【第3日目 5月1日】

今日も快晴、朝の景色を楽しみに朝風呂に行く。肌に優しい白濁の湯がとっても素敵な温泉である。温度も2種類あって楽しめる。1度体験したらやめられません!今日は雲海が綺麗に眼下にあって、いい感じの景色だった。朝食はバイキングでたっぷり食べて満腹、満腹。(どうも、ストイックな山行している人から見れば、何たる堕落?) 年に何度もない贅沢だから、立山的な楽しみ方もたまにはいいものである。


今日は、MINMINの山友達もご推奨の予定の「大走りルート」に行く。真砂岳稜線に直登するルートで、夏山ではエスケープ的な下山道というイメージだ。宿から少し上がった所でスキーを付けて昨日見つけておいた美味しい斜面を滑走。あまりの快適さに感激。シュプールわずかで快適斜面をあっという間に雷鳥沢テント場の右手に降りることができた。室堂界隈は複雑な地形なので、遊歩道通りに歩くと上り下りが結構あるが、よく観察すると滑れる色々なルートがとれるようだ。


広大な平原みたいな所でシールを貼る。これから登ろうとしている大走りルート方面には3人しか向かっていない。振り返り見る雷鳥沢は百人単位で登っているのが見える。今日が本格的GW初日なので大混雑必須だろう。自分はきれいな白い穏やかな斜面を登っていき、急斜面に取り付くまでがひと区切り。1人はそのまま小走谷方面に行ってしまい、これから同じルートの標高差約600mを登ろうとしているのはテレマークの男女だけだった。取り付き斜面に着くと、北斜面にあたるので雪はやや堅めだった。そんなに幅が広い尾根ではないので、ジグザグに切って登るものの、あまり効果的に登れない。斜度が強く、方向転換もしにくい。先行のテレマーク隊もなかなか苦戦中。そうこうしていると、後ろから猛烈な勢いで登ってきた若者3人ボーダー組がアイゼン、ピッケルであっという間に抜いていった。そのうちの一人は女性だった。ツボ足の方が歩きやすそう。テレマーク隊もスキーを担ぎ始めた。自分もこれ以上はシールは無理と思い、スキーを外した。


さて、今回シールが難しい場合のために、ソリ式にセットするための用意をしてきた。長次郎雪渓あたりでやろうと思っていたからである。以前の山板でもソリ式はやっていたが、今の板はストッパーがついており、やや板も前よりは太いので、うまく板が引けるか心配だった。急斜面なので、作業は慎重に、シールを外すのはここでは止めて、予め準備してきたトップセット用の細引きとストッパーを上げておくための細引きをセット。トップの細引きには、カラビナ2個を交互に絡めて落下防止とした。肩にかける紐を長めのシュリンゲをダブルにしたら、あまり負担がなくていい感じだ。


先ほどのボード隊の踏み跡をちゃっかり使わせていただき、登り再開。これが、いきなり快適! さすがにシールが付いたままのスキーの滑りはやや重いが、なかなかいい感じで引ける。足元もツボ足の方が負担が少なくて快適快適。ハイマツの生えているやや安全な右斜面まで登って、1本立てる。ここで、シールを外す作業を行う。行程の約半分は来たかな? とにかく自分含めて6人しかこの尾根に取り付いていないというのは混雑の立山にあってはとても貴重なシーンである。前日も遠くから見て、このルートは登っている人が見えていたので、一日に何組かは滑っているようである。立山はゲレンデ状態になってしまうバーンが多い中ので嬉しい存在だ。


私が休んでいる間に、テレマークの男性が抜いて行ったが、女性の方は登り断念だ。私もほどなく登り再開。しばらくすると、斜面が緩やかになり、先ほどのボード3人組がゆっくり休憩していた。ここから左に尾根が大きく曲がり、雪の切れる稜線直下の縦走路まであとわずか・・・のはずだったが、なかなか苦戦。真昼の太陽が正面に当たり、雪も超グサグサ。緩い傾斜の割には進まない。こんな時はスキーがソリ式は大変に楽だ。というのは、休み休み登る感じになると、ちょっと息をついている間はスキーは自然に雪の上で止まってくれるので、肩にかかる負担が0になる。(アイスバーンの場合は逆にスキーは止まらないので、ずっと引っ張られているのでメリット少ない。)スキーを肩から引いていると、まるで気分はワンちゃんを散歩に連れているみたいな感じである。 *(^O^)* 



早くも、先ほどのテレマーカーの男性が尾根筋を快適に滑って行く。私は大分してから、やっと雪の終りのハイマツ帯に到着。やれやれ、シールなど外してちょっと一休みしていたら、またまたボード隊がすごい勢いで登ってきた。私は山のピークに1度は今回の山行で立とうと思っていたので、雪の消えた縦走路を歩き始めた。ボード隊の男性1名が先を行く。真砂岳のピークはそんなに離れていなかったが、いつの間にか先を歩く男性が居なくなって、とっても不思議?!


別山のピークから去年私も滑った真砂沢の滑走を始めている3人組が綺麗に見えて、思わず見とれてしまう。やがて、標識も何もないけど、三角点がある真砂岳のピークに到着。あまり自信がなかったので、GPSで確認してしまった(苦笑) 手前にも似たようなケルンがあった。しばし一人で静かなピークを独り占め。向こう側の斜面(内蔵ノ助カール)も覗いてみたいが、ちょっと上から覗き込めない感じがして、落っこちそうにがくんと落ちている感じがした。


再びスキーを置いた所まで戻ると、今まで見ていない別のボーダー3、4人が着いたところだった。先ほどの3人組を見ませんか?と聞いたら、滑っていないし、見てもいない、板もない・・・・ ますますキツネにつままれた気分だった???


さて、いよいよ滑走の時間〜♪♪ 大走りルートは尾根を登って滑るのが基本だが、ある雑誌に「右手の沢源頭部を滑るのも刺激的」とあったので、そっちの方を滑ってみることにした。シュプールが尾根筋よりも遥かに少なくて快適そう♪ 細い沢に吸い込まれていくような感じに見えて、刺激的〜〜☆ でもザラメの雪質なので、なんとかなりそう。カーブの先が見えないのが少し不安だけど・・・・。


ボーダーのギャラリーがいるので、ちょこっと緊張。板を履いて、沢の入り口あたりまでゆっくり進む。写真など撮って、上からよくルートを確認。さて、行きますか〜〜♪♪ 最初の1ターンから、割りと雪は締まったザラメで、荒れていないので最高〜☆☆☆ ものすごく滑りやすい斜面だ。斜度は30度弱か?連続して比較的小回りでしばらく進み、立ち止まって上を見上げると、人も見えないし、ぐんと下がった沢の中だった。満足して、思わずシャッターを押す。さて、そこから下はハイマツのブッシュが中央に見えるが、滑れる幅は3m位か?その手前でスピードを落とすように心がける。ちょうど左カーブの辺りにブッシュがあるので、その先が見えないのでワクワクドキドキ!! 慎重にカーブを曲がりきると、さらに下に気持ちのよさそうな真っ白な斜面が続いていた。


左上に雪庇が出ており、ブロックが落ちた跡も見えるので、右寄りがハイマツも出ている安全ルートのようだ。一旦止まって、珍しい景色を写す。天然のハーフパイプの中を潜り抜ける感覚というのだろうか?雷鳥沢よりも遥かに細い沢なので、より切迫感がある。雷鳥のつがいが盛んに鳴いている。近寄ってみたいが、さすがに安全な沢筋ではないので、そうはゆっくりできない。沢の中は、重めのパウダーみたいな感じの部分が残っていて、贅沢な味わいを感じた。シュプールも数個しかないので、なるべく右よりの斜面でシュプールない所を選んで滑る。斜度もそこそこで、とっても楽しい♪ お楽しみはあっという間に終わってしまうけど、なかなかお目にかかれない光景もあって、よかったなあ〜〜。小走谷との合流点あたりでもう1度あたりを見回す。ここも見上げると滑ってみたい急斜面で面白そうだ。それにしても、静かな谷で、本当にいい所だった。



雄山の山崎カールを眺めながら。今日も快晴登山日和♪ 昨日滑った雷鳥沢は満員御礼。
ソリ式に引かれた山スキー。ワンちゃんの散歩状態?の板 真砂岳山頂(2860m)
去年滑った別山からの真砂沢滑走ルート 富士ノ折立、大汝山、雄山方面。ここから内蔵助カールに1本のシュプール有。
スキーデポ地点より滑走コースを観察。左〜中央が尾根筋ルート。
自分は、中央沢筋ライン滑走♪
山の向こうに広がる雲海が終始綺麗だった。
登ってきた大走りの尾根道。中央から右折するようになっている。 左写真よりも右手に落ちている沢筋を選択。シュプール少なくて急斜面で気合!
一番最初の急斜面を無難にクリア。綺麗で滑りやすい雪で感激。 斜面が荒れていないので、かなりの斜度でも快適。中央ブッシュ帯に注意。
ハイマツの細い間を縫って左カーブ状に滑走。中央ブッシュの左下辺りを通過 左写真の位置ぐらいから一直線に沢が落ちている。気持ちいい〜〜。
左の上が尾根だが、雪庇がずっとあるので、沢の右側をずっと滑走。 真砂岳直下からの小走谷か? 見上げる急斜面はそそられるなぁ〜。
ピンクが登った尾根ルート。赤が滑走ルート。 滑走ルートは、途中は尾根の影で見えない。写真は前日雷鳥沢方面より撮影





大走りの登り出しの斜面下に戻ると、これから登る人達もいた。緩斜面を一気に滑走し、あっという間に雷鳥沢テント村だ。テント村の管理棟は水道から常時水が流れていて、快適なトイペ付きのトイレで感激する。なんか、とっても満足してしまって、超まったりモード。テント村の賑やかな様子を、少し離れた位置から眺めていた。本当にまったりして、再度動くのが嫌になる感じだった。(^^;)


板をソリ式にして運ぶのが快適なので、今日はあの昨日苦戦したTバーでなくて、左のツボ足ルートを登る。なかなか急登だが、Tバーよりも快適だ。(苦笑) のんびりと、みくりが池温泉まで板をワンちゃんの散歩状態で引きながら歩いて行く。


みくりが池温泉まで来ると、やれやれで、ソフトクリームを食べる。まだ時間はあるので、もう1本予定していた弥陀ヶ原へのツアーに行こうと再び歩きだした。歩いていると夕陽の感じに光線が傾きかけてきたので、益々まったり感が一杯だ〜〜。多くの観光客も行き来する中をソリ式で板を運んでいるのも少し恥ずかしい(苦笑)


室堂ターミナルに着いたものの、そこからの取り付き方がわからない。(^^;)展望台でよく見ていると、2人組がルートらしき山の裾野を歩いている。それが、全くのろのろで進まない。平坦な道に見えるけど、やや登りなのかなあ?登りは嫌だなあ〜。(←完全だらけてます ^^; )ここから見ると、バス道路に落ちそうな位の位置にルートがついているように見える。想像はしていたけど、歩きが多そうなコースのようだ。取り付くには、浄土山の方に少し登り返さないと駄目みたい。なんかターミナルに着いただけで、疲れちゃった(苦笑) 確か、室堂に登ってくる最終バスは4時半頃に弥陀ヶ原発だったので、30分もあれば終わるコースとは聞いているものの、自分は余裕をみて2倍には考えるので、今から行って万一トラブルでもあるとギリギリだ。時間は3時半ぐらいだったので、どうしようかと、ぼーっと山を見ながら考えていた。


結局、もっとルートをよく見るために弥陀ヶ原方面が一望に見える所まで行って山々を眺める。眼下には雲海が広がっていて、とても素敵な景色だった。うーん、うーん、いいなあ〜〜。なんだか、のんびり山を眺めていたら、それだけで満足してしまった。なかでも道路の左上のルートを通るのが一般的だが、1本のシュプールが右側の広〜〜い雪原を弥陀ヶ原方面に下りていくのが見えていた。あのシュプールはとってもロマンチックでいいなあ〜〜。大自然の中の本当の楽しみ方が出来そう。(どうやら、その後この右斜面の素敵なシュプールは同じMML(山登りメーリングリスト)のメンバーのものだったことが判明!!ターミナルのすぐ近くでは、ボーダー達が、ジャンプ台とか作って同じ斜面を何度も滑っているのが見えた。ゲレンデの中の遊びをそのまま持ってきたようで、まるで逆の楽しみ方だ・・・。 


後日調べたら、4時半のバスの後には5時50分頃にも弥陀ヶ原から最終バスが室堂に登ってくるのがあった。でもそんな遅くなってしまうのもよくないので、この日は雲海を眺めて満足して終了。弥陀ヶ原までの一般的なルートは、パトロールも巡回している安心ルートなので、またいつの機会かに行きたい。再びみくりが池温泉に戻って、白濁の温泉を十二分に楽しんだ。完全湯治スキーだなあ〜〜〜〜♪



雷鳥沢テント村は大盛況 雪壁見学にむかう人々。雪が今年は少ないものの、なかなかの壁ですね
行きたかったルートは、左の山裾を縫うコース 魅力的なシュプールが1本、右手の小屋に向かって微かに画像でも見える。
やっぱり、大日岳の夕景はいい感じ 立山とお月様 (微かに月が見えている)
浄土山(さすがにこの時間は人は僅か。右肩斜面が、ゲレンデ状態) 雲海が綺麗だが、写真ではうまく写せなかった (苦笑)



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