見た。気温も雪の上だが割とあたたかく、朝も9度であった。4時には起きて、軽く朝食を摂ってザックにピストン分だけ入れる。昨日からのことを考えて、万一船に乗り遅れると翌日会社に出勤できなくなってしまうので、玉子石までの往復はカットすれば少し余裕が出るかなという結論になり、カットすることにした。


5時に歩きだすが、自分のテントを出たところからも、早速昨日の後半の繰り返しのように、倒木が道を塞いでいて、しばし道を探す。10分行くか行かないかの場所が白沢清水という場所だったようだ。ここから少し下った、そこからが本格的なラスト1時間ぐらいの登り。ネマガリダケの笹を払ったあたりは、木道に雪があったりなかったりで踏み抜いたりして、これまた時間がかかる。あと少しで池の岳のピークというがなかなかつかない。肝心の平ヶ岳はまだ見えない。ガスが流れているようだ。やっと池の岳まで登ったが、まだピークは見えず、木道をたどってしばらくすると、突然姫の池に出た。幻想的なガスの中に池塘が浮かんでいる。しばし見とれて休憩する。平ヶ岳の山頂付近は見えそうでみえないガスの中。一旦くだって、登り返すと、開放的な草原のような景色の中に木道がゆるやかに登っていきやっと山頂が見えてきた。本当に気持ちのよいところだ。


平ヶ岳の三角点はやや右の木に囲まれたところだ。記念撮影などして和む。木道が先まであるので、少したどっていくと、完全な雪原に出て、そこに鉄柱が一本立ててある。(後で気象観測のポールと判明)「頂上はなぜ広くて平らか」なんていうおもしろい看板もあった。ガスがひどくてとても先に行く気にはなれず。このあたりに左手から、尾瀬の至仏山あたりにスキー縦走した記録を読んだことがあるが、確かになだらかで楽しそうな斜面だ。


名残惜しく、山頂を後にする。ふたたび姫の池まで来ると、ほんとに立派な山頂が全部見ることができて、感激!! 本当に平ヶ岳は平らです! 下りは登りで夏道で雪の踏み抜きが多かったので、夏道に平行する形で、雪の上をなるべくルートをとっていくことにした。せっかくピッケルを持ってきていたので、活用。早くも日帰りピストンの人達2パーティーと会う。朝の4時から登り始めたという。


予定より早くテントに戻って、パッキングして下山に。2キロぐらいは水と食糧で減ったと思うがそれでも、早く歩けるほどではない。それでも、なんとか台倉山、下台倉山と順調に下ってきた。なんだか雲が怪しくなってきて、遠くで雷も聞こえてくるようか。今までと明らかに違う本当に降りそうな雲行きである。なんとか雨が降る前に登山口まで降りたいと思いながら歩く。なんとか登山口近くの樹林帯に降りた頃、パラっときはじめた。登山口に着いてやれやれと思いつつ、ぱらつくので雨具を念のため着た。気温も急に下がってきて雨具をきていても暑くない。清四郎小屋というのがこの界隈の登山の中心のようなので、20分ぐらいのんびり歩いていき、そこで雨宿りでもして行こうかとなった。


清四郎小屋に着くと、まずはジュースを頼む。食堂が準備中だったが、おそばがあるという。それに、バスは予約しないてもここで手を振れば大丈夫だよなんて言ってくれるのでそのやり取りをしていたら、ものすごい雷雨と土砂降りが来て、本当にラッキー。


御蕎麦を食べた後も、皇太子様の登山の話やら、数日前におこった遭難騒ぎのことなど、おやじさんが捜索に駆け上がった話など楽しい山の話を教えてくださった。テント持って、それもピッケルまで持って登る登山者は少ないようで、最近ではほとんどが百名山の最後に残されている登りにくい山という感じで日帰りでそういう人ばかりが来るそうだ。


そんな話をしていたら、雨も止み、日差しが戻ってきた。そうこうしていたら、朝に会った登山者2名が早くも降りてきた。前日は越後駒に登ってきて、来週は至仏と燧ヶ岳にくるんだというこれまた百名山狙いの人。3年で残り40個ぐらいを潰すという。本当に休みなく歩かないとこの時間には戻れないだろうが、なんだか寂しい登り方である気がする。船に乗って戻る頃には、完全に夕立の後の爽やかな空気の中を船はゆったり進み気持ちがよい。越後三山も荒沢岳も今度はよく見えて来年あたり、またこういう季節に来てみたいなと思う。


ダムに戻って食堂で岩魚を食べた。淡白でくせのないおいしさだ。すごく満足した気分に浸った。帰りの温泉はたくさんありそうだが、清四郎小屋のおやじさんが紹介してくださった、もぐら沢温泉の簡保の湯を浴びてからの帰宅となった。




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