【3日目 4月30日】
なんか、昼間の緊張と興奮で夜はあまり寝付けなかった。朝は皆がご来光をのぞもうと外に出ているのに、自分は部屋の中からでもご来光を拝めるのでお布団の中でぐずぐずとしていた。槍ヶ岳の右端ぐらいから朝陽を拝む。山スキーは雪が緩んでくるのを待たないと滑れないので、朝がゆっくりというのは助かる。既に下山開始した人や暗いうちからろくな装備も持たずに槍の穂先に登っているとんでもないカップルなどもいて
(←その内容は既にブログで紹介済み)、人間模様を見ているだけでも結構退屈しない。


朝にテレマーカーのKさん、四国のOさんと今日のスケジュールを打ち合わせする。雪が緩む頃に1本槍沢上部を軽く滑ってから、飛騨沢にはその後に行くことにする。飛騨沢の方が雪が緩む時間が遅いので、時間調整も兼ねて私は槍沢2本目です。荷物を小屋にデポして、待ちきれないように7時半頃に槍沢斜面に向かう。


風がなく穏やかなコンディションだが、まだ雪はあまり緩んでない? 最初は昨日と同じくツボ足登山道よりも槍ヶ岳側で滑ってみることにする。ゆるゆると軽く滑り出したが、これがかなり硬め・・・・・ 斜度もあるのでアイスバーンで手強い。おっととっと・・・ってな感じで1,2ターンでストップ。Kさんが試しに小屋に近いほうの斜面に向かってみる。斜滑降であまり斜度を落とさないように移動。すると、雪がこちらは緩んでいて最高な条件!! Kさんの滑りをデジカメで動画撮影♪ いや〜気持ち良さそうにテレマークターンが決まってます! 自分も続いて滑るが、気持ちのよい朝の1本でした \(^〇^)V  僅かな斜面の違いでこんなに滑りやすいとは目からウロコです。O氏の滑りは初めて見るが、さすがに四国から来るだけのスキー大好きな方らしく綺麗にターンが決まってお上手です。刺激されます。


さて、お楽しみのあとは登り返しが待ってます。既に暑くなってきた斜面をスキーを担いでおっちら、こっちらと登り返します。暑い・・・・・ 標高差でせいぜい200m位なんだけど今回の山行でこの斜面は3回目の登りだと思うと我ながら呆れます。(苦笑)




夜明け前 日の出
大喰岳のモルゲンロート  裏銀方面
槍ヶ岳山荘前で記念撮影  朝一の滑りはそれなりに緊張で斜面を観察してます (pyoto by Oさん)
     快適な滑り♪  (pyoto by Kさん)     満足感で思わず万歳\(^〇^)/ (pyoto by Kさん)


全員揃ってから今後の予定を打ち合わせする。飛騨沢は北斜面なのでもう少し時間が後の方がよいかもしれないけど、下山も長い距離なのであまりゆっくりもできません。10時位に滑走開始予定になるようにします。圧倒的に美しい槍ヶ岳に名残を惜しみながら飛騨沢乗越に向かう。スキーを担いでアイゼンを履いてきたけど、やはり稜線なので硬いです。気をつけて歩きます。


飛騨乗越に到着すると、既に先行が3パーティーぐらい居た。板をどこで履くのか思案するようなアイシーな状況。いつもここは風が強いからこんなもんなんだろうけど。恐る恐るアイゼンからスキーに履き替えていたところ、別パーティーの1名がカリカリと音を立てて滑落。すぐに止まったけど、やっぱりかなり硬い。そう言ってもあまり長く居る場所ではないし、お天気も良いので少し下に行けば雪面も緩くなるだろう。 


既に先行して2パーティー位が滑り始めている。それにしてもすごく広い斜面だ!飛騨沢側は全く来たことないので、すごく新鮮な景色だ。待望の滑走だが、まずはKさんが先行して滑る。テレマークはアイスバーンはスキー以上に神経を使うようで短くまずは滑って「硬い!」の一言。私も続いて滑るが、アイスバーンにやられないように慎重な滑り。思っていたような爽快な感じというよりも、まずは硬い斜面でこけないように1ターンずつ、かなりシュテムっぽい滑りで無難に滑る。いつも使っているバンディットの板とフリーライドのビンディングの組み合わせならばしっかり足元がキープされるが、山板のTRABだとふにゃふにゃしている感じで、バタツキ感がかなりある。槍沢に比べると緩いので斜度からくるプレッシャーはない。2、3回止まりながら滑って行くとアイスパーンも緩くなってきた。左側にシュプールのない綺麗な斜面がある。そちらに行ってみることにする。Kさん先頭で行くと、すぐに「パウダーって!」って声が聞こえて、私も滑りながら絶叫マシーンと化した。短いながらもパウダーウハウハで笑いが止まらない\(^〇^)/ あっという間に斜面は岩が前にあったので、避ける必要があるので中央に戻り、それから右に行く。(中央付近は硬い感じがした) 右に行った付近で痛恨の転倒。転倒箇所はかなり緩い場所だったのですぐに止まった。3人で動画を撮りあいながら、丁寧に楽しみながら滑る。


中崎尾根の近くにくると、バックに穂高も見えて良いロケーション。冬山登山だと中崎尾根から槍ヶ岳を目指すのがポピュラーなので、そういう意味で私はもっと高い位置に尾根があるかと思っていたら、案外沢のすぐ上の尾根だったので意外だった。ここで大きく左カーブを切ると、飛騨沢大斜面からさようなら。あとは沢沿いのやや細めの斜面だが、しばらくすると第二のお楽しみで斜度が緩いものの、なんか癒し系の樹林が点在するまったりした風景をまったり滑りでとても気に入りました! なんせ、穂高連峰を終始正面に見ながらの滑りはムード満点♪ そんななかに槍平小屋を発見。陽射しが強くて暑いので、わずかな木陰で昼食を軽くとる。それにしても暑すぎ!


英気を養ったあとには、僅かな登りが待っている。それなりに疲れているのでバテバテ・・・・。このあたりから、概ね樹林帯の中を進んだり、デブリ畑やデブリ山を通過していくことがたびたび。滝谷やチビ谷出合などでは穂高稜線が遥かに高い位置にあるのが見える。全体にトレースがあるものの、乗り越えはそれなりに大変。樹林が倒れていたりすると、くぐったり、板を1箇所は外したかな。樹に激突しそうだったり、沢に転落しそうな箇所も多々。滑走では大分前を先行していた若者パーティ-(だったかな?)を途中で追い抜く。幾つかルートを取れるような場所が登場してきて、川沿いに進んでいった。途中で恐らくここで左に上がればよかったのに、私が「こっちの川沿いにもトレースありますよ」なんてKさんに言ったので、その通りに進んだところ、白出沢の箇所でいきなりガレ場に突入。(スイマセンでした)他の3パーティー?も辿ってきたルート自体は微妙に違うものの、みなこの雪の踏み抜き多発の河原できょろきょろ??? 右下の沢沿いに行けないかとKさんが偵察してくださったが、この先は沢に落ち込んでいるのでムリ。標高で約100mほど下りすぎたようだ。地図とGPSなどで確認。スキーを担いでとにかく上に上がれば着くだろう。雪はつぼつぼと股まで踏み抜くようなシーンもあったけど、なんとか道なき道の樹林帯を登る。スキー担ぐのは辛いなあ・・・・とかなりぼてぼてしていたら、なんとツボ足の女性登山者が後ろのOさんに声をかけてきた。スキーのシュプールなどに惑わされて2時間近く?この付近を彷徨っていたそうで・・・・・私達を見つけて本当に喜んでいた。やっと白出小屋の林道に到着した時には思わず助かった!って思っちゃった。(苦笑)


しばし休憩してから、もう少しスキーを使えそうなので林道滑走。正規ルートで来ていた外人さん&日本人パーティーなどは我々が変な所から登場したので?って顔してました。林道はゆるゆると下れるので本当に楽チン。ぎりぎり雪の残っている場所までスキーで行き、そこから担ぎにする。靴もジョギングシューズに替えた。重たいけど足が軽くなって嬉しい。Kさんは車を比較的下の駐車場に止めていたので、先に行って取ってきてくださるというので速攻で先に下山。疲れていたけど、とっても満足満足♪♪ 無事に林道歩きを終えて、新穂高温泉のバス停ターミナルで下山となりました。O氏とは流れ解散となりました。


その後、ひらゆ温泉でお風呂に入って、ちば山の会の本隊(太郎平ベースの薬師岳周遊隊)と合流。以前にもお会いしたことのあるメンバーも居て、しばし歓談。GWで松本の渋滞にひっかかってしまうと最終の特急あずさに乗れないと困るので、新島々の駅に降ろしていただき、かなりぎりぎりで松本駅のホームを駆け上がって最終あずさに飛び乗って無事に帰宅の途につきました。


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今回の記録は、すぐに書くことができなくて、特に飛騨沢滑走の3日目はなんと11月に書いている次第(大汗)
自分があまりにも満足しすぎたので、すぐに書くと、とりとめなく異常に長くなりそうな気分だったので、大分冷静になった今頃書いた次第です。(それでも充分に長いかも?) 初日の横尾から先の樹林帯の雪のシンシンと降る中の登りも楽しかったし、2日目の素晴らしい青空のもとの槍沢のシール登り、そして大変スリリングでちと厳しかった槍ヶ岳の登頂シーンと達成感、登山者注目の?槍沢滑走、3日目の豪快な飛騨沢滑走とそれぞれが素敵な凝縮した3日間でした。もともと山屋なんで、滑るだけじゃなくて、やっぱり登頂にはある程度こだわりたいなあ・・・って部分でも大満足な私でした。3日目はもともとは単独で滑るつもりだったので、このルートは夏山も歩いたことなかったので、実は心細く思っていたのですが、お二人の頼もしい方とご一緒できて大変感謝しております。一人で滑るのも楽しいけど、一緒に滑るのもまたとても楽しいものです。


槍沢滑り&登り 7:30頃〜8:50? 槍ヶ岳山荘発  9:45頃 飛騨乗越から滑走 10:00頃
槍平小屋 11:20〜50頃 白出沢付近迷い 13時過ぎより 白出小屋前林道戻り 14:10頃
新穂高温泉バス停  15:35




飛騨沢上部 他パーティーも続々と滑走してます。
このあたりがパウダーだった当たりの斜面♪
よりどりみどりの広〜〜い飛騨沢 

そろそろ上部快適斜面も終了。(pyoto by Oさん)  Kさんと私  (pyoto by Oさん)
笠ヶ岳を正面にみての滑走。中央下部が中崎尾根
飛騨沢上部の斜面よ、さようなら \(^〇^)/~~~~~~~~



左カーブの先はこんな凹状の感じの沢  Oさんの滑り
Kさんのテレマークが決まってます♪  Kさんの滑り
まったり滑りで私のお気に入り♪ (pyoto by Kさん)
何も言うことはありませんキッパリ ! 穂高の雄姿を見ながら満足な滑り


槍平小屋で休憩  倒木またいだりのフィールドアスレッチック状態 別パーティー (pyoto by Kさん)
たぶん滝谷出合? 沢に転落しないように・・・こんなシーンが当たり前にあるのが山スキーの世界


               



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