【第3日目 8月11日(土)】 今日も朝から快晴が約束された一日で、窓からは雲が見当たらない。今日の朝食は行動食が全体に余りそうなのでそれを食べた。小屋の食事は5時からのようだが、小屋を5:10に出発。テント場を通って緩やかに下るが、烏帽子岳のテント場のそばには小さな池が2個位あった。そこを通過すると三ツ岳への登りになる。北アルプスらしい登山道だ。昨日までのような樹林帯の中ではないので、爽快なさわやかな朝日の中の光景で、完全に夏山JOY的な光景だ。途中で嫌なことがあり、せっかくの朝の良い気分がちょっと凹んだものの、すぐに立ち直って一刻も早く嫌なことから逃れようとした。 三ツ岳というだけあって、3つの頂きでひとつの山の塊となっている。この山は中央の最高峰を微妙に巻く形で登山道が付けられている。だからかつて裏銀を縦走した時もそのピークは踏んでいない。今日は以前歩いた時と微妙に違う観点で歩きたいと思っているので、まずはこのピークを踏むことにする。日本標高100山という単純に数えて日本で47番目に高い山で2845mである。船窪小屋で知り合ったご夫妻も前々日に登られたそうだが、「道はないので」と伺っていたので覚悟はしていたが・・・・・ どこから登ればいいの?山の斜面を眺めながら目でルートを探す。砂礫の山なので、どこからでも登れそうだが、やはり安全にスマートに登りたい。そう思っていると2つ目の最高ピークは巻き終わって鞍部に出た。ここから山頂を眺めると明らかに山頂が私を呼んでいる♪♪ そこで荷物をデポしてカメラとペットボトルとウエストポーチだけで登る。よーく見ると砂地に人が歩いたらしい薄っすらとした人の歩いた跡らしきが・・・・・ でも、何よりも驚いたのが一面にお花、お花、お花・・・・ 下の方はリンドウの青いお花が足の踏み場もないぐらいに咲いている。後半はほとんど人の歩いた跡がなくなって、適当にザレタ斜面を登るが、コマクサだらけで、どうしてもコマクサを避けるのは至難の業。それでも、踏まないように、踏まないように・・・・・天然のお花畑が山頂まで続いていた。山頂は三角点が置いてあるだけで表示も何もないあっさりした所だった。縦走路は多くの人が行きかうのに、ここだけは忘れ去られた別天地。素朴な風景が展開していた。昔は、どこもここみたいに足の踏み場もないようにコマクサが咲き乱れていたんだなあって・・・・ 感無量。今は登山道にはコマクサが生えていなくて、それ以外の場所に咲いているって感じだけど、ここは一面に点在しているので、独特な光景だ。それを一人静かに朝陽の中で感じられたのはとても幸せだなあ・・・・・。恐らく下の縦走路は一日に夏山ならば100名位は軽く通過する道だと思うけど、このピークは恐らく1日に1,2パーティーあるかどうか?ぐらいの登頂率だと思う。なんか、とっても得した気分♪ 先は長いので少ししたら再び戻る。なるべく人が歩いた跡のようなところ?を降りて、お花へのインパクトを減らそうとしたけど、すごいお花だらけで、物理的に少しは踏まざるを得なかったので、お花さん、ごめんなさい・・・・。往復でゆっくりと展望を楽しんでも20分弱。再びザックを背負って縦走路へ。その後の道も素晴らしくお花が一杯咲いていて、少し雪も残っていて、快適な縦走路で昨日までの樹林帯の中のアップダウンに比べると、まるでここは舗装道路を歩いている快適さです\(^〇^)/ ほとんど道が真っ直ぐに感じられてしまうのは目の錯覚?体の錯覚? 気持ちよく歩いていると自然に野口五郎小屋に到着。ここでトイレを済ませてペットボトルも1本購入。ここのテント場が無くなったのがとても残念だ。トイレに行っている間に朝見かけた不愉快な男性が登って行くのが見えた。なるべく顔を合わせたくない。小屋からはすぐに山頂だ。ちょうど前日から前後していたオレンジ氏とばったり遭遇。オレンジ氏は今日は高天原、翌日は登り返して赤牛岳経由で読売新道を降りるという。氏としばらく話をして山道を一緒に少し歩く。でも、私は既に毎日筋肉痛なので(苦笑)、ダブルストックスでもたもたと歩くので、オレンジ氏に先に行ってもらう。稜線散歩を楽しみながら僅かに岩っぽい所を通過して、少し登り返した所が水晶小屋だった。今年の冬にヘリが墜落して小屋関係者がお亡くなりになられたが、小屋はその悲劇を乗り越えて無事に改築されて木の香りが芳しい、狭いながらもいい感じの小屋に生まれ変わっていた。 ここで再びオレンジ氏に再会し、再びお互いの安全を期してお別れ。それにしても、水晶岳が日本百名山に選ばれているお陰で、ここまでくると大都会?に来た様な喧騒だ。デポされたザックがあちこちに置かれ、ツアー登山らしい団体さんが列をなして水晶岳に向かっている。双六方面からのピストンが思いの他多いようだ。水晶岳は大昔に登っているので本日は省略。昔登った時は、水晶岳に足を伸ばしている人はそう多くない様子だったので、隔世の感がある。本当は自分も水晶を経て赤牛岳方面に行きたかったなあ。。。。 混雑した水晶小屋を離れて、再び縦走路へ。水晶岳は離れてみるほどカッコいい。次はだんだんと鷲羽岳が近づいてくるが、これまた百名山だ。私は楽しみにしていた黒部源流の1滴を求めて巻き道を行くことにする。右に行くと高天原温泉だ。左に進むとすぐに岩苔乗越だ。さっそく少し下降を始めるとほんのわずか2分位降りると水源だった。水が流れ始めている所で水を飲んで大満足♪ 前日までの水が無い無い・・・・という心理的なプレッシャーから解き放たれてリラックスして嬉しい。ここからは沢音が心地よく聞こえている道を下る。ただ、河原歩きみたいで石がごろごろしているのであまり歩きやすい道ではない。ここを山スキーで滑るならば斜度が緩すぎて漕がないと進めないかな?とか内心楽しい想像をしながら歩く。お花畑というのか、割とうっそうと草木の生えているような感じになってきて暑い。雲の平への分岐点はまだかな?まだかな?っと思いながら歩くが、結構距離があった。これまた大昔にここを通過して雲の平に抜けたので、やっとその分岐に到着すると懐かしかった。黒部源流を歩いている人は稜線よりも遥かに少なくて、静かな山が楽しめてよかった。分岐で少し休んでから、三俣蓮華岳方面に登り返す。 さて、このあたりは、2年前のGWに山スキーで単独で訪れたところだ。とても懐かしい光景が雪がつかない状態で迎えてくれた。雪の時はこうだったなあ?とか、あの樹木の感じは覚えている!、あの樹の下あたりをシールで登ったんだよなとか、あんな所をよく滑ったなあ・・・・等々。完全な自己満足の世界です♪ そんな具合なので、なかなか楽しい登りだった。さすがに足がそろそろ疲れてきたので、三俣蓮華のテンバに到着したら、しばし休憩。黒部源流経由は下って登り返すので、鷲羽岳の稜線を歩いた方が道が良いので楽みたいだ。でも、静かな源流はスキーの偵察も兼ねていてとても自分にとっては意味深いものだった。 三俣山荘付近からも、今度は三俣蓮華岳の景色を見て、山スキーで山頂から滑走したルートを確認してご満悦♪まだ2時前なので今日のうちに予定通り双六小屋に向かう。双六には巻き道のお花畑の方が楽しいのでそちらを選択。滑走ルートが巻き道から手に取るように見える場所があり、ニタニタと眺める。どうみても滑れるほどの斜度には見えない斜面なんだけど、雪って不思議なものです。そろそろ曇ってきて、時間も押してきた。それでもここの縦走路は本当に人が多い。 巻き道とはいうものの、後半は多少の登りで疲れてへろへろ・・・・。やっと、16時半過ぎに小屋に着いた時にはほっとした。女性部屋に通されたが、幸いなことに空いている。結局、私の部屋は9名位の定員に6名ほど。私の隣のお布団には誰も来ませんでしたので悠々快適な小屋ライフでした。でも、さすがに3日間連続の天ぷらの夕食には参りました・・・・。
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これからたどる三ツ岳方面 | 昨日登った烏帽子岳、南沢岳、不動岳あたりと、左奥は立山 |
三ツ岳山頂はコマクサだらけ。 | 人の訪れることが少ない三ツ岳山頂 |
三ツ岳山頂付近はまったりした広場みたい | 縦走路は影でない部分あたりで道が右に展望コース、左がお花畑コースに分かれる。 中央の影は私が写真構えている風景 |
縦走路の分岐点から山頂方向を見上げて | このあたりからお花が一杯 |
雪渓もあって夏山JOY♪ | 野口五郎岳山頂 |
水晶小屋から振り返ってみる野口五郎岳の全容 なんか大きい・・・ | 木の香りが素敵な水晶小屋。2階が増設されたようです。 |
雲の平方面 | 私の大好きな黒部五郎岳が見えてきた☆♪☆♪ |
祖父岳と左奥が黒部五郎岳、私は左側の黒部源流にこれから進む | 水晶岳と高天原方面 (岩苔乗越にて左の写真の右に展開する風景) |
岩苔乗越 | 黒部源流の開始 |
黒部川の始まりはこんな感じ 水がちょろちょろと流れてます | こんな所を下っていきます。 |
源流を下る道。標高差で約200m位下って、100mちょっと登り返す感じか? 左の稜線に三俣山荘があるけど写真ではわかりにくい。 | |
振り返ってみるとこんな感じ | |
雲の平へ登る道 | 学生時代にこの道を登って雲ノ平へ行きました。すごく懐かしい・・・・・ |
黒部源流の碑があるけど、いつできたのかしら?実際の源流はもっと上なのにな | このあたりもGWに左のあたりを滑ったので懐かしい・・・・・ |
三俣山荘に登る道。シールでかつて登ったのは左の灌木の下あたり。 | 三俣のテント場付近から鷲羽岳を望む。名山の気風があるなあ・・・・ |
三俣蓮華岳 | 三俣峠付近から見る山頂。 |
双六方面の稜線 雪とお花が素敵 | ハクサンイチゲが多かった |
草原にちょろちょろと癒しの水音が奏でられていて良い感じだった | 3日間連続の天ぷらは美味しかったけど、大好物のおそうめんが一番感激だった。・ |
夕暮れのテント場 こういう風景は好きだなあ・・・・ |
【第4日目 8月12日(日)】 今日は新穂高に降りるだけなので気分的に楽。ゆっくり起きてゆっくり朝食。朝の光景を小屋前で楽しんでから6時15分出発。双六岳南面カールは滑り残している斜面だけに、何度も振り返りながら歩く。カールが私を呼んでいるよう♪稜線に出ると弓折岳に連なる稜線だが、お花をゆっくりと愛でながら歩いていく。この日は日曜日なので鏡平から登ってくる人達が朝早いのに既にかなり多い。あとで人づてに話を聞くと、土曜日に新穂高温泉を発った人達が、あまりにも天気が暑すぎて双六小屋まで辿り着けなくて多くの人が鏡平小屋泊まりになったそうだ。そのお陰で私の泊まった双六小屋はかなり週末としては空いていて、逆に鏡平小屋は超満員だったという。だから、この日の朝に出会った人達の何割かは本来双六小屋泊まりだった訳だ。(私って何てラッキーなんでしょう♪) 弓折岳手前の分岐で鏡平へ下降開始。このあたりは槍ヶ岳から穂高の連山が見事に裏から見ている感じで連なっている。雪の景色でも感激したが、夏の光景もまた素敵だ。鏡平への道は既にかなり暑いモード開始。鏡平に着く頃には団体さんを始めとして、本当に多く人達が登ってきており夏山らしい光景だ。鏡平では、初めて噂に聞くかき氷を食べる。堪らない冷たさで美味しかった!! この小屋では某ツアーのトイレ渋滞につかまってしまい、ガイドさんもトイレタイムの監視?に来ているようで、二人ほど先にトイレに行かせてあげた。鏡池は昔の記憶でもあまり綺麗な池って感じではなかったけど、小屋の少し先の展望台から見た槍穂の姿はさすがにビューポイントだと思った。夕焼けも綺麗だろうなあ・・・・・。 ここから先はひたすら暑くて、ダブルストックで筋肉痛でよたよたと下る私。それにしても何百人とすれ違ったのだろうか?春だとデブリのすごいあたりは、夏だとやっぱり大きな岩が堆積してガラガラしてい地形だった。ふーむ、やっぱり雪崩れやすい地形なんだあ。いいかげん飽きた頃にやっと橋のある所に到着。夏道はここは渡らない。林道はひたすら耐える感じでわさび平小屋へ。ここで少し休んで、惰性でさらに新穂高に向かうが暑くて単調で長く感じた。時折、林道脇に冷気を感じる風穴があるのが唯一の楽しみだった。やっと新穂高温泉のバス停に到着。あと20分ほどで平湯に出るバスがあるのでほっとした。うろうろしていたら、船窪小屋と双六小屋で2度もお会いした健脚の女性の方とバッタリ。彼女は今日は既に西鎌尾根経由で槍ヶ岳を登ってから早くも下山してきたという。朝4時に出たというけど、速過ぎてびっくり♪ やっぱり山を駆けているんだろうなあ?ちょうどバスが来たのでゆっくりと彼女と話もできずわかれて残念。 平湯までバスで出て、お気に入りの平湯の森の露天風呂でまったり、極楽極楽♪♪今年は既に3回目の入湯だ。一日に数本だけある松本に出るバスの15時台に乗って松本へ。さすがにお盆の時期なので電車は混んでいるので、ゆっくりそばなど食べてからゆっくり帰京。 一応この山行で日本海から上高地までが一本の線で繋がったので、一区切り。本当はテントで歩きたかったが、やっぱり船窪界隈のアップダウンにはかなりやられましたので、小屋泊で自分の場合は正解でした。幸いにお盆の時期にもかかわらず、相当なラッキーで悠々と大の字で小屋で寝られて超快適でした。ものすごく久しぶりに裏銀を歩くこともでき、山スキーの想い出にひたったり、これからの斜面研究の下見もできたし、それなりに有意義な後半でした。赤牛岳に登れなかったのは残念だけど、またの機会の楽しみにします。
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双六岳南面は滑ってみたいところだ 朝の槍ヶ岳。手前の西鎌尾根とうしろの北鎌尾根が見える。 槍ヶ岳と下に鏡池が少し見えている 左の山に繋がっている穂高連峰 鏡池小屋 名物のかき氷は美味しかった♪ 鏡池からの槍ヶ岳はやっぱり絵になる風景 今年のGWに滑った飛騨沢が真正面で嬉しい♪ 滑ったら楽しい斜面もこの暑さでは耐えるのひとこと・・・・ 沢がオアシスみたいだ 林道のすぐ上あたりにも残雪が残っていてびっくり・・・・ いつか滑ってみたい穴毛谷
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