雨飾山 〜憧れの山、転じて恐怖の大渋滞の山〜
雨飾山は、山を始めた頃から是非登りたいと思っていた長年の念願の山だった。私自身が登山を始める以前に、深田久弥氏の百名山が今ほど大騒ぎされる前の約20数年前のこと(古くてゴメンナサイ)、深田氏の別の山のエッセイで、とてもこの山が印象的だったからだ。雰囲気のある深山の趣があって、こういう山っていいなぁ〜と思ったのだった。かつては、道も定かでなく、深田氏は3度目にしてようやく登ることができた・・・本当に知る人ぞ知る趣のある山というイメージだった。 山を始めてからは、行こうとは思いつつ、東京から電車とバスを使って行くには夜行日帰りではやや遠いし、泊まるとしたら中途半端。それに、何よりも自分の中で大切に思っていて、一番良い時に登りたいと思っていたからだ。残雪の時期もよさそうだが、紅葉の時期がやはりベストかと思って、夏のモンブランが終わった後に、無性に自分の原点に戻りたい気持ちがして、この山に向かったのだったが・・・・・・・ |
山域/形態 | 頚城山域 / ピークハント |
メンバー | MINMIN |
コースタイム | 1999年 10月9日 自宅〜急行アルプス〜 10月10日 〜南小谷〜バス〜小谷温泉7:15発 林道終点近くの駐車場8:20〜35 沢横断付近 9:55〜10:05 大渋滞開始 10:45頃から11:45頃まで(1400m付近より1700m付近まで) 雨飾山頂 (1963m) 12:15〜55 沢横断付近 14:18〜25 登山道入口 15:25〜35 その後、小谷温泉まで車、入湯後はバスで駅まで。 |
登山情報 | 登山道入口付近に大きな駐車場とトイレが完備 |
雨飾山に向かった日は、朝から快晴だった。駅からローカルなバスに乗った登山客は自分の他はあと1組ぐらいしかいなかったと思う。バスで山田旅館の前に到着。ここからは車道を歩くことになる。しばらくの間は、のんびり歩いていたが、暑い日で、アスファルトをテクテク歩いていると後ろから車が追い越して行く。最初のうちは同じ山に行くんだなという感じぐらいだったが、約1時間歩いている間に、ひっきりなしに車に追い抜かれるようになり、排気ガスとホコリに閉口するほどだった。恐らくしまいには、100台以上には抜かれたと思う。(^^;) 正直なところ、ここまででかなりウンザリ!!! 人の脇を通過するのに、避けてくれたり、ゆっくり走行していく車ももちろんあったが、これみよがしに猛スピードで登っていくような輩もいた。登山道入口には立派な駐車場があって、新しいようだった。駐車場には係員がいて、ひっきりなしに来る車をさばくのに大変な大混雑。なんだか、全然自分が想像していた山と違う!! 綺麗なトイレや、ちょっとした案内所みたいな所まで設置されている立派な設備だったような気がする。ここまでの車の排気ガスとホコリを落とすために、顔を洗った記憶がある。 やっと、登山道に入ったら、交通事故の心配がなくなったので少しほっとしたが(苦笑)、今度は多くの人で道は渋滞。家族連れも多く、のんびり歩いている人が多い。自分は、帰りのバスの時間が決まっているので、のんびりほどではなく、普通に歩きたいが、道はそんなには広くないのであまり抜かせない。ぼんやりした記憶だが、最初は湿原みたいな感じの平坦な道で、そのあと、河原に一旦降りるようになる。 ところが、ここの河原に来て愕然! 荒菅沢を横断するのだが、絶好の休み場所になっていて、人がめちゃくちゃ多い!!休む場所を確保するのも大変。でも、ここから見える尾根筋は、遠くから見ても人がずらっ〜〜っと並んでいるのが見える。行列は動いていないような?? 何なんだ〜この行列は!?もしかして進んでいない?! しばし休んだ後で、いよいよ沢を渡って尾根を登り始めたが、10月だが陽射しが暑い。ほんの少し登った辺りから、あれあれあれ???? 渋滞していて全く進めない。これって、何?!?! この年の富士山でご来光の渋滞体験というのはあったけど、富士山ならばある程度覚悟もしているが、まさか、新潟のそこまでメジャーでない山である。最初のうちは、渋滞と言っても、少しは動くだろうと思っていたが、これが、すごいホンモノの渋滞で、ほとんど動かないのだった。快晴で秋の陽射しが暑いぐらいで穏やかな天気ではあったが、単に立っているだけというのはかなり辛い〜〜。イライラ・・・ どう考えても別に困難な道でもなく、先にそのような個所がある予定もなく、謎は深かった。やっと理由がわかったのは大分経ってからのことだった。前方からの情報により、難所とも言えないようなわずかな岩場が1箇所ぐらいある所で、渋滞が発生しているらしい・・・ということだった。そこにおばさん達(と言う言い方は好きではないが、本当に元凶の人達はそうだったという話でした。)が、その難所?に恐怖感からへばりついてしまって動けなくなってしまった・・・・というようなことだった。その日は何組もそういう人達がいたので、そのたびに渋滞が起こっているようだった。さて、自分自身でそこらしき個所を通過したが、どこが難しいのか?本当に首をひねってしまうようなごく普通の個所だった。そこを過ぎるとようやく渋滞が緩和して、やっとゆっくりながらも「歩ける」ようになった。ほぅっ〜〜ヤレヤレ・・・ さて、次に展開した景色が凄かった〜〜。笹平は呼ばれる笹の気持ちのよさそうな平坦な稜線というのか広場みたいな所だが、ありとあらゆる所に、みんな集団でシートを広げて昼食を摂っている・・・・・という光景があったのだった。登山道以外ほとんど足の踏み場もないに近い。。。。恐るべき人数だ。さながら山の上での大昼食会という感じだ。その光景は、東京の高尾山の遠足シーン並だった〜〜!! あちこちに、10人単位とか2〜30人単位の集団が散らばっている凄い人口密度だった。ざっと数百人が山頂の手前の笹の広場にいる感じだった。 「渋滞しないうちに山頂を極めなくてはならない」と思い、山頂に向かう。お弁当を先に食べている大多数の人々はどうやらまだ山頂には行っていないようで、山頂には渋滞しないで登れて本当にほっ〜〜としたものだった。と言っても、結構な人数は既に山頂にいて、写真を撮るのも当然順番待ち。最初のうちはそれでもまあまあの人数だった。日本海が思いのほか近くに見えて、とても嬉しかった。また、金山とか火打山が近くに見えて、普段あまり見慣れない位置から山を見ることができてよかった。紅葉は少し早かったようで色づきは今ひとつだった。雨飾山は二つのピークがあるが、混んできたので、もうひとつのピークに移動する。その頃には、ピークは溢れんばかりの状態になりつつあり、一つのピークにざっと100人ずつ居るような感じだった。押し合いへし合い、ピークから落ちないように気をつけなくちゃなあ〜(^^;) ピークの端で北アルプス方面をまばゆいまでの光りの中で眺めていると、無線でなにやら緊迫した会話が・・・。大腿骨骨折か、どこか足の骨を骨折している人がいて、その団体のリーダクラスが無線でヘリを要請している会話だった。どうやら、この日の混み具合は、大きな団体さんが何組か居たせいもあったようだ。それと、地元テレビ局が数日前に紅葉特集で雨飾山を取り上げた・・・・それが素晴らしかったという話をしている人がいたので、地元の人もかなり多かった条件も重なったようだ。 既にこの時点では、路線バスの帰りの時間には時間的には追い込まれた状態なので、とても残念だか、喧騒の中を下りで渋滞に遭わないように、気分的にはあまりゆったりできずに下山開始。大昼食会状態の混雑の笹平を通過すると、懸案の1本道の登山道だ。さすがに渋滞は無くなっており、登ってくる人がぼつぼつ居る程度。混まないうちにと、ゆっくり降りている人達をごぼう抜きにして降りる。あっけなく、問題の個所を通過。本当に腹立たしいまでの渋滞だったなあと思い返しながら。。。(憮然!!) 調子よく降りていき、あと少しで沢の横断地点。そこでゆっくり休もうと楽しみにしていた所、今度は、レスキューの関係で、沢の横断地点付近で怪我人を待機させていて、ヘリで吊り上げる作戦だという。(他の場所は樹木が茂っているので、河原のここしか広い所はない) しばらく沢の上のあたりの樹林帯で待機して欲しいと拡声器で言われた。怪我人とあっては、これは本当にやむをえないが、何度かのトライの末にやっと吊り上げに成功。それまで暑い樹林の中で待っていたのだった。トホホ〜〜〜 やっと、登山道閉鎖も解かれた。でも、これでは絶対にバスに歩いては間に合わない時間だった。せっかく遠方のここまできているので、小谷温泉にも入りたいし。。。。 紅葉があまりないこともあって、少々焼け気味な気分で歩く。やがて登山道終了。 下山してきていない人がまだ多いが、既に道はやや渋滞が始まっていた!! 近くの鏡池方面からの観光の車もあって、比較的のろのろと車は進む感じだ。こうなったら、とても渋滞の道を歩くのは辛い。歩きながらも時折後ろを振り返って、乗せてくれそうな車を探してはヒッチのサインをする。(^_^)v 全く無視され続ける。自分が山を始めた頃は、比較的山屋同士、余裕があれば乗せてくれたりしたことも多かった。ある種の連帯感みたいな感じかな? でも、既に観光地化した山ではそういうのは全く通用しない・・・・とっても寂しい光景だった。要は、立派な車道があるから、車で来るのが当たり前。車持っていない奴が悪いって事だろう。嫌ならばタクシー呼べということでしょう。 ようやくご夫婦の方の車がやや迷惑そうな?ムードはあったけど、なんとか乗せてもらって山田旅館まで送ってもらった。(感謝) 最終バスが出るまでの僅かな時間に、急いで温泉に浸かった。昔ながらの古い感じのままの温泉だった。めちゃくちゃ暑くて、長く湯船に入れなかったのが残念。 なんだか、あまりにも期待が大きくて、失望も大きかった雨飾山 これを機会に深田100名山を@「登りやすい皆が行きたい良い季節」の A「メジャーなルート」から B「土日祝日に登る」 ことのあまりのひどさを痛感して、絶対にそういう目に二度と遭いたくない。。。。。という気持ちになったのでした。3つの条件が全て揃わなければ、ここまではひどい目には遭わないとは思うのですが、いつまでブームが続くのでしょうか? 個人的にはBは必須条件なので、あとは@の逆に他の人が登りたがらない時期(雪の季節等)に登るか、A皆が登るシーズンでも比較的マイナーなルートから登る、という選択があるかと思いますが、どうなんでしょうか?? それにしても、あまりその時まで100名山人気の凄さを認識していなかった私ですが、本当に認識を新たにした強烈なトホホな体験でした。 ★★恐るべし深田百名山〜〜★★ いつか、静かな雪の季節に雨飾山を再訪することが今の密かな願いです。 (2004年6月17日記) |
中央奥が雨飾山のシンボルの布団菱の岩峰 | 笹平に登るまでの尾根筋は恐怖の大渋滞ひぇ〜〜! |
山頂は二つあるが、溢れそうで大混雑 | 山頂から眺めた笹平は気持ちよさそうだが、実態は大混雑状態 |
日本海が見えるのが嬉しかった | 山頂は記念撮影も順番待ち |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||