第17回 日本山岳耐久レース 

(長谷川恒男CUP)


♪♪♪  いよいよ本番  ♪♪♪


日時、距離など 2009年 10月11日(日)〜12日(月) 午後1時スタート
71.5キロメートル 24時間以内  (関門3箇所、予備関門2箇所の時間制限あり)
参加者 申し込み数 2256名  当日の出走者数 2070名  (女性出走者はそのうち208名)
関門通過者 第1関門 2059名  第2関門 1868名 第3関門  1736名
完走者 1727名  完走率 83.4% (完走数÷出走数)
大会ホームページ http://www.hasetsune.com/index.html
出場資格のこと ・今年は10ポイント制で出場権獲得可能なため、4月に開催されたハセツネ30Kで制限時間内ぎりぎりで出場権獲得 (8ポイント) 参加人数のうち半分はこの制度で出場となり、残り1000名は従来通りのネット申し込みの早い者勝ち(今年はネットの申し込みが3時間以内で締め切られた?らしい)で決まった。
・残り2ポイントは、もともと加入していたJROの保険でクリア。
・ハセツネ30K(第一回)の大会の私の体験記はこちら(序章、1章、2章まであり)からご覧ください。本当にぎりぎり通過で大汗でした。



【スタートまで】

 今年のハセツネは幸いなことに3連休の後半2日間。初日はゆっくり休養。準備をしたり、コースタイムを覚えたり。夜は緊張で眠れないかと思っていた割には、良く眠れた方だった。なるべく自宅で一杯食事をしておきたかったので、9時頃にお雑煮でお餅4つ、アミノバイタル1袋を食べる。電車はハセツネの参加者でかなり混んでいたけど、幸い座れた。隣の人のハイドレーションが噴出して、私のズボンにかなりのスポーツドリンクをぶちまけた人もいた・・・・。大会参加用のズボンでなくてよかった。ふぅ〜〜〜。会場には予定通り11時頃到着。


 リタイアしても電車は夜やっていないので、シュラフやマットも持参。女性更衣室は地域交流センターのビルの2階なので、落ち着いた環境だ。二つある更衣室は既に居心地のよさそうな場所は全て埋まっていたけど、なんとか居場所を作ってヤレヤレ。さらに12時頃には小型バナナ2個と赤飯のおむすび1個とウイダーインゼリー1個、アミノバイタル1袋。さすがにお腹が一杯でしんどいかも?(もともと大食いでない私なので、食べることも大会準備とはいえ・・・苦笑 ) ほどほどのトイレ渋滞が終わると、いよいよ校庭へ。


 12時半からの開会式が既に始まっていた。当然、私は20時間(一番遅い組)のプラカードのかなり後ろで開会式を見学。地元の御岳神社の神主さんで、かつランナーでもある方の選手宣誓とコメントが、マイクの調子が良くなかったせいもあり、絶妙な感じで皆の緊張をほぐしてくださいました。


 それから、以前から私のホームページを良く見てくださってメールを送って頂いていたSさんとも初めてご対面♪ Sさんは私がたまに高尾山と陣馬山の往復ハイキングでトレランもどきをしている山行記録を読んで、もともとは雪山志向だったのが今ではすっかりトレラン大会の常連さんに変身されているようでした。
(もちろん普通の登山も続けていて、以前なら1泊するアルプスの山々も日帰りできるようになったお喜びでした。)Sさんは去年ハセツネは初出場で無事完走されていたので、今回は事前にアドバイスを頂きました。Sさんのお陰で、私もリラックスして助かりました。


 いよいよ、時間になったのでスタートです!まずは校庭内を人の流れに沿って進みます。RCチップなので足元のセンサーを踏みつけて、いよいよレースは開始です★★♪♪


すばらしい晴天のもと、後ろに見える山々にまずは登ります。 トレランの大会って、本当に宣伝が一杯昔はこんなじゃなかったような?
20時間組はゆるい感じでまったりと開会式に参加してます。 既に3分経過。私は4分遅れでスタート時点を通過。ネットタイムも計れる。

★適宜↓のマップをご参照に(クリックで2つとも拡大)

ルートマップ 
(一般コースタイムや関門時間など記載)




断面図: 標高の変化がわかります。











【第1関門 浅間峠まで】

 校門を出るといっせいに皆さん駆け出していく。私はかなり後ろの方なので、ごく軽いジョギング程度。どうせあとで渋滞するので走る必要もあまりないけど、一杯応援してくださっている人達も居る手前、さらに桧原街道は交通規制をして信号を青にしてくれているので、その規制の時間内では通過しなくてはなりません。小和田橋までちょうど5分で、坂道を下る部分があり、そこまでは走ったけどその後は早歩き。Sさんは去年の経験上ほとんど走らない方針のようだった。私が少しジョグしたので、やむを得ず走ったのかな? 


 地元の人の歓迎のアトラクションに励まされながら坂道を登る。このあたりは全員が歩き体制。広徳寺から山道になるが、ほどなく切り開きのあたりで早くも渋滞。Sさんとおしゃべりしながらなので、気持ちもリラックス。道がぬかるんでいて、二手に分かれてゆっくり進む。それが終わると変電所の裏の舗装道路に出る。ここは緩い下りでジョギング。今熊神社に近づくとわずかながら傾斜になるので、予定通り歩き。Sさんの方が歩きが速いので先に行ってもらうことにした。


 ほどなく神社脇に到着。階段状の参道は人は一杯いるけど、早歩きのペースで皆が黙々と進んでいる。けっこう暑くて汗が滴る。このあたりで、明らかに遅い人達が離れていき、まるで昔の自分を見るような気がした。(^^;)参道下からは20分程度で山頂の一角のトイレ前通過。男性トイレは数人が並んでいたけど、女性は誰もいなかった。いよいよ
登山道らしい登山道へ。どうせ入山峠では渋滞するので、そんなに急いで行っても・・・ということで、あくまでも早歩き。そうこうすると、入山峠よりも大分手前の坂道で渋滞(^^;) 早くもです。傾斜がそれなりにきつい所だったせいなのか? また、一般登山者が1名&2名が下山されてきていて、2名は道をはずして藪の中を降りてきてくださっていて、本当に申し訳ない気がした。


 結局、渋滞は14:20〜40分位だったろうか?立って待っているとやや肌寒い感じがしてきたが、再び歩き出すとすぐに暑くなる。入山峠に着くと、これまたびっくり! 行列は車道を左側に降りて50M位下ってから折り返すという折り返し方式になっていた。待っている間に食べ物をせわしそうに食べている人が多い。私はまだ全然お腹は減らないけど、冷たく凍った野菜ジュースをザックから飲み、あとはチョコを数粒食べた。行列は絶えず少しずつ動いているので、私が計測した限りでは5分位の渋滞で済んだ。手前の渋滞を合わせると25分なので、ハセツネ30Kの時の40分に比べると全然許せるレベルた。
ちょうど15時頃に入山峠を離れた。(16時締め切りの予備関門通過。希望的な予定ではあと30分程度早いつもりだったけど、やむなし)


 入山峠の階段を登りきるとオールスポーツの写真撮影がある。余裕があるのもここまでか? トッキリ場までの斜面も渋滞気味で、逆にほっとする。私の前後は女性が多くて、やっぱり女性だとそんなに山は走れない人が多いということか?
峰見通りという名の市道山分岐までがとにかく自分では一番苦手で鬱陶しい。全体に暗めの斜面で風も通らないし、小刻みにアップダウンあっていやらしく感じる。やっと市道分岐に来ると多くのスタッフがいる。女性だけは「女性何番通過」って言われる。ちなみに私は「女性160番目」と言われた。16:19頃通過。一旦下り気味でようやく気持ちが良い感じがする。醍醐丸は一旦下ってからの急な登り。下見の時よりは少し楽に登れて、山頂の応援の声がずっと下まで聞こえていたので、とっても励まされた。


 醍醐丸で17:12から5分程度休憩。 スタッフが「ここからは楽しいよ〜!」って盛んに大きな声で励ましていたけど、ここからはルートが大らかな感じで気持ち良い部分が多くなってくる。冷たい野菜ジュースを飲んでリフレッシュ。ここまで全く休んでなかったので、ベンチに腰をかけるだけでほっとする。ヘッドライトと腰ライトを準備しておく。栗大福2個ぐらいを食べる。正面に明日登る予定の大岳山が見えた。本当は夕暮れのキレイな景色なんだけど、余裕を持って見ている暇がないのが残念。


 醍醐丸から三国山までは概ね登りだが、あまり急でもないのでひたすら距離を稼ぐ感じだ。醍醐丸を出て20分位だろうか? 少し早めにヘッデンだけ点けてみる。その後本格的に暗くなってから、腰ライトもつける。相当に明るい。だけど、腰ライトはぐらつくのが難点。三国山まではコースタイム2時間だが、早歩きで1時間10分ぐらいの18:24頃到着。ベンチに座って5分ほど休憩。珍しく開けた場所だ。相模湖方面の夜景を少し見る。トイレも少し行きたくなってきたが、まずは第一関門まで我慢する。やっと下りが多くなってきて楽しい。ただ、大会が始まって2時間としないうちに左膝にやや違和感が出ているので、厳重にガンガン下るのは禁止。このまま違和感ぐらいで済ませて、痛みにつながらないことを祈る。


 軍太刀神社前を通過する際には、軽く礼をしてから通過。熊倉山で僅かに登ってから、待望の第一関門まで下りなので小走り。人のざわめきの声を聞いてほっとする。浅間峠一帯がライトでかなり明るいので、以前の記憶が少しよみがえってきた。今回は余裕の 19時台
(2010年10月8日訂正:1年後に見直したら間違えてました ^^; )18時台の到着でまずは第一関門のセンサーを踏んでほっとした。




一番最初の渋滞  入山峠の恒例の渋滞 Sさんが数人先に先行してます。
     珍しく走っているシーン photo by (C)allsports.jp    奥多摩の山々をこれから左回りで大きくぐるりと巡っていきます。後半に通過予定の大岳山が正面に見えているけど、あまりにも遠すぎて実感がわきません。



【第2関門 月夜見山第二駐車場まで】

 浅間峠はかなりの人でごった返していた。まずは、トイレが行きたくてたまらなかったので左手のやや下の斜面に設置されたトイレに直行したが、トイレテント前は長蛇の列。男性が左側、女性が右側で1つずつ。男性も4、5人並んでいたが、女性はずら〜〜〜〜と、7,8名? 数人前に並んでいる人達から「とにかく10分間全く進んでいない!!!!」という悲痛な嘆きが聞こえた。確かに、私が並び始めてから5分ぐらいはまるで進まず。トイレが1つしかないと、体調を壊した人が長時間占領してしまうと悲惨な結果となってしまう。やっと10分位経過してから少し進み始める。


 その間に寒くなってきたので長袖のシャツを着て、汗で濡れた手拭を交換して新しいのを首にマフラー代わりに巻いたら暖かい。栗大福やアミノバイタル、チョコなどを補給。冷たい野菜ジュースもあまり氷が溶けていないで、ポカリで薄めて氷が溶けるようにする。さらに左膝にテーピングをする。やっと20分ほど待ってトイレに入れてほっとした。トイレを済ませてようやく本当の休憩の気分だったが、時間が経ち過ぎているので、少しだけ休んでストックを準備して20時前にはスタート。結局、ここの休憩は30分ほどで、レース中最長のものだった。



 ダブルストックを手にして歩き出すと、元気一杯!って感じで、今まで多少ヨレて登っていた道をガンガン登れる気分になった。さすが、ダブルストック効果♪ このあたりからは眠そうに道の両脇に寝ている人が登場し始めた。コツコツと歩き進めて、土俵岳には40分位で通過、笛吹峠には1時間半程度で到着。ここで5分ほど休憩と補給。ついついもっと休みたくなるところだが、「5分以上休んじゃ体が冷えちゃうよ」と優しく年配のスタッフが声をかけてくれた。本当にそうなので、心を鬼にして立ち上がる。


 笹尾根は緩やかで平坦なので走れる人は本当に走れるんだろうけど、夜道は走るほどのパワーは自分になく。
私の場合はほとんど一人旅で真っ暗な状態で歩くことが多かった。たまに2名連れや数人グループなどに遭遇するが、必ず引き離されるか、追い抜くか。同じ歩調で歩くというのがほとんどなかった。後で終わってから分析すると、自分の身長では歩幅が狭いので一生懸命の早歩きで日本人男性の平均身長170センチ前後の方達の普通ウォーキングと同じぐらい。自分が小走りになると、やっと男性の早歩きぐらい。私の順位ぐらいだと、男性は早歩きをしている人が多いので、自分は小走りしていないので追い抜かれる・・・ということです。普通に歩いている場合は疲れているので、そうなると私が追い抜くことができるということになり、結局は他の人とは歩調が合わず、だから一人旅でした。時折、集団で歩いているのを見かけて後ろにつくと、ほんとに楽。ライトってこんなに偉大なものなのか!って、つくづくと思う。最初からグループ行動している人達もいて、しっかり女性をガードしているみたいなのもみかけた。レースって、自分の力でやるもんだと思うけど、これでは団体戦か?団体別の順位というのもあるから、そういう参加の仕方もあるのかもしれないけど???


 やっと西原峠に到着。ここはブルーシートが敷いてあり、休めるようになっていた。簡易のトイレもあり、ここならば待ち時間ゼロでは入れたのにな・・・・
(私は利用せず)。ここまでがんばったお陰で、当初予定の22時30分の目標をクリア。ここでも軽く食料補給。8分ほど休んで出発。


 三頭山までは本格的な苦しい登りだ!と覚悟して望んだが、いつものペースぐらいで進み、三頭の大滝への下山道が現れて、もう少しがんばって登って下るとあっけなく三頭山の避難小屋前に到着。ここでまたトイレ渋滞で、男女4名位が順番待ち。10分ほどで入れた。トイペありでラッキー。小屋の外のベンチで少し食料補給。避難小屋にたまたま?宴会目的に泊まりに来ていた方と少し談笑。さぞやこの大会の大騒ぎにびっくりなことでしょう。右膝の方にも予防的にテーピングを巻いた。結局15分位で出発。ここから先は8月に下見に来たところだ。
(浅間峠からここまでの笹尾根は2005年に歩いたきりなので、ほとんど記憶は曖昧だった)
 ダブルストックを使って、かつ涼しくて快適なので、8月に不快指数200%位の暑い中を登った時よりも楽に感じたぐらいだった。


 スタッフの「山頂です」という大きな声が下からも聞こえており、ライトで明るい山頂に到着。ちょうど目標時間の0時よりも5分ほど遅れただけなので、自分としては良い調子だ。写真だけ撮ってもらい、そのまま休むことなく鞘口峠へ。
下りは数珠繋ぎのまるで大パーティーのように連なって行動するようになる。急下降なのでスピードが遅いのだ。私はそれの最後部付近。久しぶりに大人数で明るい夜道を歩くと本当に神経が楽である。るんるん♪♪って鼻歌ぐらいの気分。たまたま前を歩く方が50代男性が山屋さんで、何度か参加されていて、「この前、槍ヶ岳を日帰り登山してきたけど、ハセツネの方がアップダウンがあるから何倍も大変だ。」とおっしゃっていた。私は槍ヶ岳は山スキーで行けば下りが楽なんで、いまや歩いて下る気がなくなったとか・・・・そんな話をして気を紛らわせた。今にして思うと10名近くが行列したのは夜ではこの時だけなので、明るいことがどんなに楽なのかということが実感できた貴重な体験だった。


 見晴らし小屋まで降りると、前に居たゆっくり集団がほぼ全員休憩に入った。そのまま続けて行動したのは、少し前にいた一人と私だけ。前の人のリズムに少し離れた位置でくっついて降りるような感じで歩き続ける。夏に来た時もコースタイムぐらいかかったが、今回も同じぐらい。380m位下る急下降で、鞘口峠が本当に遠くて、遠くて・・・・、やっと峠に到着。スタッフが3名位いた。通過していく選手が多かったが、疲れてテラスのような位置にあるベンチで8分程度休憩。その後はアップダウンが多い道で、尾根の左側の巻道を通るが、昼間見た記憶では左に踏み外したら結構さりげなく危ない箇所が多い。疲れてきているので要注意である。



 まだか、まだかと風張峠が現れず。ここかな?って思うような場所はあったが、道標を見落としてしまったようだ。そのうち車道に出ることがあり、既に通過したことが判明。係員も誘導しており、点滅灯もしっかりしているので、車道と山道の出たり入ったりはわかりやすかった。月夜見山は僅かな登りのはずだったが、暗い山道で案外山頂が高い位置に感じた。やっと登りきるとこれであと僅かで第二関門。


 第二関門は車道に出て、右に行くよう誘導される。ストックをつきながら車道を200mぐらい進むと、駐車場の入り口の所にセンサーマットありで、ここでしっかりピーっと踏んで無事に第二関門に午前2時少し過ぎに到着。第二関門の制限時間は午前4時なので、あと2時間あまりの余裕があって、ほっとする。



ヘッドライトと左腰のライト見えるかな?
          
photo by (C)allsports.jp
三頭山山頂に到着 ほぼ中間地点
             第二関門の水の補給所。
     参加者は色々光る素材を身につけているので写真で撮ると面白い。



        
      
   
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