【3日目 5月5日】

 
天気予報どおりに、朝からどんよりした空模様。昼過ぎには雨が降るらしい。蓮華温泉はTVもない素朴な宿なので、これは前々日の白馬山荘で聞いていた予想。私は途中まで同室の栃木の3人組と行動することにした。朝日岳狙いだと小屋の朝食を食べてからだと山頂を狙うには時間がちときつい。6時半ごろ出発するが、今日は下山する人が多く、朝日岳に向かっている人は見かけない。(朝食抜きの5時台で出発した方達が数組、朝食食べてから出かけたのは他に1組いたようだ)


 最初はシールを貼るずに少し滑りこんで、昨日の通った道をサイドステップで登り返す。キャンプ場に到着すると、道なりに右の方向に穏やかに進むと、じきに下り。ぶな林を気持ちよく滑走するが、帰りは登り返しだから今から頭が痛い(^^;)。途中で平坦な所を通過して、さらに僅かに登ってここからが急下降というが、瀬戸川に向かって本当に急斜面だ。下に水が流れている所はどうも少々怖い。ショートターンでくるんくるんと慎重にターンして、最後は鉄橋が見えた。慎重に橋の袂までスキーで落ちないように行き、橋の所で板を外す。ドジを踏んで板を流さないように気をつける。


 橋の向こうでシールをつける。3人組から「一緒に登りますか?」と聞かれたので「たぶん途中で降りると思うから、先に行ってよいですよ」と答えた。しばらくは樹林帯の登りで、あちこちのルートで登れそうだ。やや薮っぽい景色だけど、3人にくっついて行く。昨日は熊が出没という噂もあるので、小さい鈴をつけた。それらしき獣の糞も発見。
割と入り組んだ地形で、右よりの尾根筋を登る。ひょうたん池は池というより水たまりぐらいでどれかなあ?ここで私はトイレ休憩をとるので3人とここで分かれた。テントが1張りあった。水芭蕉もちっちゃいのが咲いていた。もうひと登りで通称、蛙岩の上の台地に来ると、正面が朝日岳が見えてきて、少し平坦。ここで、ちょうど9時20分頃だったと思うが、ぽつぽつと雨が降り出したので、私はあっさりと下山を決めた。


 下りの方がルートは分かりやすかった。鉄橋まで来ると単独の男性が一人で急登をステップ切って登っているのが見えた。前日までの階段状のステップは全てスキーの滑走で無くなっているので、ステップを全部切って登るのは辛いと思っていたので、本当に感謝です。ここの急登はまじに急でした。スキー担いでえっちらこっちら、30分ぐらいかけてやっと登り返してふぅ〜〜〜。まったり休憩してから小屋まで、ゆっくりハイキング気分でのんびりのんびりシールで登ります。ぱらついた雨も全く降らなくて、お天気はどうなっているのかなあ?さっきに比べるとゆるい登りだけど、朝日岳まで往復した場合ならば最後のゆるゆる登りは相当辛いだろうなあ・・・・と想像する。
 

 雨が本降りになったのは15時からで、ぎりぎり朝日岳山頂に行けるぐらいの時間まで雨は小降りや止んでいる時間がほとんどだったので、ちょっと残念。この山行の前の山の2本(浅草岳と至仏山)がいずれもガスの中で展望無くて哀しかったし、今回は単独で来ているので自重した気分です。この日の部屋は本館の古いほうの部屋に移動です。昨日までの盛況が嘘のように、ずっと人数も少なく新館は閉鎖。小屋に戻るとさっそく一回目の温泉♪ 昼間から温泉は贅沢気分です。


 
この日はお日様がささないので、部屋は寒いです。だからお布団でぬくぬく、ごろごろ。することないので、暇です。そうこうしていると、ぼちぼちと山から人が戻ってきてます。私の部屋も4名組がやってきました。彼らは昨日は私と同じルートで白馬からで、今日は朝日岳を往復したという。雨はぱらぱらぐらいで、雨具を着ようかどうしようか?ぐらいの程度だったという。話を少ししていると、なんと一人の男性は去年のGWの槍ヶ岳山荘の前で同じTRABの板を履いていたことから少し会話をしたbunさんでした。私も時折ブログを拝見していたので、思わずびっくりでした!また、Kご夫妻は去年の私の飛騨沢レポを見ており、GW前半にちょうど飛騨沢に行かれたばかりという。みんな山スキー屋はどっかで繋がっているなあ・・・・・途中まで行動を共にした栃木組の3人も1名登頂であと2名もあと少しの場所まで行けたというし、本降りは最後の30分ほどだったというので、ちょっと今日の自分の行動はもったいなかったかなあ?と思いつつも、のんびり温泉リゾートもいいもんです。夕食前にもう1回、就寝前にも温泉に浸かり、蓮華温泉の夜は更けていくのであった。



蓮華温泉 6:25 発 瀬戸川の橋 7:15〜25 ひょうたん池付近 8:25〜40
戻り地点(1560m) 9:20〜40 瀬戸川の橋 10:15〜25 コル 11:00〜20頃
蓮華温泉戻り 12:25 




朝はこんな感じのどんより曇り空 途中まで同行した栃木3人組 鉄橋を渡っての場所でシールをつける。
ひょうたん池付近 写真奥の方から登ってきました ここで3人組みに先行していただきました。 中央奥の岩が蛙岩
雪倉岳北面からだとこのあたりの斜面に出るのかなあ? 左の写真の概ね右に展開する景色(厳密には連なっているか?)  中央奥が朝日岳
朝日岳  左下あたりに3人組が登っている 振り返ると頚城の山々が見える 
水芭蕉 瀬戸川の鉄橋 左の方が蓮華温泉に戻る道
鉄橋からは急登。シールでは滑落しそうなのでツボ足が確実  戻りの途中で見た雪倉岳
瀬戸川方面を振り返って こんな感じのほどよい樹間で往きは滑りやすかった。 一番天気が悪くてこの程度 





 【4日目 5月6日】

 天気予報どおり最終日は朝から良い天気。モルゲンロートで桃色に山々が染まっているのが部屋の窓から見える。朝食前に、またまた温泉♪ 女風呂は社交場のごとく、昨日までの山談義が朝から盛り上がっていたが、あれあれ、ここでもネットで見かけたことがあるお顔がちらほら・・・・・いきなり裸でのバッタリはご勘弁なのでそっとお風呂から抜け出たシャイな私です。(^^;)


 今日は下山日だが登り返さないと帰れない。同室の4名組、栃木3名組も天狗の庭経由で金山沢を滑走するという。私は金山沢は2度滑っているので、逆に蓮華温泉への基本の振子沢を一度も通ったことないので、ここは基本を是非おさえたいので、振子沢経由で天狗原に登って、栂池スキー場へ滑走とする。小屋の前で記念撮影をバチバチしていたら、一番最後の出発になってしまった。名残惜しく皆さんにご挨拶してお別れする。。


 恐らく小屋を出たのは一番遅く7時35分出発。最初からシールでのんびり歩く。林道には雪がついていて、1箇所だけ雪が切れているのでスキーを外して、たぶん2つめの橋の所から登りに入る。ちょうど男女のペアがスキーアイゼンをつける準備をしていたので、横をパスする。アイゼンするほどでもないだろうと思いそのまま登る。細い沢状の所を登るが、ほどなくテント泊?の2名組を発見。斜面が硬くて登りにくくて1名がスキー外している。確かに放射冷却でこの日は雪面が固い。小屋付近でも零下にはなっていたとかいう話もあり。急登というのは少なく、比較的緩やかな斜面が続くので、ノンビリモード。2名組と前後しながら登るが、時折沢が覗いて、ゴーゴーと水が流れている。ここのルートは古くからの代表的なクラッシックツアールートなので、赤テープや標識が豊富なのが嬉しい。恐らく連休の皆が多く入山している日ならば、人が一杯過ぎで、考えることもなくルートは辿れるだろう。この日は前夜の雨でシュプールも消えており、静かでひっそりしているので、ルートを確認しながら登るので自分的には好ましい。


 樹林帯を抜ける頃になると風が冷たく、思わず上着を着る。かなり寒気が入っている。そろそろ天狗原か?と何度も思ったけど、さらにもう1段高い所だった。このあたりは、パウダーシーズンに滑りたい斜面で、なかなかよさげな斜面が一杯広がっている。天狗原に近づくとヘリスキーがやってきて、お客様が降りてきたようだ。左手にヘリが発着して、そこからはスキーの大回転に使う大きな旗門が数十メートル置きに設置されているのでビックリ(><) 相当にガスが濃くても見えるようにしているようだ。


 やっと、天狗原の祠に到着♪やれやれ〜〜。ここからは下界に近い感覚。ヘリスキーでやってきた人達や、栂池からのピストン組があちこちに一杯いる。ここまで、実質ほぼ一人で登ってきたので、急に大繁華街に到着した気分??? ゆっくりと腹ごしらえをしてから、さて最後の滑走。


 ここからが、またまたびっくりで、大きな旗門はずっとあって、道迷いのしようがない? ここはゲレンデかって感じだ。2年前にこのあたりに来たよりも、ずっと管理された感じになっている。(あの時もあったのかなあ?)雪は南斜面でザクザクのザラメの斜面。緩すぎかも?飛ばしたくなる気持ちは抑えて、最後なので怪我などしないようにセーブして安全に滑走。滑走の面白さはここまでゲレンデチックだと、なんとも形容しがたい。うねうねと林道を経て、最後はゲレンデまでの長い緩斜面の林道。ゲレンデも最後は僅かに登り返しで、暑くてたまりません。汗だくでゴンドラに辿り着いた。


 うまい具合に栂池高原から白馬駅へのたまにしかない路線バスにちょうど間に合った。さらにラッキーなことに、一日1本しかない白馬駅から直通の新宿行き特急あずさに間に合いました。駅にデポしていた荷物を回収して、そのまま連休最終日だけど余裕で座って帰れました。今年のGWは4日間だったけど、お天気もあって実質3日間ぐらいの行程にしてしまったので、ちょっと物足りなかったかな?という気持ちもあるけど、まずは3日間は天気に恵まれて綺麗な山の景色と美味しい山小屋の食事と、何よりも温泉三昧でで癒されました。天気の良い時に、次回は是非、雪倉岳北面と朝日岳登頂を目指したいものです。

蓮華温泉発  7:35発 休憩(1792m付近) 8:37〜57 天狗原10:58〜11:40頃
ゴンドラ駅着  12:15頃 バス停着  12:50



 
朝の景色   左:bunさん達御一行、 右:栃木3人組
最初はこんな細めの樹林の中の沢沿いを登る。要所に赤布がかなりある。 沢沿いから次第に広い所を登って行くようになる。
もう少し登ると天狗原かなあ? 完璧な青空と静かな山でGWを満喫 天狗原の一角にて。クラッシックルートにて、立派な標識もあり。
天狗原の祠の所から 左の白馬乗鞍岳には結構登っている人多い やれやれ、ここまで戻ってきました。
白馬から五龍岳、鹿島槍ヶ岳までが見える
白馬連山
ヘリスキー降り場からコース沿いはこんな大きな旗が点々とある。 左奥がスキー場。まだ、ここはスキー場じゃありませぬ(笑)
緩斜面でザラメで滑りやすい ゴンドラで下山。





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