浅草岳


  〜完璧に白い世界での山スキー〜


 4月半ばともなると上越の山々には少し遅く、ちょうど中越方面の山が滑りの季節かな?ということで、去年の4月にもこのエリアの守門岳に登ったけど、今年は浅草岳に登ることにした。私は全くのはじめてだが、同行の二人はいずれも残雪や秋などの季節に複数回登っているお気に入りの山だという。だけど、山スキーでは初めてなので、どのルートにするか悩ましい。昔からのクラッシックルートはムジナ沢で、早坂尾根もガイドブックに出ている。それに加えて最近は白崩沢手前の尾根を登るのもメジャーになってきているようだ。ちょうど、前の週にリンク先のmt.raccoさんが素晴らしい好天の中で白崩沢沿いの尾根を登って早坂尾根を滑走するルートを行っているので、やはりここからにしようと決定。お天気は微妙で日曜の方が天気が良さそうだが、確かメンバーのうち日曜日に用事のある人がいたような? それで、多少お天気悪くても土曜日にとなった。(このレポは6月に書いているので多少記憶が?な点はお許しくださいませ。)



 山域 / 形態 中越 / 山スキー
 メンバー 糸屯一氏、YUJI氏、MINMIN
 日程 2008年4月12 日(土)
 登山情報 ●林道最終除雪地点の大自然館はこの時期は閉鎖。駐車場は除雪されていたけど、水道、トイレ等はない。




東京を出発する時点ではお天気はそんなに悪くなかったが、谷川国境を越したら越後は雨だった・・・・。小出インターで高速を降りて、下道で走っている間に止まないかと期待していたが、小降りにはなったものの雨は降っている。浅草岳はかなり遠い下道を通らないと登山口まで辿り着かない。それでも7時前には到着。あまりの寒さにブルブル・・・・・ 。冴えないお天気だ。去年の守門岳も朝は同じようなお天気だったが、車は10数台停まっていて活況だったが、ここは3台ぐらい? YUJI氏は張り切って早々に出発の用意。私は完全に出遅れて準備して、大分お待たせしてしまったけど、7:25頃出発。


 私らの歩き出す前に、3人ぐらいのパーティーと単独の方が先行している。駐車場からダイレクトに板を履けるのは嬉しい。道は歩き出してすぐに沢が流れているので、橋をわたらずに右手に登って行く。林道づたいに登っていくのだが、どっか適当な場所から右手の尾根に取り付かなくてはならない。どこから登ろうかと考えながら歩いていると、各パーティーが勝手にそれぞれ思う所から登る。見えている尾根にはやや急登。頑張って登って行ったら、あらあら、薮で道がふさがれている。降りるのも亀裂が入ってそうで怖いので悩む。糸屯一氏は先行の単独の男性がどうやら行けたようなので、続いてスキーを外して尾根通しを薮を漕いでやや下る。私も続くが、板を手で持つのは重たいし、泥でオーバーパンツは汚れちゃうし・・・・、なかなか泥臭い山スキーの世界だ。幸い100m以内で終って、左の雪の斜面で板を履ける場所に出れてふぅ〜〜。 YUJI氏は、うまい具合に下から登って合流できた。


 なんせガスガスなんで山の地形がイマイチどころかご近所しか見えていないので、気分的にはテンション低め。3人で合流した先あたりで、やれやれモードで1本立てる。気温が低くて寒い。冷気で湯気が立つようだ。4月だけど、冬山まではいかないけど、それの2、3歩手前ぐらいの感じ。ガスの幻想的な光景ともいえる斜面をひたすら登るが、このあとで広い斜面に出ると、明瞭な尾根に到達。下から私達よりも左後方の位置から5、6人のパーティーが登って来るのが見えた。恐らくそのルートが本来のルートなのだろう。結構な急登で、樹林も濃くて、1箇所ルート取りを失敗して、密林の中で板を取り回せず、板を外す。尾根に出ると、本来ならば素晴らしい景色なんだろうけど、右も左も真っ白な景色。なだらかな傾斜になって登るのは楽だが、どこまで続くんだろうか?2回目の休憩から先あたりで樹林帯を抜けた感じになり、風も強まる。あとはずっと左手が落ちている斜面で、右にぶな林が広がるという光景がずっと続く。ひたすら白い世界を黙々と登るので、まるでトレーニングの気分? ほとんど傾斜がないということは、全然高度を稼いでいないということでもある。


 嘉平与ポッチと呼ばれる小ピークのあたりが、ここの通過が微妙。確か板を外して土の出た斜面を少し登る。風が強く、雨もやや本降りか。ずっと元気良く先行していたベテランらしい単独男性もここのピーク付近でギブアップ。我々はどうしようか?と思いつつも、前岳まで僅かに下る部分もあって、さらに前進。その先は本当に今までも白い世界だったけど、より一層の真っ白なガスの酷い所で、引き返されたのも納得という感じ。僅かに小さな赤い旗のような目印がどんなにありがたいものだったか!! 同じような繰り返しを延々と繰り返した気分で、ようやく前岳に到着。ここからはあと10分ぐらいで山頂のはず。


 とはいうものの、全く山頂がどこにあるのかわからない。前進するの?って二人は行きたくなさそう??? 少し下ったあたりで、YUJI氏は服を着るとかでストップ。かなりお疲れの様子なので、私はさっさと先行。真っ白なガスガスで視界5mとか10mとかで下手すると空が上か下かわからないぐらいの感じの白すぎる世界だった。でもあと僅かだろうしだろうけど、本当にどこに山頂があるの?????斜面をこんなに下っていいのかなあ?どこだろう、どこだろう・・・・ 糸屯一氏が少し後ろから来ているけど、彼は何度も来ているから場所の土地勘が働くかなあ?ってなことを思っていたら、左に少し回りこんだ場所が山頂だった \(^〇^)/


 とにかく寒くてたまらないので、さっさと戻りたい。写真だけ糸屯一氏と撮って、YUJI氏は?って聞くと、鞍部で待っているとのことでした・・・・・全然知らなくて、まずい・・・・。山頂まで付き合ってくれた糸屯一氏に感謝です!山頂は全く何も見えないので、シールのままYUJI氏の所まで戻ることにする。シールつけたままで滑るのもちょっと怖いけど、ここまで白い世界で先行して降りはじめた糸屯一氏とはぐれたら大変なので急いで降りる。


 鞍部に戻って無事YUJI氏と合流。風が前岳の所は少なかったので、そこまで登り返してヤレヤレ。やっと雨具の下にフリースを着こんで、少し温かくなってほっとする。シールを外して一目散に滑走したい気分です。高度を下げれば少しは暖かくなるかなあ?


 これだけ酷いガスガスなので、早坂尾根はとても無理で、元着た道を滑走するのが一番安全。しばらくは稜線をなだらかに下るが、微妙な雪質で、スキーがひっかかる感じだ。早くザラメにならないか・・・・ ほとんどターンしないで斜滑降で降ります。往きに苦労した嘉平与ポッチ付近は左手から巻きますが、斜面は亀裂が入りまくりで、下手すると亀裂の中に落ちてしまいそうです。ここから先ぐらいからは、いい感じになってきて、あれ、あれ、なんか楽しくなってきたぞ♪霧氷の綺麗だったあたりはそこをくるくるとターンです。 こうなってくると、白い世界も楽しくなります♪♪


 自分達の往きのトレースを外さないように滑りますが、やがて、左の樹林の中にルートは入ります。ここでも、シュプールを探してくるんくるん。いい感じのしまったザラメ風。樹林帯の下で雪は汚れているものの、なんか楽しい♪♪ だんだんシュプールが増えてきます。この日に登頂したのはどうやら我々だけだったので、他の人達は稜線の下あたりから滑りだしていたようですが、私達がわかっているだけでも3,4パーティーで10名位はいたので、なんと、こんな山の中の場所なのに、小さいながらもコブ斜面ができてました!!! 調子に乗ると樹林に行き先をふさがれるので急斜面では特に気をつけております。ようやく雨も止んできて、一瞬だけあたりの山が少しだけ見えました。(今までは、周囲は全く何も見えていなかったのからすると、大進歩?)


 後でGPSでみると、下りはやや右の斜面を降りたようですが、これがメインルートだったらしく、なかなか滑りやすい良いルートです。そこそこに急斜面もあって楽しいです。登りでは5時間もかかったのに、お楽しみはあっという間。あと少しで林道です。景色を見ると中越らしい穏やかな里山の風景が墨絵のようにいい感じです。これは東山魁夷の日本画の世界みたい?余韻を噛み締めながら最後の林道滑走へ。YUJI氏は滑走となるとどんどん滑って行ってしまうのですが、糸屯一が待っていてくれて林道を一緒に滑走します。どうも分析すると、我々の登ったルートはやや手前過ぎる位置で林道から離れてしまったので、途中で登りにくいルート選択をしてしまったようです。山スキーのルート取りは雪だと色々と選択できるので、なかなか面白いです。


 下りは1時間位であっという間に駐車場へ。寒くて堪らないので、速攻で国民宿舎浅草山荘へ向かう。綺麗な宿で、温泉は露天はないものの、まったり♪ 途中でお風呂に入ってきた方に聞くと、明日は50名位の団体が浅草岳にスキー&ツボ足で登るとので、その点はこの日は静かな山でよかったのかなあ・・・・


 浅草岳はその姿を全く一度も見ることなかったけど、素晴らしい新緑や紅葉というので、また機会があったら是非再訪したいものです。滑りは、登りの途中でこんなに樹林があって滑るのは大変じゃないかな?って思っていたけど、樹をポールのように滑ることができる、ほどほどの樹間があって、楽しい滑走だった。今まではオープンバーンが多かったけど、こういう味わいのある山滑りもいいなあと感動したものだった。


駐車場発 7:25  休憩 8:50頃〜10分程度 1040m付近  9:55〜10:05
1320m付近 11:05〜15 前岳 12:15 浅草岳12:32〜38
前岳 12:55頃〜13:05発 駐車場着 14:05





登山口となる太陽館は土砂止めが上までそそりたち、特徴的 薮に行く手を阻まれて、板を担いで少しだけ薮漕ぎ
終始こんな白い世界。山頂付近はもっと酷かった 霧氷
 

浅草岳山頂 浅草岳山頂(私、糸屯一氏)、鞍部に戻ってのYUJI氏と糸屯一氏
YUJI氏がどんどん滑っていってしまいます・・・  こんな里山の風景は東山魁夷風?





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