雪倉岳&金山沢〜蓮華温泉ベースで極楽気分〜



今年の冬は記録的な大雪で、各地で雪崩の事故が多発。連休に入った5月1日にも針の木雪渓で犠牲者の出る大雪崩の事故が発生。当初は、白馬岳から柳又源頭〜雪倉岳〜蓮華温泉〜金山沢の白馬周回コースを考えていたが、針の木雪渓で雪崩れるぐらいならば、まだ雪が落ちきっていない白馬雪渓は恐いと思い、より安全な栂池経由で雪倉岳に変更。直前に、友人のよっちゃん&ひーちゃんご夫妻がほぼ同じようなコースを考えていることがわかり、急遽白馬駅で待ち合わせることにした。



 山域 / 形態 北アルプス / 山スキー
メンバー 自称 青空山岳会のよっちゃん&ひーちゃん夫妻、 MINMIN
 行  程
2006年5月2日(火)
新宿発 ムーンライト信州

5月3日(水)
白馬駅〜栂池高原 ゴンドラ&ロープウエイ  
天狗原〜白馬乗鞍岳(2436.7m)〜天狗の庭経由 蓮華温泉(約1460m)泊

5月4日(木)
雪倉岳(2610.9m) ピストン  蓮華温泉泊

5月5日(金)
蓮華温泉〜天狗の庭経由〜船越の頭ドロップ地点〜金山沢〜猿倉〜白馬駅

登山情報
登山届けはJR白馬駅で提出
●栂池ロープウエイに乗るためには、登山届けを出さないとチケットを販売してくれないので、ここでも出す再度提出する羽目になった。
●栂池ロープウエイ終着駅では、登山者向けにレクチャーが有り。これを10分程度聞かないと入山できない。
(遭難騒ぎが多発しており、かなり地元はナーバスになっているようだ。)





夜行のムーンライト信州は白馬駅に5時38分に到着したが、栂池のゴンドラは朝8時からしか動かないので、ゆっくりと白馬の駅で準備。よっちゃん夫妻は帰りは栂池に車を取りに戻り、帰りの道も自分の家とは方角が違うので、自分は列車で戻ることはほぼ確実なので、ここでアプローチシューズとスキーケースを駅のロッカーにデポ。朝食を摂ったりしていたら予定よりも早く迎えに来てくれた。


ご夫妻は前半のGWに爺が岳などを滑っており、一旦家に戻ってから、昨日の夜から信濃大町付近の道の駅で先に現地入りしていた。栂池までの道すがら、近況などの話で盛り上がる。ご夫妻は、私のヨーロッパ登山のノウハウのお師匠さんだ。栂池の駐車場はまだまだ空いていて、ゴンドラ乗り場も列ができていなかった。ここでも十分ゆっくり準備して、いざ8時ちょっと前になったので列に向かう。山に向かう人ばっかりだが、その列に3月に茂倉谷で途中でお会いしたちば山の会のメンバーも登場。ご挨拶などして再会を喜ぶ。HPのリンク仲間の福井の山スキー界の大御所のYAMADAさんも白馬雪渓経由を辞めて栂池経由にしたとの情報も入り、なんだかとっても色々な人に会いそう♪ きむひろさんかっきーさんペアは予定通り白馬雪渓に向かうとのこと。


ゴンドラとロープウエイを乗り継ぐが、その間の通路がわざわざ雪が除雪してあった、大谷の雪の回廊みたいで雪壁は5m以上あるようで、恐らく観光客に喜んでもらうための趣向だと思うけど、既にシールを貼ってしまっていたので、辛うじて残っているある雪を拾って歩いたので、参った〜〜。板外して歩けばよかった。栂池ロープウエイ駅の山頂駅では遭難対策委員の注意事項などを約10分間聞き、その上でやっと入山許可となる。人が多い割には、順調に9時半ごろに出発。


歩き出すと完全な無風状態で、灼熱の太陽と青空で暑い、暑い、暑い・・・・・。緩やかに登って行くけど、ここはゲレンデか?っていうほど人が多い。3年前の4月にゴンドラ駅の終点からここを登ってきたときには、晴れてはいたけど強烈な風が吹いていて、随分印象が違う。特に天狗原まではヘリスキーもやっている位メジャーなコースだし、普通のゲレンデスキーの本でもバックカントリー入門と称してこの界隈を特集しているのを見るから、ちょっと年齢層も若いし、おしゃれな?エリアって感じかな。


やっと標高が少し上がって風が抜ける辺りまできたら涼しくなってほっとした。よっちゃんもひーちゃんもペースが結構よくて、先にどんどん登っていってしまう。自分は昨日の夜行列車で大学生9名のグループが自分の席の真後ろで夜中まで騒いでいて、ほとんど眠れず、睡眠は実質1時間ほどの状態なので、体のキレは全くなし(いつもないけどね 苦笑)
 

天狗原の祠の前にたどり着く前に、休憩。朝からの行列もここまで来ると、少しばらけてきた。白馬岳の杓子岳へ向かう方面の稜線付近から大規模な雪崩が発生しているのを発見。やっぱ、こっちにして安心?だ。天狗原の祠に挨拶してから、白馬乗鞍岳に登る。見た目よりは登り易くて、シールで登れってほっとした。早くも滑り降りている人をうとっり眺めたり、のんびりペースだ。白馬乗鞍岳には随分前に1度夏に来たことがあるが、こんな岩ばっかの山頂だったんだ・・・・。見晴らしのよい所で昼食。この頃にはヘリが2、3台位到着していて、そこからハイクアップしてきた若者なども居て、シールで登る仕組みがわからなくて私に尋ねて来た者までいて、人物観察などしていたら退屈しないぐらい雑多な人が登ったり滑ったりしているのが面白い。


この日は白馬三山はもちろんのこと、妙高・火打・焼山あたりや高妻山・戸隠、雨飾山あたりの山々が綺麗に見えていた。日本海方面に出来ていた雲海も綺麗だった。たっぷり休憩してから、ゴロゴロの山頂を板をザックにくくりつけて白馬乗鞍岳山頂を目指す。僅かな距離だが、兼用靴で岩交じりの道は歩きにくい。ケルンの山頂まで来ると、最終日に登る船越ノ頭や小蓮華への稜線が綺麗に見える。目指す白馬大池にはどうやって歩いて行こうかと思っていたら、2、3人向かっている。雪が出てくるまでスキーを担いて適当に下り、シールを付けたまましばし滑走。そのまま白馬大池の池の上か湖畔のあたりに相当するであろう雪原を進む。わずかに小屋の先端らしきポールが出ているので、たぶんこれが小屋の上だろう・・・(恐るべき積雪量だ)


シールでしばらく歩いていると、どんどん後ろから人がやってくる。でも、白馬乗鞍岳までの混雑に比べれば100分の1位。ようやく普通の山の感覚に近づいてきた。やっと、小用をどっかでしようと物色。しめしめ、ここの岩影でしようなどと思っていて、小休止。ついでにシールも外しちゃいましょう・・・・などとしゃべっていたら、突然声をかけられた。「MINMINさんでしょ?」というので、びっくり♪♪ 黄色のウエアでわかったというが、YAMADAさんだった。使いこんだザックにいかにもベテランのこなれた恰好の感じの方で、嬉しくなってしまう。(あートイレしているところを見られなくて済んでよかった〜〜 苦笑) ご挨拶をして、事情を話して先に行ってもらった。


やれやれ、やっとトイレを済ませてシールを剥がして準備OK。YAMADAさん曰く、あともう少し先が滑走開始地点なんですよ・・・ということだったので、そこまで歩きモードで進んで行くと、ちょうと一行メンバーもシールを剥がし終わってぼちぼちスタートの頃だったようで合流。福井ぶなの木山の会の男性7名で、アルペンとテレマークのミックス隊だ。ビデオを構えている方(秀さん)もいて、緊張しちゃうなあ・・・・。皆さんすごく上手で、目に保養なんです!自分は、唯一この山行で、この時コケてしまいました(苦笑)ここからの下りはガイドブックを読んできた限りでは、ブッシュとか出ているわかりにくいルートかと思っていたのだけど、今年が雪が多いせいもあって、すっきりとしたルートで、割とわかりやすかった。「いかにも滑って行きたくなる谷」というのは降りて行っては行けないので、ここをやり過ごすように斜滑降でパスすると、ほどなく蓮華温泉が真下に見える地点に到着。



                                                 ★今回のレポ写真にはよっちゃんとYAMADAさん提供の写真を含みます。

 

栂池から天狗原に向かう行列 天狗原付近から白馬  手前の雪庇も注目
天狗原からこれから登る白馬乗鞍岳をバックに。登る坂も人の行列 白馬乗鞍岳のケルンとバックは船越ノ頭。最終日はここから向こう側に滑走予定
白馬乗鞍岳から妙高&火打山&焼山方面を臨む。たぶん左端が雨飾山? 白馬乗鞍岳山頂
ここは白馬大池の池の上。最終日は上の稜線を右から左に登る予定 福井のYAMADAさんとご対面♪
中央が雪倉岳、右端が朝日岳  天狗の庭付近の斜面はごきげんなるんるん斜面




さて、いよいよ滑降モードです。ここで、YAMADAさんが「谷ルートと尾根ルートに分かれて滑りましょ」というので、ふむふむ、どっちにしようかなあ〜?普通のガイドブックのルートは尾根ルートのようだけど、谷ルートは急斜面が割りと好きな自分にはちょっとソソラレルものがありました。とっても美味しそうな斜面で誰も滑っていないみたいだ。雪質もザラメで、やっぱ谷ルートを滑ろう♪ テレマーク隊は最初から尾根ルート方面に進んだようだ。YAMADAさんは、ショートターンで決めてがんがん突っ込んで行き、わたしはしばし見学。他に2名谷ルートを先行するが、皆さんとっても上手い。よっちゃんはこっちに滑りに行きたそうだったが、ひーちゃんが安全な尾根ルートを選びたいので愛妻家のよっちゃんはやっぱり、後ろ髪を引かれるように尾根ルートに行くことになった。


谷ルートはダイレクトまで行くと雪崩の危険もあって危ないので、適度な場所で右の尾根に逃げるのが正解のようで、先行の皆さんについていく。ややきつい斜面だけど、35度はないだろう?安全パイでやや右にルートを大きく取ったので楽勝で、しばらくターンを楽しむ。途中から真っ直ぐ滑って右の尾根筋に切り上げるような所で、あれあれ、左に行き過ぎちゃいましたぁ〜〜〜。谷筋がこのあたりから狭まっきて、斜度も増してくる辺りで、ターンが左に出来ません(苦笑) 急斜面すぎて、恐くてキックターンもできないので参ったなあ・・・・・。停止したので、ここはバックオ〜ライ、バックオ〜ライ♪ 1m位のバックでは足りなくて、冷や汗かいて、3m位バックして、なんとか左ターンをして、やっとこ右の方に向いてそのまま斜滑降でぶっ飛んで先行者のいる隣の斜面に合流。途中のギャップで飛ばされかかったけど、転倒せずにヤレヤレ・・・・。


ここで、YAMADAさんが尾根ルートに行った人が中途半端な形で危なそうな斜面にいるのを発見。「尾根に戻れ」とサインします。笛を吹いたりして合図を仲間に送ってます。ちょうどよっちゃんとひーちゃんはもっと安全だけど、やっぱりこちらから見てもしや・・・の場所に居たので、万一右手に降りてくると危ないので、私は必死の大声で叫びました「右は駄目、左に行って!!」あらん限りの大声とジェスチャーで呼びかけました。彼らは反応して、その後は尾根筋のこちらから見えない斜面に行ったようでほっ〜〜と一息。他のパーティーのメンバーの動向が気になりますが、しばし滑走を楽しみます。


次の斜面は、気持ちよく直線的に降りている斜面で、めいめいが気分よく滑降。荒れていない斜面はやっぱ気持ちいいなあ〜♪ 春の陽気の中を滑るのは気分は最高です \(^〇^)/ 


メインの沢筋と合流する辺りで皆バラバラと上の斜面を凝視してます。どうやら、YAMADAさんのお仲間の1名がまずいことになっているようです。私もたぶん大丈夫と思うけど、よっちゃんとひーちゃんがまだ姿が尾根から降りていないのでどきどきします。しばらく待っていたけど、待っているメンバーの一名がより遠い場所からの方が問題箇所がよく見えるので滑走していきます。ずっと目を凝らして見ていると、大分してから先ほどの方の近くに2名が滑り降りてきたようです。私もどきどきしながら、降りていきました。


近づくと、よっちゃんとひーちゃんであることが判明。あ〜〜よかった・・・・。私の声が聞こえたので、見晴らしの良い尾根を楽しみながら滑ってきたということです。この地点から見ると、2名が付近で立ち往生しているように見えます。左の1名は大分経ってからなんとか登り返すような感じで僅かずつ上に登っているようです。右の1名は動いているようでなくて、どうなっているのでしょう・・・・・  


しばらくの間待っておりましたが、お仲間が6名もいるので、気になりながらも蓮華温泉にひと滑り。蓮華温泉はよっちゃん夫妻は以前来た事があったようだけど、私は初めて。夏ならば車で来れる所なので、設備は普通の山小屋よりもよろしいようです。


2時半ぐらいだったので、まだまだ空いていて、最初は私ら3名で部屋を独占。まずは部屋で早速お布団など早々に敷いてしまって、まったりです。その後待望のお風呂に浸かりに行きました。ここは上がり湯が無いのがネックですが、何よりも山スキーと温泉の二大お楽しみがついていれば言うことないです♪


温泉に入って部屋に戻ると、関西から来た3名組の男性が同室だった。しばらく昼寝してたら、夕食の時間だ。この日は2回転半の交代制で、私らは後でゆっくりと食事した。食べ過ぎてお腹が一杯。YAMADAさん達のその後は、滝に1名転落で、スキー板とストックを紛失。腰と首など強打しており、明日はなんとか歩い下山させなくては・・・と頭を悩ませていた。その後、我々3名がYAMADAさん達の部屋に遊びに行くと、HPを拝見したことのある和歌山のOBAさんとそのお仲間も居て、しばし山談義。皆さん山スキー歴が20数年というような大ベテランさんばかりで、大変良い話を伺った。消灯が9時なので、もっとお話ししたかったけど、その後もう一風呂浴びてお休みなさい〜。


栂池ロープウエイ駅出発9:28 休憩 10:18頃より少し 白馬乗鞍岳の一角11:45〜12:30
白馬大池先13:15頃休憩 蓮華温泉 14:30頃



下に蓮華温泉の赤い屋根が見える。滑り出しはこんな感じで覗き込む風 左が尾根ルート。右が谷ルート
一旦下がった所から振り向いて。青空が眩しい。上にいるのがよっちゃん 左の写真のつづきはこんな所を滑って、スキーヤーズライトの斜面にトラバース
上の写真撮った所から次はこんな斜面を滑って、右の写真のようになります こっち側の斜面に移るのに方向転換するのが大変だった。
先行者は絶妙なライン取りでいたく感心する!
ここからはご機嫌な斜面が広がっていた♪ MINMIN滑ってます♪
よっちゃん達の滑った尾根ルート。景色のよいご機嫌なルート。 蓮華温泉ロッジの泊まった部屋から見た朝日岳。
赤が谷のライン。青が滝に滑落したライン。(YAMADAさん解説。写真は翌日撮影のものを使用) 緑色が尾根の滑走ライン(YAMADAさん解説。写真は翌日撮影のものを使用)




2日目につづく





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