朝日連峰縦走〜山々は全てガスの中〜


学生時代に飯豊連峰の縦走をしたことはあったが、同じ東北でも朝日連峰となるともっと交通面でのアプローチがしにくくて、ずっと宿題のようになっていた。今回友人が鶴岡に転勤で引っ越したこともあって、その再会も楽しみということでようやく足を向けることになった。正直、東北の山はちょっと一人では寂しい。でも、単なる大朝日岳のピストンでなくて、東北特有のどっしりとした大きらかな山波を楽しみたくて是非縦走したいと永年思ってきた。小屋は全て避難小屋なので、一番夏山の無難なシーズンに出かけることになった。(バスなどの公共交通機関も7/20頃からお盆すぎの8/20頃までしかやっていない。)



山 域 / 形態  東北・朝日連峰  / 避難小屋
メンバー  MINMIN
コースタイム


2001年8月2日(木)自宅7時頃〜山形新幹線〜山形〜左沢〜朝日鉱泉ナチュラリストの家14時過ぎ

8 月3日(金)出発4308:55鳥原展望台9:1010:35小朝日岳11:0013:00大朝日岳山頂13:1015:58竜門岳16:08〜竜門小屋16:20到着

8月4日(土)出発6:157:22寒河江岳7:308:16狐穴小屋8:4511:14以東岳11:35〜大鳥池小屋14:35到着

8月5日(日)出発6:007:34冷水沢7:45〜泡滝ダムマイクロバス乗り場8:52〜バス乗り換え〜鶴岡12時ごろ〜友人宅〜新潟経由で新幹線で帰京


登山口情報
朝日鉱泉ナチュラリストの家HP  ←入山口

旅館朝日屋のHP  ←下山口 (逆縦走の場合はここに泊まると泡滝ダムまでの宿の送迎を受けられるようです。 )

飯豊朝日連峰登山者情報  最新の登山した方々の貴重な情報が集められています。行く前には一読されることをお勧めいたします

●朝日連峰は、稜線は全て原則テント不可。(小屋が超満員の時だけ、特認でテントを認められることがあるらしい。夏秋のシーズンには管理人さんがいるので、無視することはできないようだ?)

●大鳥池のほとりはキャンプする設備が整っている。

画 像



8月2日(木)

前日は秋田新幹線が止まってしまうほど東北地方は大雨で、出発が懸念された。幸いやや天気は回復傾向というので、朝の新幹線で一日かけてアプローチ。山形からは左沢線(あてらざわせん)に乗り換えるが、超ローカル線で、途中町の区画整理のために電車で20分ほど行くと、代行バスに途中から乗り換え40分ほど乗車。ようやく電車の終点の左沢駅到着。そこからさらにマイクロバスに乗り換えて1時間半。山道はかなり状態悪く、道が狭すぎる山道で対向のトラックが溝に落ちて脱輪するわ、同乗の高校生の9名と引率の先生2名のうち特に3,4名の高校生が口々に「吐きそう」「酔った」「駄目だぁ〜」とか連発して(おそらく100回は連呼していた)、そのうち本当に1人の子が吐いてしまった。私はかなり車が苦手なので「アー早く着かないかなあ」と真剣に思っていた。

やっと途中で彼らが降りたら、あとは
4人組みとご夫婦2組みと単独の人2名ぐらいと全く静かなもの。ほどなく、静かな山間の一軒宿に到着。とてもウッディーな造りでクラシック音楽が流れてムードあり。ひなびた鉱泉(お湯は茶系で、ぬるかったと記憶している。)につかり、夕食は岩魚のてんぷらなどを食して満足。




 8月3日(金)

朝4時半に出発した。ほの暗い感じで、吊り橋を渡り、しばらく朝靄の中を歩く。途中で中ツネ尾根という専ら日帰り登山の人がよく使う直登コースの道を左に分けてからは、急登になる。朝一番で、荷物も久々にシュラフや自炊道具などを持っているのでなかなか辛く、速く歩けない。でもひんやりした森の中は涼しいのが救い。時折獣のような、がさがさした音がする。カモシカが多いというので彼らだろうか。全く人が前後にいないのでちょっと獣の音を聞くと不気味。ほとんど30分か40分おきに1本たてる。2時間も歩いた頃だろうか、大分太陽も上がって今日はすごく暑くなりそうだというのがわかった頃から、睡魔に襲われる。歩いているが、瞼が閉じてしまう。。丁度沢を横切る地点あたりだったので、そこで15分ほど居眠りをする。とっても綺麗な雲海が木立から垣間見れるが、せっかくの今回買い換えたばかりの一眼レフカメラを出す気にもなれなかった。うーん、眠たい、眠たい〜〜ズーズーズー〜〜

やっと樹林帯を抜けると、物凄く暑い日ざしでまぶしい。鳥原小屋のあたりは素敵な高層湿原のようになっているが、日差しを遮るものがなく、このままダラダラと鳥原山に向かう。緑の植生がまばゆいばかりである。全体に草原的だ。この頃までは朝日連峰の主峰の大朝日岳は見えていたが、鳥原展望台まで着くと、既に山頂付近はガスの中。これから向かう小朝日岳が結構高く見える。ここで、しばし休憩。

ここから先の小朝日岳までが、後で考えると一番辛かった。単に少しうねりのある上下した尾根筋を歩いた後、最後標高差200m位を登るのだが、風が通らない道で、すぐそこと思えるのに熱くて苦しい〜〜。コースタイムで1時間40分程度だが、途中一回休んだにも関わらず、暑さでへろへろ。ちょうど、朝ほぼ一緒に宿を出た単独の日帰りの男性が、中ツネ尾根を経由して大朝日岳の山頂を既に終えて、下山最中に遭遇。確かにサブザック一つなら、快適だけど、何も遠くから来て(奈良から来ていたが)、そんな駆け足登山もどうかな?ピークハントだけっていうのも・・・・なんてちょっと思うが、まあ百名山だからしようがないか。やっとのことで、小朝日岳のピークに立った時には、熱さのあまり、ザックを下ろしたと同時に思わずザックにうつ伏せになって、肩で息を整える有様。

ところが、ザックを下ろすか下ろさないかの内に、すぐそばに一人だけ70歳ぐらいの小柄な老人が小さなザックを背負ったまま座っていて、「昨日はどこに登られたのですか?」と聞いてきた。<何を、このおじいちゃん言っているの?。こっちはそんなに毎日山に行くほど暇ではない!!それに、私がこんなに疲れているのに、見ればわかるじゃないの!!>(←内心のつぶやき)それでも、話したくてしようがない老人は「私は昨日飯豊本山だけをピストンしてきましたよ。」<要は、自慢話したいんだ。この時間に朝日岳も山頂を踏んで下山しているから、健脚は認めるけど・・・>「あなたは、どこから?」とまだ執拗に聞いてくるので、「朝日鉱泉からです。」とできるだけそっけなく答えた。それでも何かと話しかけてきていたが、こちらは難儀に息があがっているので答える気にもならない。まだ、執拗にして色々自慢話がてらに話かけてきたので「疲れているんで、話かけないでください!!」と遂にマジギレして強い口調で言ってしまった。後味が悪かった。やっと居なくなってくれた時には心底ほっとした。あくまで、山の挨拶や、声かけは相手の立場や体調を見計らって行って欲しいものです。肩で息して、グタッ〜としている人に自慢話をいきなりしなくてもいいんじゃないの・・・・。

小朝日岳からは、一旦150mぐらい標高を急下降してから、後は大朝日岳まで約350mぐらい登っていく。日もやや翳ってきて、涼しくなってきたし、なだらかな稜線上を歩くようになったので、爽やか。銀玉水という水場のところで、昨日の高校生パーティーと会う。彼らは昨日のうちに、鳥原小屋まで登ったようだが、今日はまだここというのは、なんだかえらくスローなペースだ。同じ竜門岳まで行くというので、また賑やかな彼らと一緒かと思うとちょっと・・・。銀玉水から上は完全なガス。涼しくて、私は元気復活。白いガスの中を、ニッコウキスゲなどを楽しみながら登っているうちに、大朝日小屋に到着。1時までに山頂に着けば先の竜門まで行く計画だったので、空荷で山頂へ。全く何も見えなくて、高校生しかいなかったが、引率の先生に、写真を撮ってもらった。でも、ショックだった。。「おばさんがきたから・・・」みたいに、私のこと言うんだもんね。せめてお姉さんぐらいには言って欲しかったが、まあ、彼らからするとダブルスコアの年齢だからしようがないか。

濃いガスのなかを、次の竜門小屋のあるところまであと2時間半ぐらい歩くことになる。視界は20m程度?はあるが、とにかく白い世界のなかを、ずっとトボトボと歩く。時折、逆コースのパーティーとすれ違う。たぶん私の後ろには誰も来ないので、万一何か怪我でもしたら嫌なので、高校生のパーティーの声が少し聞こえるか聞こえないか程度ぐらいの後ろのところを大体歩くことにした。7月上旬にやや左足を捻ってから、少しだけ痛みが残っているので、体重をそこにかけないように、めずらしくストックを使って慎重に歩く。同じような白いガスの景色がずっと続いて、西朝日岳を越え、幾つかのアップダウンを越えて、いささか、うんざりと思っていたら、ようやく道端の山道の所に、最後の山頂の竜門岳の道標あり。右手の日暮沢の登山道の方から、新潟の山岳会の女性たちがちょうど登ってきていて、私が一人だって言うと、なんかびっくりした表情だった。


山頂から、やや下ったところに竜門小屋あり。直ぐ目の前に流水が引いてあって、気持ちのよいところだ。さっそく、小屋に入ったところ、これはビックリ!!足の踏み場もない人数が小屋でみんな食事している。事前のメーリングリストの情報だと、小屋は「寂しくない程度に人が入っている。」という話だったが、どこに陣取ればいいか途方にくれていたら、管理人さんが少し周りに声をかけてくれて、やっと、2階のわずかなスペースに割り込むことができた。思わず、へたりこんでしばし休憩。なんと12時間行程になって、久しぶりにこんなに行動したので、疲れた・・・。550mの出発点から大朝日岳の1860Mまでの約1300mの登りプラス、ガスの中の2時間半の縦走は体力的には自分にとって辛かった。

小屋は、観察すると、2階には13名パーティーのさっき会った新潟の山岳会のメンバー(うち、女性10名)と男ばかり7名のパーティー。それと私。1階が、11名の高校生達にあと、大学生ぐらいのパーテイーが5名ぐらいか。たまたま大パーテイーがいたので混んでいたのだった。すごく綺麗な避難小屋で、外に綺麗なトイレも完備していて快適。やっと少し落ち着いてから、好物の味噌ラーメンを食して、他の人達が寝る体勢に入ったら、思いのほか私の周りはスペースが空いていて、快適。

7時を待って(私の携帯は夜7時以降でないと使えないドニーチョなので)外は霧雨が降っている中を、電波の届く3分ぐらい離れた丘まで歩いてゆき、自宅と鶴岡の友人宅に電話。友人の情報だと、天気は夜は悪いが、昼には回復傾向だとのこと。夜は小屋を強く叩く雨や雷の音が響いて、相当荒れていた。



 8月4日(土)

夜中はかなりの悪天が続いていたが、朝、外を見ると相変わらずのガスだが、雨は大量ではない。雷も止んでいた。5時ごろから起きてゆっくり支度をして、6時に出発した。雨は降っているものの、時折強く降る以外は小雨程度。15分ほど新潟の山岳会のおば様達が先発して歩いているので、なんとなく心強い。ガスで遠くは見えないが、2万5千の地図で見ると幾つか細かいピークを越えて、寒河江岳に向かっている。ずっと笹の稜線だ。晴れていれば暑いだろうが、クーラー完備の登山道で、雨具を着ていても暑くなくて助かる。1時間ぐらいで雨も上がってきた。寒河江岳では、おば様達に写真を撮ってもらう。その頃から、逆に縦走する人達とも時折すれ違う。狐穴小屋のあたりは、ガスのせいもあって、若干地形がわかりにくいが、一面笹の斜面が広がっていて、気持ちのよいところだ。小屋番は若い女性で、入口の所で30分ほど食事を摂ったりして休む。ここも素敵な水流が目の前にあって、綺麗な小屋だ。

あと2時間ほどで、縦走の最後のピークの以東岳だが、下の方は晴れてきたが、上はガスでどの山に登るのか全くわからない状態。ただ、おおよそ方角的にあのあたりの山に登るのかみたいな感じ。懐が深い山で、山肌が大きい。手前のお花畑は、黄色いお花畑があるかと思うと白いお花畑や、そして、見事な笹の海。楽しみながら、登っていく。11時すぎ、以東岳山頂に到着。誰もいない山頂。ガスで何も見えないが、とにかく、縦走できたので、ほっと一区切り。

ここからの下山路は二つあるが、沢筋の急下降の道でなく、稜線づたいの高山植物が楽しめるコースにした。ここからは、割としばらく狭い稜線で、アップダウンが結構ある。皮肉なことに、降り始めてから少ししたら、急にガスが晴れて、初めて大鳥池が眼下に入った。タキタロウという巨大岩魚で釣り人には有名な池である。思いのほか近い。徐々に、遠くの月山方面の山も見えてきた。しかし以東岳は見えない。お花がそこから下は、たくさん咲いていて、タカネマツムシソウやチングルマの群生や、ニッコウキスゲや、クルマユリ、シャクナゲ、ハクサンフウロ、ミヤマリンドウ、トウギブキなどなど、お花畑が展開。特に、オオバキボウシ?の淡紫色のお花畑が素晴らしかった。ウツボ峰(又はオツボ峰と呼ぶ→勝手にこの山をお局山と読んでいた私です。(^^;) )からおりて、三角峰界隈までがお花に関しては素晴らしい。

一眼レフでお花を撮ったり、眺めたり、るんるん気分。青空と流れる雲と緑濃い山を無心に眺めながら休憩ばっかりして先に進まない。(^^;)

大鳥池は山間のステキな湖のようで、小屋も避難小屋とはいうものの、通常の営業小屋と同じで、シュラフ持参と自炊というだけが違う。畳敷きの小屋で2階に通された。かなり人が入っているが、小屋がすごく大きいので、ゆったりした感じだ。小屋の周りにたくさんテーブルが置かれていて、そこで食事をする仕組みだ。釣り人が、岩魚の塩焼きや刺身を延々と食しているのが、みんなの注目の的になっていた。湖畔の避暑地に来た気分。

相変わらず山の上の方は何も見えないなあ、このまま登った山の姿を1度も見ないまま下山になるのかな・・・とぼやきながら、ゆっくり夕食の準備を始めていたところ、急遽、ガスが晴れて、やっと初めて以東岳が見えた!! のびやかな、ゆったりした頂きで、その姿を現してくれた。日本200名山に選ばれているというが、なかなか立派な山容である。夜になり、大鳥池に月が写っているのが見えてなかなか幻想的な景色だった。



8月5日(日)


今日は天気が朝からよく、周りの山々の景色が見えている。朝も、外のテーブルで食事。気分もゆったりした、リゾート気分。あの稜線の白いガスの世界をとぼとぼ一人で歩いた気分に比べるとなんとも豊かな気分である。

6時に大鳥池を後にする。ここからは、気持ちよい九十九折の下りになっており、いたるところに沢が横切っていて、喉を潤してくれる。あんまり飲みすぎないようにと思いつつも、ついついおいしいから飲んでしまう。吊り橋を2回ほど渡ってずっと大鳥川沿いを下る。ガクアジサイの花々が道に咲いていて、まるで遊歩道の気分。マイクロバスの来る時間にあわせてゆっくり下山。バスを待っていると、例の高校生たちと一緒になり、マイクロバスも同乗になった。途中、バスに乗り換えて爆睡しているうちに鶴岡に到着。

鶴岡は庄内平野の田園風景の中、城下町の風情があるしっとりした町並みである。懐かしい友人夫妻との再会と生後10ヶ月の赤ちゃんとの出会いでしめくくった山旅でした。朝日連峰の山々は全てガスの中でしたが、終わりよければ全てよしとしましょう・・・・。








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