秋の富士山



勤続ウン年記念の長期連続休暇にネパールのトレッキング(19日間のツアー参加)に行くための準備として、2000年秋に2本高度順応目的の山に行きました。前の週が立山&奥大日岳、そして、この富士山で仕上げのつもりです。
富士山には夏に2度行ってますが、いずれも夜間登山であまりよい想い出がないのですが・・・・。さて、秋の富士山は如何なものでしょうか?



 山 域 / 形 態  富士山  /  日帰り
 メ ン バー  MINMIN
 コ ース タ イ ム  
 2000年 10月14日(土)
 自宅〜河口湖駅〜タクシー〜富士吉田口5合目8:15着
 

 五合目スタート8:30    六合目8:53〜9:00
 七合目10:05〜15    本八合目11:35〜50
 九合目12:25〜30    山頂12:55〜13:35
 六合目16:05        バス停16:30
 バス発16:50


 登 山 口 情 報
●この時期の売店は朝8:30では開いておらず。もう少しあとの時間に開店する模様なので、要注意です。



     

富士山に行くには五合目までどうやって行こうかというのが、この時期の車を持っていない私の最大の難関?!  路線バスを待っていたら、たしか10時とか?かなり遅いスタートになって、事実上無理。タクシー使うとなると記憶が不確かなのだが、1万円札が必要だったような? 独りでこの金額っていうのは、自分にとっては清水の舞台から降りる気分!! でも、ネパールの入山初日は2300mぐらいのところからスタートで、最後は5500mまで登るので、高山病にはなりたくないので、自分で納得して日本を旅立ちたかったので、タクシーで紅葉の中の五合目へGO! 


朝の富士吉田五合目は、人も車もほとんどおらず、閑散とした朝日の輝く広場だった。帰りのバスの時間も気になるので速やかにスタート。秋の富士山は見たことなかったので、とても新鮮に映る。素晴らしい快晴の天気である。富士山というと、黒いゴロゴロしたイメージしかなかったのだが、周りの樹木の紅葉がまばゆいばかりでとても素敵な登山道だ。紅葉とダイナミックな崩壊の沢にあたる部分がツートンになっていて独特な景色だ。


ほとんど行き交う人もいない。6、7合目あたりに来た頃だろうか、やっと下山してくる人に少し会うようになった。上の方の雪の様子が心配だったのでなるべく情報を入手しようとした。初冠雪は当然だが、遠目にも少し雪が付いているのがわかる。今回は、あくまで高度順応目的なので、登頂はあまり目的でない。雪が付いていて、アイゼンを必要とするような場面が出てきたら即下山と思い、わざとアイゼンを持ってこなかった。途中で降りてくる人のなかでも、8合目でテント張って高度順応という人も何人かいた。山頂まで行っていないからわからないという人もいた。いわゆる山屋さんばかりで、海外登山のための順応の人が多い。私と同じカラパタールに来春行くための訓練よというおばさまなんかもいた。何度も順応に来ているような人も見受けられた。(と言っても、たぶん全部で20名弱ぐらいしかこの日山でお会いした人はいない。)


順調に登って行くが、7合目近くまで工事をしていて、ブルドーザーの音がなんともうるさいのが玉に瑕だが、でも、こうやって人が少ない時期に、いろんな関係者が努力して登山道を整備しているのだから感謝しなくてはいけない。工事のおじさんに写真なんぞ撮ってもらったりもした。*(^O^)*


それにてしても、この大斜面に私と、後は2名の若い男性(ジーパンとか履いていて、装備を見ても山を知らない感じの人のようだった)と、それとベテランの50台ぐらいの単独の男性、そしてご夫婦ぐらいしか登っていない。本当に静かな山である。去年の夏に渋滞で立ち往生した苦い記憶が一杯あるので、この山はシーズンオフに登るに限る!って思ってしまう。スイスイ登れて快適。


9合目からは、さすがに息が辛く感じる。若さにまかせて登っていた若者もダウン気味。雪がちらほらと出てきて、直下200mぐらいからは薄っすらとした雪道だが、端を歩けば地面の露出しているところがあるので、バリバリ凍ったところを避けて、地面を歩くようにして、丁寧に登っていくと山頂の一角に無事到着。



綺麗な紅葉六合目付近  南アルプスの山々(甲斐駒、白根三山等)をのぞむ
登っている途中から見るとこんな感じ。右の尾根を登る。 本八合目付近から見上げる。登山道がくっきりラインに。
雲海が綺麗だった。 記念撮影。実は立っているのが厳しいほどの強風
薄っすらと雪で薄化粧の剣が峰 この日の到達点。富士山山頂の一角にて。


それにしても、山頂は強風が吹いていて建物の影に隠れて食事など軽くとる。テルモスのお湯でほっとする。装備は、ダブルヤッケを上は持っていたので着る。剣が峰バックの写真を先ほどの若者に撮ってもらうが、撮るのも一苦労するぐらいにまっすぐ立っているのが厳しいほどの風だった。


下山には、いつもだと、下山道を使うと速く降りられるが、今回は万一ガスが出てきてルートミスをすると、この大斜面では怖いので慎重に登山道を降りることにした。(小屋が一杯あるし、ロープも張ってあるので、まずルートミスする可能性は少ない。オフシーズンはその方がよいようだ。)それにしても、体験してみないと実感が伝わらないと思うが、本当に富士山の大きな斜面に人がほんのぽつんとしかいないというのは、爽快であり、斜面に呑まれそうなちょっと怖いような実感を持った。(次は滑りシーズンに来たいもんだ!)


下りは、登りにはあまり感じていなかったが、割と岩っぽい道で飛ばせない。海外トレッキングも控えているので、ここで捻挫、骨折などしたら、まずいので慎重に降りた。降りている途中で、ツイードの背広姿に革靴で若い背が高くすらっ〜とした男性が8合目付近の登山道からやや離れたところで座って佇んでいるのを発見。気になるなあ〜〜って思っていたら、私が降りてくるのを見て、後を追っかけてくるような?感じで、ちょっとぎょっとする。でも、きちんとした身なりだし、何か事情でもあるのかなあ?


六合目近くでその人と合流。彼は、なんと中国人観光客だった。残念なことに彼は英語が全くわからないので、日本語が僅かに通じるのと、漢字で意思疎通を図る。彼は、たぶん30歳前だが、中国本土ではかなり成功している実業家の一家の人のようだった。誰も富士山に登っていないので不思議に思いながらも8合目まで行って困ったと思っていたようだ。それで私を発見して、追っかけてきたのだ。バスで新宿のホテルに戻るようなので、そのバスで私も河口湖駅まで行こうと思っていたので、一緒に下山。


とんだ面白い展開で、少し話をしたが、英語でコミュニケーションができたらスムーズなのに、とっても残念だった。ともあれ、無事に五合目バス停までエスコート?して解散となった。


夕方の五合目は、とっても雲海も綺麗で、観光客も多くて、また日常に引き戻される気がした。乗ったバスも河口湖駅までほとんど動かないほどの大渋滞。やっと駅に降り立ったときには、大分遅くなった頃だった。 


そんなことをして、国内での準備万端、ネパールのトレッキングに旅立ったのでした。



<秋富士に登る人へのアドバイス

★この時期の、富士山登山は完全な雪を意識しての登山となります。天候、コンディション等々、よく見極めしてのぞむことが大切かと思います。当然のことながら、山小屋は全て閉鎖されてます。今回の私のように、アイゼン利用をしないことを前提に、そういう状況になった時点や、天気状況の悪化等の兆候が少しでも出ればすぐに下山というコンセプトで臨むのも一つのやり方かと思います。いつも以上に、常に周りの空をキョロキョロ見回して、悪化の兆候が見られないのか気を配ってました。(もちろん、雪山完全装備対応で行くやり方もあると思います。秋以降の季節、格好の雪山登山の訓練の場所としても富士山は名高いです。)


★お天気等のコンディションさえ整えば、夏の混雑の富士山など登る気持ちがなくなってしまうぐらい、素晴らしい登山となります。そのかわり、全て自分でリスクを背負って登る気合(おおげさかな?)がないとまずいかと思います。独立峰なので、気象状況は大変厳しいです。(夏の山小屋頼み、人の後ろを歩けばなんとかなる式の登山とは全く違ったものです。) 
ハイキングではなくて、登山の心構えでのぞんでください。

★富士山登山に関しては各自よくお調べになった上で、実行してください。当HPでは、記載内容に関しては一切責任を負いません












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